東京都のコロナ感染者数はやや減少の兆しを見せているものの、4月30日時点ではまだまだ予断は許さない状況。
当初の想定よりもコロナの感染拡大の勢いが収まらないことから5月6日までとされていた緊急事態宣言の延長も前向きに検討されつつあります。
こうした背景を受けて議論の舞台に出てきたのが学校制度の見直しで従来の4月入学制を9月入学制に変更するかどうか。
実現すれば明治以来の一大教育改革となるわけですが、9月入学制のメリットデメリットや変更に伴う影響について考察しています。
9月入学制のメリット
- 国際社会の教育システムと足並みがそろう
- 緊急事態宣言中の休校の影響を緩和できる
- 新しい文化の創出が期待できる
国際社会の教育システムと足並みがそろう
世界的にみると日本のように4月入学を採用している国はほとんどなく、
教育先進国を中心に9月入学を採用している国がたくさん見られます。
すでに9月入学の国と教育システムの足並みがそろうことから、
相互の国で学生の交流や留学が従来よりもスムーズになりそうです。
緊急事態宣言中の休校の影響を緩和できる
緊急事態宣言が発令される3月からすでに多くの学校では休校の措置が取られています。
小学生や中学生、高校生などは春休み期間もあったとはいえ1ヶ月以上は通常の授業を受けることができていないため、
従来に比べて学力低下が懸念されます。
9月入学制に切り替えて、なおかつ3~4月を夏休みのような長期休暇期間とすることで、
緊急事態宣言中の休校の影響を緩和できそうです。
新しい文化の創出が期待できる
4月入学は桜の季節にちなんだ文化・風習のようなものがありましたが、
9月入学に変わることでまた新たな文化・風習が生まれるのではないでしょうか。
9月入学制のデメリット
- 近代に生まれた文化が失われる
- 制度変更に伴う混乱・歳費の増加
- 一時的な教育の空白期間が生まれる
近代に生まれた文化が失われる
現行の4月入学・3月卒業はちょうど桜が開花する時期で「桜=卒業・入学シーズン」というイメージがありましたが、
9月入学になることでこうした文化的なイメージが失われます。
制度変更に伴う混乱・歳費の増加
9月入学に変更するのであれば、年間の学習カリキュラムを根底から見直さなければいけません。
さらに9月まで残された期間は約4か月と非常に短い期間となっており、制度変更に伴う混乱は避けることはできないでしょう。
また4月入学を想定してすでに用意した教材などの一部は無駄になってしまうだろうし、
9月入学制のために新たに準備することもあることから歳費の増加が懸念されます。
一時的な教育の空白期間が生まれる
後でまた触れますが、9月入学制にするのであれば現行の学年をどのように移行するのか?という問題もあります。
たとえば小学校・中学校・高校の新一年生は9月入学とするのであれば、2020年月までの期間は学生という身分もなく実質無職といった身分となります。
9月入学制で学年はどうなる?
9月入学制に移行した場合、9月から新たに新学年がスタートすることになると考察しています。
9月入学制は3学期制?2学期制?
9月入学制としている多くの国では日本とは違い3学期制ではなく2学期制を採用しています。
日本ももしかしたら9月入学制変更に伴って2学期制になるかもしれません。
中学生が通知表を受け取る回数も1年で3回(3年間で9回)から1年に2回(3年間で6回)となり、入試制度の評価方法にも影響が出てきます。
9月入学制で幼稚園・保育園の入園・卒園はどうなる?
小学校・中学校・高校・大学が9月入学制になるのであれば、幼稚園や保育園も4月入学ではなく9月入学に変わらざるを得ないでしょう。
9月入学制で卒業式・入学式はいつになる?
9月入学制になれば卒業式はおそらく8月に実施されるのではないでしょうか。