映画「ラストマイル」でエレナ共犯説について
主人公の舟渡エレナが爆破事件の共犯者であるという説が浮上しているようです。
エレナが共犯者だとする説は、主にエレナが偶然にも爆弾入りの商品を手にしたり、捜査の進捗に不自然な影響を与えているように見える点が根拠となっています。
ラストマイル(映画)共犯説|エレナが共犯者?
■映画「ラストマイル」におけるエレナ共犯説についての考察
エレナ共犯説を支持する具体的な根拠や描写は、確認でききていません
ただ、多くの考察で「エレナの行動に違和感がある」という指摘がみられます。
例えば、エレナが爆弾入りの焼き鳥のおもちゃを開封するシーンや、倉庫内の荷物だけを検査対象とし、倉庫内在庫の安全確認を怠っているように見える点などが挙げられています。
しかし、これらの行動は、エレナの責任感の強さや、一刻も早く事件を解決しなければならないという焦りからくる行動とも解釈できます。 ストレス性障害を抱えているエレナであれば、通常の状態とは異なる行動をとってしまう可能性も否定できません。
また、エレナがアメリカ本社勤務時代に出会った筧まりかと共謀しているという可能性も示唆されていますが、具体的な証拠は提示されていません。
ラストマイル(映画)エレナ共犯者の否定説
一方で、エレナが共犯者ではないと考える根拠もいくつか挙げられています。
- エレナは、爆弾テロによってデイリーファースト社の抱える問題を明るみにしようと試みた。 会社側の保身や隠蔽体質を目の当たりにし、内部からの告発を決意したという見方もできます。
- エレナは、事件解決後、責任を感じてデイリーファースト社を退職している。 もし共犯者であれば、罪悪感から逃れるために、会社にとどまろうとする可能性も考えられます。
これらの根拠を考慮すると、エレナ共犯説は現時点では断定できません。
映画「ラストマイル」は、観客に多くの考察を促す作品であり、エレナ共犯説もその一つです。 様々な視点から映画を分析することで、作品への理解を深めることができるのではないでしょうか。
ラストマイル(映画)エレナについて
舟渡エレナは、映画「ラストマイル」の主人公
世界的なショッピングサイト「デイリーファースト」の関東センター長を務める優秀な女性です。アメリカ本社から赴任してきたエリート社員ですが、物語が進むにつれて、彼女の過去や心の葛藤が明らかになっていきます。
1. 仕事への責任感と重圧
エレナは非常に仕事熱心で、責任感が強い性格です。就任早々、ブラックフライデーという物流業界最大のイベントを成功させるべく、チームを率いて業務に励んでいました。しかし、その裏では、過去のトラウマやプレッシャーに苦しんでいます。
- 3年前の休職: エレナは、以前勤めていたロジスティクスセンターで3年間センター長を務めた結果、精神的に不調をきたし、3ヶ月の休職を取得していました。責任感の強いエレナにとって、センター長の重圧は相当なものだったと考えられます。
- ブラックフライデーへの恐怖: エレナは、過去の経験からブラックフライデーに恐怖を抱いている様子が描写されています。休職の原因となったのも、ブラックフライデー前の過酷な労働環境だった可能性があります。
- 薬に頼る日々: エレナは、不眠に悩まされ、薬を服用しながら働いています。責任感の強さゆえに、プレッシャーから逃れられず、心身をすり減らしている様子がうかがえます。
2. 複雑な過去と秘密
エレナは、物語が進むにつれて、複雑な過去や秘密を抱えていることが明らかになります。
- アメリカ本社勤務時代: エレナは、4年前にアメリカ本社に勤務していた際、後に爆破事件の犯人となる筧まりかと出会っていました。筧は、当時、恋人を亡くしており、その死の真相をデイリーファースト社に問い詰めていました。エレナは、この出来事がきっかけで、会社の闇の一端を垣間見たのかもしれません。
- 山崎の人事データ削除: エレナは、上司である五十嵐の指示で、5年前に自殺未遂を起こした元社員・山崎の人事データを削除していました。この一件は、エレナ自身の判断ではなく、上司からの命令だったとはいえ、彼女の心に暗い影を落としています。
- 「知りたいことはロッカーに書いてあったのに」: 物語の終盤、エレナは、山崎のロッカーに残されたメッセージを見て、「知りたいことはロッカーに書いてあったのに」と叫びます。この言葉は、エレナが真実を知りたがっていたにもかかわらず、会社の隠蔽体質によって、真相にたどり着けなかったことへの無念さを表していると考えられています。
3. 事件を通しての変貌
エレナは、爆破事件を通して、大きく変貌を遂げていきます。
- 会社の闇を目の当たりにする: 当初は会社を守るために奔走していたエレナですが、事件の真相に近づくにつれて、デイリーファースト社の抱える闇や矛盾を目の当たりにします。特に、山崎の自殺の真相を知り、会社が従業員の安全よりも利益を優先している実態に憤りを感じます。
- ストライキを決行: エレナは、最終的に、会社にストライキを決行することを決意します。これは、これまでのエレナからは想像もつかない行動であり、事件を通して、彼女の中で何かが大きく変わったことを示唆しています。
- デイリーファースト社を退職: 事件解決後、エレナはデイリーファースト社を退職します。会社に失望し、自分の信じる道を歩むことを決意したと考えられます。
ラストマイル(映画)について
「ラストマイル」は、2024年8月23日に公開された日本の映画です。野木亜紀子脚本、塚原あゆ子監督の作品で、人気ドラマ「アンナチュラル」(2018年)、「MIU404」(2020年)と世界観を共有する作品世界であることが大きな話題となりました。
■物語の舞台とテーマ
「ラストマイル」は、世界的なショッピングサイト「デイリーファースト」の巨大物流倉庫が舞台です。ブラックフライデーという一大商戦を前に、倉庫内ではセンター長の舟渡エレナ(満島ひかり)とチームマネージャーの梨本孔(岡田将生)を中心に、膨大な量の荷物の出荷作業が進められています。しかし、その最中に突如として発生した爆破事件をきっかけに、物語は思わぬ方向へと進んでいきます。
「ラストマイル」というタイトルは、物流業界において、配送センターから顧客の元へ荷物を届ける最後の区間を指す言葉です。映画はこの「ラストマイル」という言葉を用いることで、私たち消費者が日々何気なく利用している物流サービスの裏側で、過酷な労働環境に置かれながらも奮闘する人々の姿、そして巨大企業の利益優先主義や効率化の名の下に見え隠れする社会問題に鋭く切り込んでいます。
■物語の展開
物語は、デイリーファーストの関東センターに、アメリカ本社から優秀なセンター長として舟渡エレナが着任するところから始まります。エレナはチームマネージャーの梨本孔と共に、センターのノルマ達成に向けて日々奮闘しています。しかし、ブラックフライデー前夜に突如として発生した爆破事件をきっかけに、エレナたちは未曾有の事態に巻き込まれていきます。
警察の捜査が進むにつれ、事件の背後には、5年前に同じセンターで発生した、従業員の山崎佑(中村倫也)の飛び降り自殺事件が深く関わっていることが明らかになっていきます。山崎は、ブラックフライデーを前にした過酷な労働環境に追い詰められていました。彼は自身の死をもって、この巨大な物流システムに警鐘を鳴らそうとしたのでしょうか?
一方、エレナは事件の真相に迫る中で、かつてアメリカ本社勤務時代に、山崎の恋人であった筧まりか(筧はソース中の表記に従っています)と出会っていたことを思い出します。筧まりかは、山崎の死の真相を知りたがっていましたが、会社側はそれを隠蔽しようとしていました。
そして、物語は衝撃の結末へと向かいます。一連の爆破事件の犯人が、実は最初の爆破事件で死亡したと思われていた筧まりかであったこと、そして彼女が、愛する人を死に追いやったデイリーファーストという巨大企業、そしてその背後にあるシステムへの復讐のために、命を懸けたテロを起こしていたことが明らかになるのです。
■社会へのメッセージ
「ラストマイル」は、単なるサスペンス映画ではなく、現代社会に蔓延する様々な問題を提起する作品でもあります。
- 物流業界の闇: 映画は、私たち消費者が享受している便利さの陰で、過酷な労働を強いられている物流業界の現実を浮き彫りにしています。
- 企業倫理: 利益を最優先し、従業員の安全や福祉を軽視する企業の姿勢に疑問を投げかけています。
- 消費者の責任: 私たちは、安価な商品や便利なサービスを求める一方で、その裏側にある犠牲に目を向ける必要があるのではないでしょうか。
映画は、これらの問題に対する明確な答えを示しているわけではありません。しかし、観客一人ひとりがこれらの問題について改めて考え、自分たちに何ができるのかを問いかけるきっかけを与えてくれる作品と言えるでしょう。
まとめ:ラストマイル(映画)共犯説|エレナが共犯者?
舟渡エレナは、高い能力を持ちながらも、過去のトラウマや会社の重圧に苦しむ複雑な人物です。爆破事件を通して、彼女は自身の正義感と向き合い、大きな決断を下していきます。
エレナは、現代社会の歪みや矛盾を象徴する存在であると同時に、困難な状況下でも自分の信念を貫こうとする、強い意志を持った女性として描かれています。
一部の考察では、エレナが爆破事件の共犯者ではないかという説が浮上しています。これは、エレナが爆弾入りの商品を偶然手にしたり、捜査に不自然な影響を与えているように見える点が根拠となっています。
しかし、これらの行動は、エレナの責任感の強さや、事件を一刻も早く解決しなければならないという焦りからくる行動とも解釈できます。また、ストレス性障害を抱えているエレナであれば、通常とは異なる行動をとってしまう可能性も否定できません。