ラグビーワールドカップ2019では日本代表がロシアに続いてアイルランドも撃破する快進撃を続けています。
ラグビー日本代表・アイルランド代表戦の後には、
アイルランドの選手たちが花道を作って日本選手を見送り、
日本選手も同じくアイルランド選手に花道を作って送り出すシーンが印象的でしたが、
ふとユニフォームに目を向けると背中に膨らみがあるのが気になりますね。
ラグビーユニフォームの背中膨らみはなに?GPSトラッカーとは?
ラグビー日本代表だけではなく、ロシア代表やアイルランド代表、オールブラックスなど、
ラグビー代表国のユニフォームを見てみると背中に膨らみが見られますが、
これは大会公式のユニフォームデザインの規格ではなくてGPSトラッカーを装着しているからです。
正確にはラグビーユニフォームに縫い付けられているわけではなく、
GPSトラッカーを背中に収納できるアンダーシャツを装着していますが、
なんでこんなものが背中にあるのかというと、試合中や練習中の選手の活動を克明に数値化するためです。
GPS機能以外にも、加速度/角速度センサーなど様々な内蔵デバイスが、
- 心拍数
- 衝突回数
- 跳躍回数
- 走行距離
- 走行スピード
- 加速・減速
- 体の傾き
さらに地磁気センサーを搭載する場合は「方向転換」など、
選手の体の動きをリアルタイムで計測し、
さまざまなデータを「見える化」することができます。
ラグビーであれば、GPSトラッカーの数値と共に
- タックル成功率
- ボールキャリーの回数
などを分析スタッフが映像で分析し、選手たちに情報を開示することで、
同じポジションを争う選手同士に刺激を与えるといった効果も期待できます。
ラグビーユニフォームの背中膨らみ(GPS)はトップリーグ、大学ラグビーサッカーなどにも普及
なぜ背中なのかと言えば、身体の様々な部位の中でも、
背中であればGPSトラッカーへの衝撃をを和らげて破損する危険性を減らすことができるし、
プレー中に最も他の選手やボールとの接触が少ないことから
背中上部(肩甲骨の間)付近に装着するタイプが現代の主流となっています。
GPSトラッカーの大きさはたばこ箱ほどで重さも約60グラムと、
選手のプレーを妨げる心配がほとんどありません。
ラグビーでは2012年にトップリーグの試合中のGPS使用が許可され、
サッカーでも国際サッカー連盟(FIFA)が公式戦での装着を容認したたことから、
2015年以降くらいから導入が進んでいます。
大学ラグビーでも帝京大、明大といった上位チームも導入し始めているものの、
GPSトラッカーは1個20万~40万円と非常に高価なので、
選手全員が装着しているというわけではなさそうです。