八方塞がりも厄年もどちらも運勢が悪いとされる年齢を指していて、
神社に言ってお祓いをしてもらったほうが良いとされています。
八方塞がりも厄年も似たような意味ではあるものの
八方塞がりのお祓いは方位除け、厄年のお祓いや厄払いといった感じで、
お祓いの仕方(神主さんの祝詞)が違ったり、
それぞれが該当する年齢にも違いがあります。
逆に八方塞がりも厄年には共通点もいくつかあって、
- 陰陽道に由来をしている
- 数え年で年齢を考える
- 新しいことを始める年ではない
- 神社でお祓いをしてもらえる
といった感じなので、いずれにしても、
派手な行動や大胆な振る舞いは避けて、
できるだけ地味で落ち着いた生活を心がけたほうが良いでしょう。
ちなみに女性の場合だと37歳になると
八方塞がりと厄年の両方が重なってしまい、
運勢がとても悪い年になってしまいます。
33歳の厄年や、27歳の八方塞がりで
神社のお祓いをしていなかったとしても、
37歳の時だけはお祓いをしてもらったほうが良いかもしれません。
八方塞がりと厄年の4つの違い
八方塞がりと厄年の違いを上げていくと少なくとも、
- 八方塞がりは男女とも同年齢
- 八方塞がりは必ず9年に一度巡ってくる
- 八方塞がりに前厄、後厄などが存在しない
- 八方塞がりと厄年のお祓いの祝詞が違う
という4つの違いがあります。
八方塞がりは男女とも同年齢
厄年にあたる年齢は男女で異なっています。
- 男性 → 25歳、42歳、61歳
- 女性 → 19歳、33歳、37歳、61歳
となっているのに対して八方塞がりの年齢は男女に共通して、
19歳、28歳、37歳、46歳、55歳、64歳、73歳、82歳、91歳
といった感じになります。
10の位と1の位を足した時の合計が10となる年齢が
八方塞がりの年齢となります。
八方塞がりは必ず9年に一度巡ってくる
厄年が巡ってくるのは男性では一生のうちに3回あるのにたいして、
女性は4回もあります。
その上、男女ともに厄年にあたる年齢には規則性がないものの、
八方塞がりは必ず9年に一度巡ってきます。
後で詳しく説明をしますが、
生年月日によって人の運勢を九つの星「九星」に分けていて、
九星が1年おきに順番に巡っていることから、9年という規則性が生まれます。
八方塞がりに前厄、後厄などが存在しない
厄年には前厄・後厄という考え方があります。
前厄とは厄年の1年前の年で、後厄とは厄年の次の1年のこと。
厄が気になるのであれば、厄年だけじゃなくて、
前厄・後厄でも厄払いをしてもらうと良いですが、
八方塞がりには前厄・後厄のような考え方がありません。
純粋に9年に1回巡ってくる年齢のみ運勢が落ち込みます。
八方塞がりと厄年のお祓いの祝詞が違う
八方塞がりも厄年もどちらも神社でお祓いをしてもらうことで、
災いを避けることはできるものの、
神主さんの祝詞が微妙に異なります。
※そもそも祝詞には決まったパターンがあるわけじゃなくて、
ある程度は神主さんが独自の内容を考えているようです。
厄年に関しては、
「今年が厄年の○○さんなので厄を軽くして、一年間を穏やかに過ごせますように…」
といった感じなのに対して、八方塞がりでは
「○○さんの周りの全方角(八方位)が塞がれて運勢が悪いので、どこかの方位を開けください」
といった内容の祝詞になるそうです。
八方除けと厄除けの祝詞の違いをもう少し詳しく!
祝詞は別名「祓詞(はらえことば)」とも呼ばれ、
祓戸(はらえど)の神様の持つ御神力によって、
罪や穢れが清められると言われています。
祓戸の起源は『古事記』「日本書紀」にさかのぼることができて、
イザナギ(伊邪那岐神)が妻のイザナミ(伊弉冉尊)の後を追い、
黄泉の国へと行ったものの、心身すべてが穢れてしまいました。
穢れを落とすために、筑紫の日向の橘の小戸の阿波岐原と言う場所で、
海水を浴びて禊(みそぎ)を行ったところ、
多くの祓戸の神々が生まれたという言い伝えがあり、
様々な厄災を清めてくれる祓戸の神々の御神力を願う言葉として、
祝詞が誕生したようです。
厄払いでは主に「厄」を落としてもらうための祝詞を行ってもらいますが、
八方塞がりでは周囲を囲んでいる禍津日神(禍津神、まがつかみ)の
厄災から守ってくださいといった趣旨の祝詞になるようです。
禍津日神とは災いの源とされている穢れから生まれた神で、
イザナミが穢れを浄めるために行った禊ぎによって誕生したとされています
ただ、古事記の研究が進むにつれて、
禍津日神は必ずしも悪神ではなく善神という見方も出てきています。
実際に石川県金沢市にある「瀬織津姫神社」では
瀬織津比咩(瀬織津姫)と共に大禍津日神が
「世の中の罪穢を浄め、凶事を除き去る神」としてまつられています。
37歳女性は八方塞がりと厄年のお祓いを一緒に!
女性の場合19歳と37歳のなんと人生に2度も
厄年と八方塞がりが重なる年齢があります。
特に37歳というのは育児や健康、親の介護、
自分自身のキャリアなど頭を悩ませる問題が山積しやすい状態です。
早い人だと40代になる前に更年期障害の症状が現れることもあり、
人生において大きな変化が現れやすい時期でもあります。
自分は今のままで良いと思っていても、
環境が変わるのを止めることはできないので、
少なくとも自分にとって悪い方向に
変わってしまうことだけは避けたい所です。
普段は神社にお参りに行くようなことはなくても、
37歳の時だけは神社に行ってお祓いをしてもらったり、
運勢を占ってもらったりすると良いんじゃないでしょうか。
八方塞がりと厄年の共通点
八方塞がりと厄年の違いが分かったところで、
次に、八方塞がりと厄年の共通点を上げていきます。
- 陰陽道に由来をしている
- 数え年で年齢を考える
- 神社でお祓いをしてもらえる
- 新しいことを始める年ではない
陰陽道に由来をしている
八方塞がりも厄年もどちらも、
中国で生まれた陰陽道(陰陽五行)が由来となっているようです。
厄年では男女が不規則な年齢に運勢が落ち込むとされていますが、
厄年の年齢計算は陰陽五行説にのっとった数字の陰陽や吉凶に
基づいているようです。
中国の古医書などにも陰陽道で計算している記録が残されていて、
厄年の考えたすでに登場しているようです。
八方塞がりはというと、簡単にいえば陰陽道の九星(きゅうせい)が由来で、
九星は一白・二黒・三碧・四緑・五黄・六白・七赤・八白・九紫があります。
九星にさらに惑星が関連付けられて、
一白水星、二黒土星、三碧木星、四緑木星、五黄土星、六白金星、七赤金星、八白土星、九紫火星
という運勢(星)の動きが一生ずっと
自分の運の波を司るとされています。
九星が1年ごとに順番に巡るとされているのも、
星の動きが関わっています。
この九星の動きをさらに図式化して
中央と東西南北・北東・南東・南西・北西の八方位に割り当て、
中央に入ったその年が、自分の星の場合に他の八つの星に周囲を囲まれてしまいます。
運勢的にどの方角も塞がれてしまうため、
どの方角に行っても良い結果を得られない、
つまり災厄を招きやすいことから、
お祓いをしたほうが良いとされています。
数え年で年齢を考える
八方塞がりも厄年も年齢の数え方は、
誕生日ごとに年齢が1歳上がる満年齢ではなくて、
新年の1月1日を迎えるごとに1歳あがる数え年となっています。
人間社会は今でこそ少子化が進んでいるし
大人になる前に死んでしまう子供の数は激減しているものの、
昔は幼くして死んでしまう子供もも多いうえに、
女性が一生のうち出産する回数も今よりもずっと多かった時代があります。
そのため、子供ごとに誕生日を把握するのが大変だったため、
新年に一斉に年齢を一つ増やす数え年の考え方が定着したようです。
神社でお祓いをしてもらえる
八方塞がりも厄年も神社に行けばお祓いをしてもらえます。
厄払いで有名な神社、たとえば川崎大師や西新井大師などなどでは、
厄年のお祓いだけじゃなくて八方塞がりのお祓いも受け付けてくれます。
新しいことを始める年ではない
八方塞がりも厄年も何かと厄災が付きまとうため、
新しいことを始めても失敗する確率が通常よりも高いとされています。
たとえば引っ越しをして新生活を始めるには向いていないし、
会社を辞めて独立するのもできれば避けたほうが良い年かもしれません。
八方塞がりの転職は失敗する?
新しいことを始めるのに良くないのであれば、
八方塞がりの年齢に転職するのも良いこととは言えなさそうです。
新しい職場に移るするわけですから、
そこで何らかの厄災に遭遇するリスクが高いと考えられます。
八方塞がりも厄年も、
気にしなければ良いという気持ちの問題でもあるものの、
何か問題が起きたときに「八方塞がりのせいだ。。!」と考えてしまうと、
他にも様々な厄災を自分の手で招いてしまいかねません。
可能なら八方塞がりの時には転職は避けたほうが良いでしょう。
目の前に絶好のチャンスが転がっているように見えても、
実はリスクが見えていないだけかもしれません。
八方塞がりの年はどちらかというと、
良く年以降のために準備をするための期間と考えた方が良さそうです。
八方塞がりも厄年も準備をする年齢
八方塞がりも厄年も厄災を招きやすく運勢が落ち込むと言われるものの、
良く年以降のための準備をする期間という見方もあります。
人生を春夏秋冬に例えるならば八方塞がりと厄年はまさに「冬」です。
冬は次にやってくる「春」を迎える準備期間と考えることもできますから、
何か新しいことを始めるのであれば、
八方塞がりも厄年が過ぎてからでも遅くはないんじゃないでしょうか。
八方塞がりも厄年も年齢が進むと必ず巡ってくるように、
チャンスだってこの先も必ず巡ってくるものです。
これから訪れるであろうチャンスを逃さないために、
自分磨きに力を入れるべき1年ではないでしょうか。
八方塞がりのお祓いは八方除け?方位除け?
厄年のお祓いのことは厄払いと呼ばれるのが一般的ですが、
八方塞がりのお祓いのことは「八方除け」とか
「方位除け」と呼ばれることがあります。
どちらが正しいのかというと、細かいことを気にしないのであれば、
八方除けでも方位除けでもどちらでも良いようです。
ただ八方除けは「全方位の厄災を払ってください」というお祓いになるので、
どちらかというと開運の意味合いが強いようです。
方位除けというのは「災いを招く凶方位をなくしてください!」という意味合いが強く、
凶方位というのも毎年必ず決まるものなので、
八方塞がりのお祓いは方位除けと呼ぶのが適しているようです。
八方塞がり・厄年の払いを受ける時期や初穂料は?
八方塞がりも厄年もどちらも陰陽道がルーツとなっていて、
陰陽道が生まれた当時の暦は太陽暦ではなくて太陰暦(旧暦)です。
現代の1月1日~12月31日ではなくて旧暦の1年、
現代でいうと2月4日(春分)から翌年の2月3日の1年が正式のようですが、
細かくこだわる必要はないので、とりあえず1月1日から2月3にまでの間に、
お祓いを済ませることができればよいんじゃないでしょうか。
神社でお祓いをしてもらう初穂料(祈祷料)を納めなければいけませんが、
1人が1つのお祓い(願掛け)を1回してもらう初穂料の相場は5000円です。
ただ神社によっては厄払い・八方塞がりのお祓い用に
特別な祈祷プランが用意されていて、
相場よりも初穂料が高くなっていることもあります。
その代わりにお守りやお札がもらえるなどの特典がついていることが多いです。
お祓いで頂いたお札やお守りはいつ返す?処分方法は?
八方塞がりや厄年のお祓いで神社からもらってきたお札やお守りは、
お札は自分の目線よりも高い位置に飾り、
お守りは基本的に身に着けて歩くようにします。
だいたい1年くらいがお札・お守りを返却する時期とされていて、
お正月のお炊きあげや旧正月のどんど焼きで処分してもらう人が多いです。
逆に、お札もお守りも必ずしも返さなきゃいけないわけじゃないし、
お札やお守りの効果が薄れたり、逆に災いを招くようなこともないので、
神社に返納せずにずっと持ち続けていても問題はありません。