銅と濃硝酸の反応式は高校の化学基礎で出題されることが多い問題。
「濃硝酸に銅板をいれた時の反応式を示せ」といった問題ではそれぞれの半反応式を覚えておくことが解答のコツとなります。
銅と濃硫酸の反応式の覚え方は?高校化学基礎
銅と濃硝酸との反応は,単なる酸塩基反応ではありません。酸化還元反応つまり電子「e-」の授受をともなう反応です。
酸化還元反応の化学式を考えるときは反応物の半反応式を反応物同士が与える電子と貰う電子が同じになるように足し合わせます。
このとき,銅と濃硝酸はそれぞれ次のような変化をします。
①銅: Cu → Cu2++2e- ()
②濃硝酸: HNO3+H++e- → NO2+H2O
1.で銅は電子を2つ与える還元剤
2.で濃硝酸は電子を1つ奪う酸化剤
としてそれぞれ働きます。
よって反応式は電子の係数を合わせるために
①+②×2
とします。
化学式は両辺が電気的に中性でなければならず、H+やCu2+をそのままにしてはいけないという『化学反応式では単体または化合物を扱う』原則があります。
左辺の2H+,右辺のCu2+を化合物にして表す必要があるので、その相手として両辺に溶液中には硝酸イオン(2NO3-)を加えると,
左辺の2H+は2HNO3
右辺のCu2+はCu(NO3)2
という化合物で表せます。よって,
Cu+2HNO3+2HNO3 → Cu(NO3)2+2NO2+2H2O
となり,最終的にHNO3をまとめると
Cu+4HNO3 → Cu(NO3)2+2NO2+2H2O
となります。
1.銅と希硝酸
2.銅と濃硝酸
この2つの反応は大変よく出るので暗記してしまいましょう。
覚え方があります。
1.の反応と2.の反応の違いは、発生する気体です。
1.では一酸化窒素NOが発生し、2.では二酸化窒素NO2が発生します。
1.
3Cu+8HNO3→3Cu(NO3)2+4H2O+2NO
2.
Cu+4HNO3→Cu(NO3)2+2H2O+2NO2
覚え方はそれぞれの物質の係数で覚えます。
1.の係数は「3,8,3,4,2」なので「サバのミソ(シ)ニ」(鯖の味噌煮)
2.の係数は「1,4,1,2,2」なので「イシイフウフ」(石井夫婦)