七福神のそれぞれの持ち物は?
七福神(恵比寿、大黒天、福禄寿、毘沙門天、布袋、寿老人、弁財天)の持ち物にはどんな意味があるんでしょうか?
七福神の持ち物と意味
七福神のそれぞれの持ち物は?
恵比寿天=左手は鯛、右手は釣竿
大黒天=打出小槌(うちでのこづち)、宝物がいっぱい入った大きな袋を背負う
毘沙門天=左手は宝塔、右手は宝棒
弁財天=琵琶
布袋尊=宝物がいっぱい入った大きな袋
寿老人=巻物を括り付けた杖、団扇、桃
福禄寿=左手は宝珠、右手は巻物を括り付けた杖
恵比寿
左脇に鯛を抱えて右手に釣り竿をもつ姿は、誰にも馴染み深いものがあります。
その釣竿は「釣りして網せず」すなわち暴利をむさぼらない、清い心を象徴している
といわれており、そこが商売繁盛の神様として人気を集めたようです。
大黒天
大黒さまの頭につけた頭巾は「上を見ない」という謙虚さを。
また二つの米俵は「二表で満足をする」という、
欲を張らない清廉な心を示しているといいます。
また、打ち出の小槌の「槌」は「土」、すなわち米をはじめとした、
様々なものを生み出す「大地」を意味するのだと言われています。
福禄寿
福禄寿は頭が異様に長く、豊かな白髭をたくわえた、背の低い老人の姿です。
実は寿老人と福禄寿は同一人物なんんです。
我が国では二様に描かれた同一人物を別人として、
それぞれを七福神に加えたといわれております。
福禄寿の名前は固有名詞ではなく、
道教で理想とされる、「福」と「禄」と「寿」(幸運と子孫に恵まれること・
金銭に恵まれること・長生きすること)のことだ、といわれています。
こうした三つの得を具備するところから、大変な人徳をもった神さまであるとも言われ、
また寿老人の鹿に対して、亀や鶴をなつかせていたといわれています。
毘沙門天
にこやかな七福神の中でただ一人、甲冑に身を包んで厳しい顔をしているのが、
毘沙門天です。
もとはインドの財宝福徳を司り、サンスクリット語でクペーラと呼ばれ、
ヒマラヤの北方の山中に住んでインドの北を守る善神とされています。
仏教に取り入れられてからは、
仏法を守護する四天王の一人として北方防備の任を担い、四天王中,
最強の力を誇るとされました。しばしば北からの侵略を受けていてインドでは、
北を守る者こそ最も強くなければならなかったのでしょう。
布袋
七福神中、唯一実在の人物で、長丁子と号した唐代末期の禅僧・契此をはじめ、
宋の僧了明、棗陽の張氏の男など、四人が布袋和尚として伝えられています。
彼らはいずれも巨大な太鼓腹に、いつも半裸という風体。
杖と大きな布の袋を携え、袋の中に身の周りの持ち物を入れて、放浪生活を送っていました。
食べ物を施されると、少しだけ食べて残りは袋の中にしまっておくのが常だったといいます。
大きな布の袋とふくよかな笑顔が大黒天と結びついた、という説に加え悠悠自適、
「泣いて暮らすも一生。笑って暮らすも一生。
同じ暮らすなら笑って暮らせ」といった、楽天的な布袋和尚の生き方が、
当時の禅僧をはじめとした人々に「至福」の象徴として受け入れられた、と考えられます。
寿老人
竜骨座という星座の中に、「カノープス」と呼ばれる、きわめて明るい星があります。
南半球に属するために日本では知られていませんが、中国ではかつて、
この星は「寿星」または「南極老人星」と呼ばれていました。
寿老人とはこの星を人格化したものなのです。
また、鹿をしたがえた姿で描かれることがありますが、
これは「鹿」と「禄」が同音であるところから
「福禄の神さま」であることを表したのだと考えられています。
弁財天
水の神さまであるところから、海辺や湖辺に祀られることが多く「三弁天」と呼ばれる
江ノ島・竹生島・厳島に祀られるものは、有名です。
また、鎌倉の宇賀福神社に祀られる弁才天は「銭洗い弁天」として有名で、
巳の日に境内の清水で硬貨を洗うと、福銭となり、
倍になって戻ってくると云われています。
七福神の意味・由来は?
七福神とは、福の神として信仰される7人の神様のことです。
由来は諸説ありますが、一般的には、室町時代ごろに中国やインドから伝わった神様と日本の神様を組み合わせて、日本独自の信仰として生まれたとされています。
7人という数は、「7つの災難が消え、7つの福が生まれる」ということを意味する仏教の経文に由来するといわれています。
七福神の各神様の名前と意味は、以下のとおりです。
恵比寿(えびす):漁業、商売、商売繁盛の神様
大黒天(だいこくてん):財宝、福徳、商売繁盛の神様
毘沙門天(びしゃもんてん):武神、勝利、財宝の神様
弁才天(べんざいてん):芸能、知恵、財宝の神様
福禄寿(ふくろくじゅ):長寿、福徳、知恵の神様
寿老人(じゅろうじん):長寿、福徳、知恵の神様
布袋(ほてい):福徳、知恵、笑いの神様
七福神は、日本では古くから親しまれている神様で、多くの寺社に祀られています。また、七福神巡りという、七福神が祀られている寺社を巡る行事も盛んに行われています。
七福神のご利益は?
七福神は、それぞれ異なるご利益をもたらすとされています。
恵比寿:商売繁盛や豊かな収入、繁栄をもたらすとされます。
大黒天:商売繁盛や家庭の幸福、家族の健康と安全をもたらすとされています。
弁才天:学問や芸能、また金運や商売繁盛をもたらすとされています。
毘沙門天:学問の神様として知られ、勝利や家族の安全をもたらすとされています。
寿老人:長寿や健康、豊かな生活や幸せをもたらすとされています。
福禄寿:幸運や豊かさ、繁栄、長寿をもたらすとされています。
布袋:幸福、楽しみ、そして人々に笑顔をもたらすとされています。
まとめ:七福神の持ち物と意味|恵比寿、大黒天、福禄寿、毘沙門天、布袋、寿老人、弁財天
■恵比須神
恵比須神は左脇に鯛を抱え、右手に釣り竿を持っています。この釣り竿は「釣りして網せず」という意味で、暴利をむさぼらない、清らかな心を象徴しています。商売繁盛の神様として人気を集める要因となっています。
■大黒天
大黒さまの頭につけた頭巾は「上を見ない」という謙虚さを表しています。また、二つの米俵は「二表で満足する」という、欲を抑えた清廉な心を示しています。そして、打ち出の小槌は「土」を意味し、様々なものを生み出す「大地」を象徴しています。
■弁才天
弁才天は水の神として知られ、銭洗い弁天としても有名です。特に巳の日に境内の清水で硬貨を洗うと、福銭となり倍に戻ってくるとされています。
■毘沙門天
毘沙門天は甲冑を身に纏い厳しい顔つきをしています。元々はインドの財宝福徳を司り、インドの北を守る善神とされていました。仏教に取り入れられた後は、仏法を守護する四天王の一人として北方防備の任を担い、最も強い力を持つとされました。
■寿老人
寿老人は竜骨座の星「カノープス」を人格化したものです。鹿を連れた姿は、「鹿」と「禄」が同音であることから「福禄の神さま」を表しています。
■福禄寿
福禄寿は寿老人と同一人物で、「福」「禄」「寿」(幸運、金銭に恵まれること、長寿)を象徴しています。人徳のある神とされ、鶴や亀を飼うことで知られています。
■布袋
布袋和尚は実在の人物であり、太鼓腹に杖と布の袋を持ち、放浪生活を送っていました。大きな布の袋とふくよかな笑顔が大黒天と結びつき、楽天的な生き方が「至福」の象徴とされています。