第93回選抜高校野球大会の決勝、東海大相模と明豊との対戦では申告故意四球というルールが適用されるシーンがありました。
申告故意四球とは?
申告故意四球とは、ピッチャーが意図的にフォアボール(四球)を選択すること。
つまり従来の「敬遠」とほぼ同義といえますが、ピッチャーは投球せずに敬遠できる点が従来の敬遠とは大きく異なる点です。
公認野球規則では2018年度の規則改正で「申告故意四球(守備側チームの監督が故意四球とする意思を示し、投球することなく打者が一塁へ進めることができる)」が追加され、
投球数制限(1週間500球)を導入する一環として、高校野球でも2020年シーズンから導入されることになりました。
「申告故意四球」
・申告故意四球の通告は、守備側チームのベンチからの伝令者が球審へ意思を伝える。(この場合はボールデッドである)
・守備側チームが打者を連続して申告故意四球にする意思がある場合は、伝令者が最初の通告時に球審へ伝えることもできる。
・打者は、一度バッターボックスに入らなければならない。(連続した申告故意四球の場合でも、その時の打者は一度バッターボックスに入らなければならない)
・球審は伝令者から通告があった場合は、攻撃側チーム、本部、控え審判等に分かるように、大きなジェスチャーと発声で、打者に一塁に進むように指示する。
・放送設備がある場合は、打者に「申告故意四球」で一塁を与える旨の放送をする。
・投球数にはカウントしない。
・打者の途中のカウントからでも、申告故意四球とする意思を球審に伝えることができる。(その後の投球数はカウントしない)
・一塁へ進んだ打者は、その時の投球の自責点の対象となる。
・交代したばかりの投手の時に、申告故意四球により打者が一塁に進んだ場合は、投手が一球も投球していないが、5.10(g)の義務を果たしたことになる。
明豊の申告故意四球のネットの反応は?
【センバツ】東海大相模・門馬監督がサヨナラで親子鷹優勝 原辰徳父子が果たせなかった夢実現
東海大相模が10年ぶり3度目の優勝を決め、春夏合わせて5度目の甲子園優勝で神奈川のライバル横浜と並んだ。9回2死満塁で、小島大河捕手(3年)が前進守備の遊撃手のグラブをはじくサヨナラ打。2度の満塁機で凡退していたが、3度目で決めた。決勝のサヨナラ決着は2016年の智弁学園(奈良)以来5年ぶり。
1回戦に先発した石川永稀投手(3年)から、2回戦で好投した求航太郎投手(2年)につないで6回途中からはエースの石田隼都投手(3年)が登板するリレーで初優勝を目指した明豊を振り切った。九州国際大付(福岡)を破った10年前と同じく九州勢を退けた。1回に先制を許したが門馬敬治監督(51)の次男の門馬功外野手(3年)の中前打を足がかりにすぐに追いつき、再び1点を追った5回には、求が左越えの同点二塁打を放った。
https://news.yahoo.co.jp/articles/944aea317dd289c0c865f1307e418876c9120451
明豊は1点リードで迎えた五回、2死二塁から、タイムリーツーベースヒットで同点に追いつかれると、打席には1番・門馬功外野手を迎えていました。
門馬功外野手は大会を通じて打率.444、長打率.833と好調だったことから、明豊ベンチは1ボール後、申告故意四球を選択。
その後は打者・綛田小瑛内野手を四球を与え満塁されるものの、続く小島大河捕手をピッチャーゴロに仕留めて、勝ち越しを許しませんでした。
第93回選抜高校野球大会では3月24日の常総学院-敦賀気比戦でも申告故意四球がみられ、春夏の甲子園で初めて適用され、東海大相模と明豊との対戦では2度目の適用となりました。
九回、常総学院が春夏通じて初の申告故意四球で満塁策を取り、同じく追加点を許さずサヨナラ負けの危機を切り抜けています。