初詣といえば「浄財」と書かれた賽銭箱にお賽銭を入れてガラガラと鈴を鳴らしてお参りをするものですよね。
明治神宮や増上寺、川崎大師や西新井大師のような毎年数万人単位で参拝者が訪れる神社やお寺になると、
お賽銭を賽銭箱に入れるというよりは、投げ込むような感じになりますが、お賽銭の金額はいくらが良いのかというと、
特に決まりもなければ平均金額の目安もありません。
そもそも、お賽銭の金額が高ければ願い事が叶う確率が増えるわけではなく、
お賽銭の本当の意味は「神仏へのお礼参り」、つまり神様・仏様に感謝の気持ちを表したものなので、
自分の気持ちとお財布の都合で決めてしまって構いません。
ただ、5円や50円硬貨のように真ん中に穴が開いていると「先が見通せる」ことから縁起が良いとされ、
5円や50円硬貨を組み合わせて、
- 5円 ご縁がありますように
- 10円(5円2枚) 重ね重ねご縁がありますように
- 55円(5円11枚) いつでもご縁がありますように
といった語呂合わせでお賽銭の金額を決めるのも良さそうです。
初詣のお賽銭の意味・由来は神仏への感謝
お賽銭の「賽」という字は「報賽」「奉賽」と使われることがあるように「神仏へのお礼参り」という意味があります。
初詣に関わらず、神社でお賽銭をするのは神仏から受けた恩恵に対して感謝する気持ちをお金や物に換えたものに相当します。
お賽銭とは「神仏への感謝する気持ち」になるわけですから、お賽銭の金額は高ければ高いほど良いわけじゃないし、
1000円札とか1万円札とか、大金のお賽銭をしても願い事がかなう確率は0.1%だって高くなるわけじゃありません。
実際にお賽銭箱に描かれている「浄財」という文字は「お金を寄付する」という意味の言葉で、
自分の利益を顧みずにやるのがお賽銭という行為になります。
もともとは海や山の幸が御神前に供える風習がお賽銭の由来で、特に収穫したお米を白紙で巻いて包んだものが「おひねり」と呼ばれれていたそうです。
しかし、貨幣の普及に伴っておひねりの中身がお米の代わりに金銭が供えられるようになり、現在のようにお賽銭として定着したようです。
他にも、お賽銭をすることで「穢れをはらい身を清める」という意味もあったとされています。
国立歴史民俗博物館などで研究を続けてきた新谷教授
https://style.nikkei.com/article/DGXLASFK26H5I_W4A221C1000000/
各地の古くからの祭事などでは、お金が人の身代わりとして「ケガレ」を引き受ける風習が残っているという。「お金はケガレの吸引装置」(新谷教授)というわけだ。
「ケガレたものを投げ捨てることで、投げた本人は祓(はら)え清められる。きれいな心身で神の前に立つことができる」(新谷教授)。銭洗い弁天などでお金を水で洗うのも同じ理屈
初詣のお賽銭の金額はいくら?
初詣のお賽銭は「神仏への感謝の念」を形にしたものなので、金額はいくらだって構いません。
極端に言えば、お賽銭をしなくても罰当たりと見なされるわけではないものの、
縁起を担ぐ意味では5円と50円を組み合わせるのがオススメです。
5円硬貨・50円硬貨には真ん中に穴が開いていることから「先の見通しが良い」とされ、
お賽銭にふさわしい縁起の良い硬貨と考えることができます。
逆に避けたほうが良い硬貨としては「10円」→「遠縁、縁が遠くなる」があります。
「10円は駄目」と話すのは、ベストセラー『神社の謎』著者の合田道人氏。
https://www.news-postseven.com/archives/20161220_475401.html
「縁起担ぎですが、10円は『遠縁』と読めて、縁が遠ざかるからです」
500円玉も「これ以上大きな硬質(効果)がない」という意味の語呂合わせから、
お賽銭では避けたほうが良いとされています。
縁起のいいお賽銭は50円玉,55円,5円,15円?
05円 (5円1枚) ご縁がありますように
10円(5円2枚) 重ね重ねご縁がありますように
15円(5円3枚) 十分ご縁がありますように
20円(5円4枚) よいご縁がありますように
25円(5円5枚) 二重にご縁がありますように
40円(5円8枚) 末広にご縁がありますように
45円(5円9枚) 始終ご縁がありますように
50円(5円10枚) 五重の縁がありますように
55円(5円11枚) いつでもご縁がありますように
105円(5円21枚) 十分にご縁がありますように
115円(5円23枚) いいご縁がありますように
125円(5円25枚) 十二分に御縁がありますように
485円(5円97枚) 四方八方からご縁がありますように
https://www.yukoyuko.net/yukotabi/archive/b00300
ほかにも、21円(5円4枚・1円1枚)や31円((5円6枚・1円1枚))のような素数で「割り切れない」数字は、
「割り切れない」→「切れない」→「縁が続く」という意味に転じて
夫婦円満や恋愛運に良いとされています。
逆に、お賽銭にするにはあまり縁起が良いとは言えない金額には、
- 65円(5円13枚) ろくなご縁がない
- 75円(5円15枚) なんのご縁もない
- 85円(5円17枚) やっぱりご縁がない
といったものがあります。
おみくじは木に結ぶと縁起が良い?持ち帰ると縁起が悪い?
初詣のついでに破魔矢やお守りを買ったり昨年のお札をお炊き上げしてもらったり、
おみくじをひいて新年の運勢を占ってみる人も多いですよね。
おみくじは大吉、中吉、吉、凶などいろんな種類がありますが、
引いたおみくじは神社にある木の枝に結ぶと縁起が良いという見方がありますが、
根拠や由来があるわけではなく、単なるうわさといった感じのようです。
むしろ、木の枝を無理に引っ張ったりすることで木を傷めてしまうことから、
神社ではおみくじを木の枝に結ぶのを控えてもらうように呼びかけているところもあります。
逆におみくじで良い結果だと持ち帰ってお守りのようにお財布に入れている人もいて、
「おみくじは持ち帰ると縁起が悪い」みたいに言われることがありますが、
こちらもやはり単なるうわさといった感じのようです。