筆算とはおそらくは小学校でしか使われない言葉で中学校や高校、
ましてや大学で筆算という言葉を目にしたり耳にしたことがないので、
四則演算(足し算、引き算、掛け算、割り算)を紙に書いて計算することを指すのだと思います。
九九に代表されるように四則演算(足し算、引き算、掛け算、割り算)というのは、
意外と決まったパターンが多くみられるので筆算を通じて覚えたもん勝ちという側面もありますが、
筆算の線(横線)の引き方を巡って手書きはNGで定規で書き直しが命じられたことが話題になっています。
筆算の線を手書きNGで定規で書き直しする理由は?
筆算の線を手書きだとなぜだめで定規で書き直ししなければいけないのかというと、
その理由は、
- 計算ミスが減る
- みんなにやらせている
という2点のようです。
筆算の線を手書きではなく定規にする1点目の理由「計算ミスが減る」に関しては、
確かに綺麗に線を引くことで、数字と記号を明確に分けることができそうです。
(今でもそうですが)私自身、決して字はきれいとは言えないので、
数字と数字以外を明確に分けて指導することは意味があると思います。
それに小学校低学年だと定規で線を引く動作は意外と難しいらしく、
筆算を通じて線を手書きではなく定規でひいておくことで後々の学習にもつながる、
という相乗効果も期待できるようです。
実際の教育現場では高学年担っても面倒くさがらずに
筆算の線を手書きではなく定規で丁寧に引く子の方が学力が伸びる傾向があるとのこと。
ただ問題なのは筆算の線を手書きではなく定規にする2点目の理由
「みんなにやらせている」ではないでしょうか。
記事によると東京大大学院の村上祐介准教授(教育行政学)さんの調査結果で、
ルールの意味について教師自身が考えなくなっていて、
いつのまにかルールを守ることが目的化してしまう危険性が指摘されています。
手段が目的化してしまった典型的な例と言えるのかもしれません。
なぜ筆算の線を手書きではなく定規で引くのかなど、
教員が十分に理由を説明できないルールが数多くあるようで、
福岡県の男性教師(60代)は18年度に導入された小学校スタンダードで
「学校にとって理想の子ども像が書かれている」と話す。
- 机上に置くノートや筆箱の位置
- 発表や話を聞く態度
- あいさつの仕方
- 廊下の歩き方に加え
- 靴や傘、トイレのスリッパの置き方
- 休み時間の遊び方の注意点
などなど、様々な点において生徒のあるべき姿がまとめられているようですが、
確かに集団生活をする以上は、一定のルールを定める必要な絶対にあります。
特に小学校のように良いこと悪いことの区別があいまいな時期には、
ある程度は、頭ごなしにルールを強要する必要もあると思いますが、
物事には限度があり、グレーゾーンで線引きが難しいこともあります。
筆算の線を手書きNGで定規で書き直しする理由に関しても、
「計算ミスが減る」という目的を達成してしまえば、
もはやそんなルールは不要で手書きでもOKにすべきではないかと思います。
社会に出たらそもそも、筆算をする機会はほとんどないものの、
仮に筆算をする機会があったとしたら間違いなく線は定規ではなく手書きにするでしょう。
定規で筆算の線を引くのは世の中的には明らかにマイノリティなので、
むしろ定規で筆算の線を引く癖が身についてしまうと、その後が厄介な気がしてしまいます。
筆算の線を手書きNGで定規で書き直しするのであれば、
「計算ミスが減る」という目的が達成されたかどうかをキチンとテストで確認をして、
合格出来たら手書きOKといった感じのルールにすると良いんじゃないかと思います。