中国企業が「大谷翔平」を商標申請していたと報道されています。
大谷翔平でもし商標登録された場合、どうなるんでしょうか?
大谷翔平で商標登録|中国企業が勝手に商標申請でどうなる?
中国企業が「大谷翔平」を勝手に商標申請 認められたら日米中で大問題に!
中国で野球はマイナースポーツだったがこの数年、人気が上昇し、ロサンゼルス・ドジャースに移籍した大谷翔平(29)の活躍なども中国メディアが大きく報じるようになっている。その人気ぶりに目を付けた中国の全く無関係の企業が「大谷翔平」の名前を商標申請したという。
近年、中国で日本のブランド名やキャラクター名が無関係の企業に勝手に商標登録され問題となることがあった。
https://news.infoseek.co.jp/article/tospo_1134592404679197631/
「大谷翔平」のような人の名前で商標を勝手に出願された場合について商標は、早い者勝ちの原則で登録されます。つまり、他人に先んじて商標登録出願を行い、登録が認められれば、その商標について独占的な権利を取得することができます。
「大谷翔平」のような人の名前で商標を勝手に出願された場合、本人がその名前を使用できなくなる可能性があります。例えば、自分の名前で商品やサービスを提供したい場合、他人に商標権を取得されてしまうと、許可なく使用することができなくなります。
さらに、「大谷翔平」など人の名前で商標登録された商品やサービスが販売された場合、本人がその名前を使用できなくなるだけでなく、経済的な損失を被る可能性もあります。
例えば、他人に自分の名前で商標登録された商品が、低品質な商品であった場合、本人の名前のイメージが悪くなり、名誉が毀損される可能性があります。
大谷翔平で商標登録|日本だとどうなる?
日本国内では、人の名前はその人の許可がないと商標登録できません。
日本の商標法では、他に同姓同名の方がいる場合、その方の許可を得なければ商標登録ができないと定められています(商標法第4条1項8号)。
つまりそれを申請した中国企業は日本国内では商品名や会社名で「大谷翔平」では商売できません。
なお、アメリカの非常に著名な歌手である「LADY GAGA」について、日本で同名の商標を出願したところ、登録できないと特許庁に判断(査定・審決)されてしまう。
・LADY GAGAというのは有名な歌手名である。
→歌手名がCD等に表示された場合、それはCD等の品質(誰が歌唱した楽曲が収録されているかという内容)を表示するものでしかない。
→商品の品質を表示するに過ぎない商標は登録できないことになっている。
→したがって、LAGY GAGAは商標登録できない。
その後、出願人は、その判断を取り消すよう裁判所に請求した。
しかしながら、結論として、「LADY GAGA」商標は裁判所においても登録できない商標であると判断されてしまいました。
例を挙げると、日本の有名な歌手である「米津玄師」と同名の商標が、以下のような商品やサービスを指定して登録されています(商標登録第6332773号)。
音楽用品など(第9類)
アクセサリー類など(第14類)
紙製品、事務用品など(第16類)
織物など(第24類)
被服類など(第25類)
書籍・ビデオの制作など(第41類)
大谷翔平で商標登録まとめ|中国企業が勝手に商標申請でどうなる?
「大谷翔平」のような人の名前で商標が勝手に出願されると、その人や企業にとって大きな問題が生じます。これを「冒認出願」と呼びます。冒認出願とは、正当な権利を持たない他者が特許権や商標権、意匠権などを出願し、権利を得ることを指します。
たとえば、日本でしか商標登録をしていない商品が、海外で無断で商標登録されるケースがあります。このような出来事は、企業の海外展開に支障をきたすことがあります。実際には、中国などで日本の地名や地域ブランド名が無関係の第三者によって商標登録される事例も発生しています。
冒認出願に対抗するための手段として、異議申立て、無効宣告請求、不使用取消審判などがあります。しかし、これらの手続きは時間がかかる上に、商標登録を無効化するのは難しい場合もあります。そのため、冒認出願に遭遇した場合は、早めに専門家に相談することが重要です。
中国では過去に「羽生結弦」「秋篠宮」「佳子」「眞子(中国語・真子)」などの人名が商標申請されたことがあり、あからさまなものは却下されたそうですが、「羽生柚子」「真子龍顔」(龍顔=天子の顔の意)などちょっと変えたものや、表面的には一般的な名称の「佳子」などは商標登録され、商品化された製品も出ているそうです。