手紙の「○○ちゃんへ」の「へ」にちょんちょんと二本線を書いてる「へ」とはどういう意味なんでしょうか?
40代以上なら、そういう風に書いている人が多かったので(わたしの小さい頃は今より手紙をやり取りする機会が多く、日常的だった)、意味は知らずに使っていた人も多いんじゃないでしょうか。
へにちょんちょん?「へ」に二本線のちょんちょん(点々)意味は?
「へ」に二本線のちょんちょん(点々)とするへにちょんちょんは、教科書にも辞書にも新聞にも、載ることはまずないでしょう。
ただ、「へ」というのは字形が単純なので、「しへい」などのように単語や文章の中で表されていない場合、文字の擦れや汚れと誤解される恐れがあります。
「◯◯へ」のように後ろについてしまうようなケースだと「宛先を表す平仮名の『へ』である」ことを明確にする為の手段が必要。
そこで考えられた表記です。
「へ」が最後につく単語は非常に少なく、広辞苑に載っている言葉では「脚辺」(あとへ)のみです。
語尾に使う場合、殆どは宛先を表す為に使うことになります。
つまり一文字で意味を持たせるにはあまりに単純過ぎる形がそうさせているというわけです。
平仮名の「し」も書き始めに「点」を打つような書き方がありますね。
こちらの場合は元々の字形がそうなっているのでその為になされた工夫ではありませんが、そのような例をヒントにして生まれた書き方です。
アルファベットの「Z」を書く時に斜線部の中央に点を打つことで「2」と区別をつけたり、数字の「0」に斜線を入れてアルファベットの「O」と間違えないようにするのと似ています。
「様」という漢字の末画である右はらいにも、「〃」のような線が貫くことがある。これも、若年女性に顕著であるが、「へ」に「〃」よりも若干年齢層が高いようにも思える。「へ」に「〃」と同様に字面を飾ろうとする着想によるものであろう。
。「……様へ」と、「へ」と「様」が連続する時には、たいてい「様」のほうではなく「へ」に「〃」が移動して付される。数学の証明問題や、英文の手紙などでは、解答や文章の末尾に、ここで終わりだという意味を込めて、同様に「〃」のような印が記されることがある。「へ」で終わるということに不自然さが感じられることもあるようで、宛名の終わり(句点などの記号は明示的に付けにくかった)や、話を書き始める本文へ移る、スラッシュのような区切りといった機能をもつ記号が、その「へ」に応用された可能性も考えられる。
Word-Wise WebHOME/コラム一覧/漢字/漢字の現在/第55回 年賀状の「様」にも点々?筆者: 笹原 宏之
ちなみに、親しい間柄なら「〇〇さんへ」ということもいいのですが、
正式、かつ上等な書き出しは、「拝啓」か、「前略」で始まります。
名前から始まるとしても、「〇〇様」がいいでしょう。
「…へ」などと書くと、私などは、「上から目線だな」と感じます。