干支の酉(とり)はどうして鳥(ニワトリ?)の意味をもつようになったのでしょうか?
酉の字はもともとは酒の壺(つぼ)の形に由来するようですがなぜ鳥(ニワトリ?)?種類は何鳥?
干支の酉の種類は何鳥?ニワトリ?
中国古代の天文学、暦学から生まれた十二支はそれぞれの月を示すため、農業暦を反映した農業用語として使われていました。
10番目の酉の月は酒作りの季節だから酉の字が使われたようです。
「酉」は「({糸酉})」(しゅう:「ちぢむ」の意味)で、果実が成熟の極限に達した状態を表しているとされます。
酉の字は壺の形を表わす象形文字で、酒を意味しています。
古くは一年の始まりは冬至に置いて、10番目の酉の月はいまの9月末から10月の頃にあたっています。そして、新穀が収獲されて新酒が醸される月であったことを表わしています。すなわち、10月は古くから酒の月ということです。いまでも10月は新穀が実る月であり、酒造りの始まる月であり、明治年間酒税法創設以来、10月から9月をもって酒造年度とされてきました。(現在は7月から6月)
こうした歴史を受けて、酒造家の中では10月1日を「酒造元旦」として祝う風習が残っているところもあります。豊かな自然の恵みと日本人の知恵の結晶が日本酒であるともいえます。10月は全国各地に海の幸、山の幸があふれ、日本酒が本当に旨くなる月で、この月の1日を、「日本酒の日」と定めました。
酉だけでなくなぜこの字がこの動物なのか・・・というのは庶民にも分かり易いように、動物を当てはめて教えたのが始まりです。
子という漢字にはネズミなんて意味はありませんし、戌という漢字にはイヌなんて意味はありません。
十二支の動物を表す別な漢字が存在する事で分かります。
子(鼠)、丑(牛)、寅(虎)、卯(兎)、辰(龍)、巳(蛇)、午(馬)、未(羊)、申(猿)、酉(鶏)、戌(犬)、亥(猪)
ですから動物も、当時の民衆になじみのものばかりです。家畜(牛、馬、羊、鶏、犬、豚(亥))、身近な動物(鼠、兎、蛇、猿)、民衆も知っている吉祥(おめでたい)柄(虎、竜)です。
ネコが入っていないのは、当時家ネコが一般的でなかったとも、ネコ類に近い発音の十二支が無かったからとも言われています。また最古の十二肖(十二支に動物を当てはめたもの)では犬も入っていなかったので、そもそも家畜は入れたが犬猫は入れなかったとも言われています。
ただ、酉が鶏でなければならなかった理由は、はっきりしていないようです。
十二支の成立時期が不明(殷代以前)なら、動物を当てはめた時期も不明。後漢期(日本では卑弥呼より昔の時代)の最古の十二肖が発掘されているが、これによると、ネズミ、牛、虎、兎、不明、マムシ、鹿、馬、猿、水鳥、羊、豚、と記されている。辰は判読不能、巳はマムシ、午は鹿、未が馬、酉が水鳥、戌が羊、となっている。
「酉は水」と書かれていることから、水鳥(アヒルやガチョウ)説と、水の音つながりで家禽(鳥の家畜)の事なので鶏でいい(水鳥は飼う地域を選ぶから)説がある。
それが基本となって変遷し、今日に至っています。