銅と希硝酸の化学反応式の作り方
希硝酸になぜ銅が溶けるんでしょうか?発生する気体は?
銅と希硝酸の化学反応式の作り方
銅と希硝酸の化学反応式は、以下のとおりです。
3Cu + 8HNO3 → 3Cu(NO3)2 + 4H2O + 2NO
この反応式は、銅の酸化と硝酸の還元が同時に起こる酸化還元反応です。
■銅の酸化
銅は、希硝酸の酸素によって酸化されて、銅イオン(Cu2+)になります。
Cu → Cu2+ + 2e-
■硝酸の還元
硝酸の窒素は、銅イオンの電子を受け取って、一酸化窒素(NO)になります。
HNO3 + 3H+ + 3e- → NO + 2H2O
この2つの半反応式を、電子の数を合わせてつぎ合わせると、次のようになります。
3Cu + 2HNO3 + 6H+ → 3Cu2+ + 4H2O + 2NO
最後に、硝酸の水素イオンと銅イオンの水酸化物イオンを結合させると、最終的な化学反応式が得られます。
3Cu + 8HNO3 → 3Cu(NO3)2 + 4H2O + 2NO
■ポイント
- 銅と希硝酸を混ぜると、銅が酸化されて銅イオンになり、硝酸が還元されて一酸化窒素になります。
- 酸化とは、物質の電子を失うことです。
- 還元とは、物質に電子を与えることです。
- 酸化と還元は同時に起こる反応です。
銅は希硝酸になぜ溶ける?発生する気体は?
銅が希硝酸に溶ける理由は酸化還元反応にあります。希硝酸に含まれる塩素酸(HNO3)が銅を酸化し、同時に銅が硝酸中の酸素と反応して酸化されることで、銅イオンと窒素酸化物が生成されます。
銅は希硝酸に溶ける際、酸化されて銅イオン(Cu2+)となり、同時に窒素酸化物である一酸化窒素(NO)が発生します。この反応によって、銅が溶ける現象が起こり、気体の一酸化窒素(NO)が発生するのです。この反応は銅の表面が希硝酸と接触することで進行し、銅が希硝酸に溶けることで化学的変化が生じます。
銅と希硝酸の化学反応式の作り方|なぜ溶ける?発生する気体は?
銅と希硝酸の化学反応式を表すには、まず銅と希硝酸のイオン反応式や半反応式を理解することが大切です。
銅の半反応式は「Cu → Cu2+ + 2e-」です。一方、希硝酸の半反応式は「HNO3 + 3H+ + 3e- → 2H2O + NO」です。
これらの半反応式を整えるために、①を3倍に、②を2倍にすることで電子の数を合わせます。すると、「3Cu + 2HNO3 + 6H+ → 3Cu2+ + 4H2O + 2NO」のような式が得られます。
この式から、水素イオンは硝酸から来たものと考えて、反応式を次のように表すことができます。「3Cu + 8HNO3 → 3Cu(NO3)2 + 4H2O + 2NO↑」となります。
ただし、銅と濃硝酸の反応式は異なります。「Cu + 4HNO3 → Cu(NO3)2 + 2H2O + 2NO2↑」となります。
銅に希硝酸を加える場合、銅のイオン化傾向が小さいため、酸化還元反応の半反応式は以下のようになります。「Cu → Cu2+ + 2e-」酸である希硝酸については、窒素の酸化数変化に注目して式を整えます。「HNO3 → NO + 2H2O」「HNO3 + 3H+ + 3e- → NO + 2H2O」などの形になります。
こうした半反応式を組み合わせて最終的な反応式を導きます。それが「3Cu + 8HNO3 → 2NO + 4H2O + 3Cu(NO3)2」となります。