『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』では悪役のエルンスト・スタヴロ・ブロフェルド(クリストフ・ヴァルツ)が『007 スペクター』から続投。
同じくボンドガールのマドレーヌ・スワン(レア・セドゥ)も登場しましたが、ブロフェルド死んだ原因はナノマシン(ヘラクレス・ウィルス)?香水?
007ノータイムトゥダイでブロフェルド死んだ原因はナノマシン?香水?
順序としては
香水でマドレーヌがナノマシンに感染
↓
感染したマドレーヌに触れたボンドが感染
↓
ボンドがブロフェルドの首を締めた時にブロフェルドに感染
といった流れになります。
ボンドがパーティで浴びたナノマシン「ヘラクレス・ウィルス」は「スペクター幹部(家族ではない)の遺伝子情報」が登録されていました。
ですのでキャリアとなったボンドがロンドンの牢獄でスペクター幹部のブロフェルドを尋問し、挑発されて激高して直接手を触れた際に感染したのです。
サフィンとの戦いで浴びた「ヘラクレス」は「ホワイト家の縁者の遺伝子情報」ですので、ボンドはマドレーヌとマチルドに二度と触れられなくなり絶望することになります。
サフィンがマドレーヌに香水を渡したのは「心理療養士」として、収監中のブロフェルドに対面できる唯一の人物だったからでしょう。
本来ならマドレーヌとブロフェルドの2人が同じ空間内で会話するだけで目的を達する予定だったはずで、マドレーヌが患者の立場であるブロフェルドの体に触れる可能性はまずなさそうですから、香水の香りに「ブロフェルドだけを殺す生体ナノマシン」が含まれていて、それをブロフェルドが吸引することで暗殺できるものだったのではないでしょうか。
ボンドがその面会に同行したのはサフィンにとってもマドレーヌにとっても予期せぬ出来事だったはずで、ボンドの面会室での行動はブロフェルドの死には関係なく、香水の残り香をブロフェルドが吸引したんですよ。
当然、その香水はトイレに潜んでいたノーミや同行したボンドも吸引しているはずですが、2人を殺すターゲットDNAが含まれていないので無害なのは、スペクターが集合していたパーティ会場に散布された「スペクターだけを殺すガス」を吸引したボンドは何ともなくて、周りにいたスペクターだけが死んだことでも明らかでしょう。
本来ボンドを殺すつもりでガスをパーティ会場に散布した義眼の男は、最後、サフィンの島の基地にいましたからサフィン側の人間。
その後、確か、スペクターの死体に触れた家族も死んだことがわかったなどという情報が入ったのでわかりにくくなったのですが、マドレーヌは刑務所で再会したボンドの握手を拒んでいますし、すぐに帰ってしまったので、あの時点ではボンドから「スペクター(とその家族も?)だけが死ぬ生体ナノマシン」は感染しなかったということでしょう。
でないと、スペクターの家族であるマドレーヌはあの直後に死んでないとおかしいんですよね。
でもその後、マドレーヌは自宅にやってきたボンドと接触していますよね?
今回の「ヘラクレス計画」は、前作「007 スペクター」(2015)で登場したオーストリアの山頂にあるホフラー診療所などから考えても、「女王陛下の007」に登場した「オメガビールス計画」を今風にアレンジしたものではないかと思われるのですが、同時に小説版「007は二度死ぬ」に登場した毒草を集めた「死の庭園」や日本趣味も出てきたので、劇中のボンド同様、見ている観客にもわかりにくい設定になっています。