「Disaster Scope2」はAR災害疑似体験アプリのこと。開発者はVRとARの防災教育への応用を行っている板宮朋基氏。
自宅や出先といった場所を問わず、“自分が今いる場所が浸水したらどうなるか”を疑似体験できます。
Disaster Scope2とは?
Disaster Scope2とは、豪雨などによって引き起こされる洪水による「浸水被害」を目の前で体験できるARアプリ。自分がいる場所の水位変化をリアルタイムで確認できます。
スマートフォンのカメラの映像に水面や流れてくるがれきを重ねて表示させることができ、「もしも今いる場所で水害に出くわしてしまったら……」という状況を疑似体験できます。
https://twitter.com/t_itamiya
開発したのは防災科学技術研究所客員研究員の板宮朋基さんという方です。
Disaster Scope2では浸水被害と火災(煙)の疑似体験が可能
Disaster Scope2では浸水被害の他にも火災発生によって煙が室内に充満する状況の疑似体験もできます。
実際に火災が発生した場合、煙を吸い込むと命を落とす危険があることから煙が天井から充満する性質を踏まえて、姿勢を低くして吸い込まないように避難しなければいけません。
3Dセンサーを装備したスマホを使うことで、デバイスの高さや位置情報から火災発生時の避難をよりリアルに疑似体験できます。
Disaster Scope2と流動床インターフェース
「流動床(りゅうどうしょう)インターフェース」とは、水の上に浮かぶボートのような体験のVR化を可能にする、新しいインターフェース
的場やすし(お茶の水子大学理学部の学部教育研究協力員、ものつくり大学製造学科非常勤講師)
菅谷諭(ものつくり大学教授)
によってが開発された装置です。
流動床では、粉や粒で構成された「粉粒体」と呼ばれる物質を利用しています。
砂を大型水槽に満たして底から空気を吹き込むと相変化して、砂ま水のような流動性を持ちまるで液体のような挙動を示しをもたせた。
流動床は電源オフの状態だと普通に立てるほど硬い砂の地面ですが、電源オンになった途端、一気に足が砂の中に沈んでいきます。
「リアル液状化通路歩行訓練」は、Disaster Scope2と流動床を組み合わせることで、視覚と足で水害を疑似体験できるようになっています。
津波や洪水などで街が水没すると歩くのが困難なだけでなく濁流で水の中がわからなくなることから地面の凹凸が見えません。
例えば、マンホールの蓋が外れてしまっているようなケースも想定され、思わぬところに危険が待ち受けていることを疑似体験できます。