映画「すずめの戸締り」では「ダイジンが可哀想」という感想もたくさん見かけます。
すずめが悪いと言われる理由については鈴芽(すずめ)が最初に廃墟に行かなければ良かったのでは?という口コミもみられます。
すずめの戸締り(映画)ダイジンがかわいそう?
映画「すずめの戸締り」は、様々な解釈が可能な作品です。
特に、ダイジンと鈴芽の関係性については、多くの議論がされています。
■ダイジンが可哀想と言われる理由
要石として長い間、孤独に過ごしてきた。
鈴芽に助けを求めようとするが、誤解されてしまう。
鈴芽に拒否され、元の姿に戻れなくなる。
長い間、孤独な存在だった
ダイジンは、要石として長い間、人の手を借りずに一人で災いを封じ込めてきました。
その間、誰とも話すこともできず、孤独な時間を過ごしてきたと考えられます。
鈴芽に助けを求めようとするが、誤解されてしまう
ダイジンは、鈴芽に助けを求めようとしますが、言葉が通じないことや、過去の経験による心の傷などが原因で、誤解されてしまいます。
特に、椅子に変えられてしまったシーンは、ダイジンにとって非常に辛い経験だったと言えるでしょう。
鈴芽に拒否され、元の姿に戻れなくなる
ダイジンは、鈴芽に拒否されたことで、元の姿に戻れなくなってしまいます。
これは、ダイジンにとって大きな喪失であり、深い悲しみを味わったと考えられます。
人間の都合で利用され、捨てられる
ダイジンは、人間の都合で利用され、捨てられる存在です。
要石として利用されるだけでなく、ミミズとの戦いでは捨て駒にされそうにもなります。
過去の記憶が曖昧で、自分の存在意義が分からない
ダイジンは、過去の記憶が曖昧で、自分の存在意義が分からないようになっています。
これは、ダイジンにとって大きな不安であり、アイデンティティの喪失にもつながります。
- 声優が神木隆之介さん
ダイジンの声優を務めた神木隆之介さんは、非常に演技力が高く、ダイジンの悲しみや苦しみを表現することに成功しています。
そのため、観客はダイジンに対してより強い同情心を感じるのです。
観客自身の経験と重ね合わせやすい
ダイジンは、孤独、誤解、拒絶、利用、喪失、アイデンティティの喪失、愛着形成の阻害など、多くの人が経験するような苦しみを味わっています。
そのため、観客は自身の経験と重ね合わせやすく、ダイジンに対してより強い共感を感じるのです。
すずめの戸締り(映画)すずめ(鈴芽)が悪い?
すずめの戸締り(映画)ダイジンがかわいそう?すずめ(鈴芽)が悪い?
■鈴芽が悪いと言われる理由
無断で廃墟に入り、要石を抜いてしまう。
ダイジンの事情を理解しようとせず、一方的に行動してしまう。
結果的に、災いを招いてしまう。
すずめの戸締り(映画)ダイジンとすずめ(鈴芽)の関係
映画「すずめの戸締り」でダイジンと鈴芽というキャラクターについて特徴を端的にまとめると、
■ダイジン
要石として、長い間、人柱のような役割を担ってきた。
孤独な存在であり、誰かに理解を求めていた。
鈴芽に助けを求めようとするが、言葉が通じず、誤解されてしまう。
鈴芽に拒否され、元の姿に戻れなくなり、深い悲しみを味わう。
■鈴芽
幼い頃から、様々な問題を抱えており、心の傷を抱えている。
誰かに必要とされたいという強い思いを持っている。
草太に惹かれ、彼の役に立ちたいという気持ちから行動する。
ダイジンの事情を理解しようとせず、一方的に行動してしまう。
結果的に、災いを招いてしまうが、責任感を持って問題解決に取り組む。
以上から、二人の関係性を読み解くと二人は互いに助けを求めている存在であるにもかかわらず、言葉が通じないこと、過去の経験による心の傷などが、誤解を生み、関係を悪化させてしまうことになりました。
まとめ:すずめの戸締り(映画)ダイジンがかわいそう?すずめ(鈴芽)が悪い?
映画「すずめの戸締り」はタイムループものであり、主人公の鈴芽(すずめ)と草太の出会いが引き金となって物語が展開しています。鈴芽は草太に会うことで要石を抜き、それが災いを招くこととなります。しかし、草太もまた要石になる運命であり、これはダイジンが絡んでいる部分が大きいです。
ダイジンは要石を抜いた鈴芽を導き、草太と共に要石を抜くことで災いを鎮めようとします。彼はミミズが出てくる場所を知り、鈴芽を東京から東北へと導きます。鈴芽が要石を抜いたことによって起こった出来事は、本人が理解していない部分もあります。彼女は最初は要石の意味も知らず、ただ草太との出会いを大切にしたかったに過ぎません。
また、鈴芽は長年育ててくれたおばさんに対して感謝の念を持っていないように見えますが、これも彼女の幼い心理や感情の複雑さが背景にあります。彼女の行動は単純に悪意に基づくものではなく、物語の展開や彼女自身の成長過程に根差したものです。
さらに、ダイジンが要石として鈴芽を選んだ理由や、要石としての役割についても深く考察する必要があります。
彼が鈴芽を導いたり、励ましたりする場面は、彼の人間性や複雑な心情を垣間見ることができます。
このように、映画「すずめの戸締り」における登場人物の行動や心理は単純な善悪ではなく、物語の複雑な要素や人間関係が絡み合っています。