ローンサバイバーは実話(レッドウイング作戦)を元にした映画ということですが、どこまでがノンフィクションでどこからフィクションなんでしょうか?
ラトレルを保護したアフガン人との関係が悪くなって、その後「ローンサバイバー」は嘘だと暴露?
ローンサバイバーはどこまで実話で嘘?レッドウイング作戦
ローンサバイバーはレッド・ウィング作戦でただ一人、生還を果たした元隊員マーカス・ラトレルの証言を基にした映画。
レッド・ウィング作戦とはアメリカ精鋭特殊部隊ネイビー・シールズによるアフガニスタンにおけるタリバン指導者暗殺作戦で、マーカス・ラトレルの手記[アフガン、たった一人の生還」がローンサバイバーの原作となっています。
タリバン兵に追われる4人のネイビーシールズ隊員が一人ずつ脱落していく激しい銃撃戦の末に、偶然にも岩陰にはまったラトレルが最後の一人となります。
背骨は折れ、皮膚も筋肉も裂け瀕死の状態でしたが、現地のパシュトゥーン人の村人に助けられ、タリバン兵からかくまわれます。
更に、これが原因でラトレルを助けた村はタリバンに兵に襲撃されることになる。
通信担当の隊員の命と引き換えに呼んだ救援ヘリもロケット砲により16名の救援に来た隊員と共に撃墜されてしまいました。
最後は、この襲撃中にネイビーシールズの援軍がきて、ラトレルは辛うじて救出されます。
この状態から生き延びて生還したのは、アフガニスタンに古くから伝わる
「パシュトゥーンワーリ(パシュトゥーンの掟)」のおかげです。
パシュトゥーン族は、アフガニスタンで最も多数派。
その部族には、
「助けが必要な者には、どんな人でも、自らの命を懸けて助ける」
という2000年以上続く掟があるのです。
マーカスを助けた後、約10年近くの間、
この米兵を助けた村の人とその家族は命を狙われ続けていたのです。
しかし『ローンサバイバー』の内容自体は、実話を謳いつつ、ほとんどが実話から外れているようです。
●作戦のターゲット:アハマド・シャーの民兵は、ラトレル氏ら SEALs がヘリコプターで夜間に山中へ降下したことを知っていた。
●翌朝、民兵らは山の捜索を始め、SEALs が山羊飼いと接触しているのを発見した。
●民兵らは、山羊飼いが居たことで銃撃をためらい、山羊飼いが離れる機会を待ち銃撃を始めた。
●銃撃戦は直ぐに終わった。村人の誰もが、山から聞こえるその発砲音を耳にしていた。
●ラトレル氏が保護された時、携帯していた11個のマガジンは未使用のままだった。
●アハマド・シャーは重要幹部ではなく、ターリバーンの中でも8~10人程度の小さな組織のリーダーだった。
● SEALs を攻撃した民兵は80~200人だったと予測されているが、実際は8~10人程度だった。交戦中を捉えた民兵のビデオカメラ2台が証明している。
●50人以上を射殺したとなっているが、後に現地で戦死者捜索をした村人と米兵は、民兵の犠牲者をひとりも発見できなかった。
https://news.militaryblog.jp/e767668.html
唯一の生存者マーカス・ラトレルがフィクションを織り交ぜたストーリーを映画化したモノということで、米軍関係者からも、交戦相手のタリバン側からも、はたまた彼を助けたアフガニスタンの村人(ムハンマド・グーラーブ氏)さえも、「ローンサバイバーは真実ではない」と批判をうけたようです。
ただマーカスは、現在シールズを引退し、「ローン・サバイバー財団」を立ち上げ、負傷した退役軍人とその家族たちのサポートを始めています。