NHKの朝のニュースでテルピオスカイメンという海綿動物の一種によるサンゴ被害拡大が報道されました。
テルピオスカイメンに浸食されて無残な姿となったサンゴの様子だけではなく、
テルピオスカイメンのおぞましい光景が身の毛もよだつと話題となっています。
テルピオスカイメンのサンゴ被害拡大?テルピオスカイメン(黒死病)の駆除方法は?
テルピオスカイメンは学名「terpioshoshinota」で、帯の海を中心に世界中のあらゆる海に生息し、
サンゴとは本来であれば共存して多種多様な生物生態系を構成するはずなのに、
テルピオスカイメンに関しては、オニヒトデや温暖化による海水温の上昇についでサンゴに大ダメージを与えてしまいます。
テルピオスカイメンは厚さが 1mm ほどしかないシート状のカイメン黒~灰色がかった色をしています。
テルピオスカイメンは1日に1~2ミリほど広がり、サンゴの石灰質の骨格に食い込むように張り付くため、サンゴを覆ってもサンゴの形がそのまま残ります。
まるでサンゴが黒く変色したように見え、日本で最初に大量発生が見られたときにはサンゴの病気だと勘違いされて「黒死病」と呼ばれたそうです。
テルピオスカイメンの画像はこちらから確認できます。[PDF]
テルピオスカイメンのサンゴ被害拡大?テルピオスカイメン(黒死病)の駆除方法は?
テルピオスカイメンは生命力が強くて小さな破片からも再生してしまう上に、
破片になってしまうと広範囲に広がってしまいます。
下手に駆除してテルピオスカイメンの破片がまき散らしてしまうと、かえって被害の範囲を広げることになりかねないので、
琉球大学の山城秀之教授のグループは数年前からテルピオスカイメンのサンゴ被害について研究を続けているものの、人の手で剥がすのも困難で現時点では有効な対策は見つかっていないようです。
山城秀之教授の調査では喜界島(鹿児島県)、古宇利島、水納島、粟国島、下地島、来間島、与那国島の七つの離島でもテルピオスカイメンのサンゴ礁被害が確認されているそうです。
テルピオスカイメンに関するツイッターの感想
テルピオスカイメンによるサンゴ被害はどうやら今回が初めてではないようで、
これまでにも日本でテルピオスの大量発生は確認されてきたものの被害は一時的でほとんどが 1 年以内に消滅。
ただグアムでは十数年発生し続けた記録も残っているようで、今後のテルピオスカイメンのサンゴ被害拡大には注意が必要ではあるものの、
テルピオスカイメンにしても、シロレイシダマシにしてもオニヒトデにしても、サンゴに被害を与える動物についての専門家の数が日本には少ない点も対策が進まない要因の一つのようです。