その子二十歳 櫛にながるる黒髪の(与謝野晶子の短歌)区切れ・解説・現代語訳は?

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与謝野晶子の短歌

『その子二十櫛になるがるる黒髪のおごりの春のうつくしきかな』

句切れは?

解説・現代語訳は?

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その子二十歳 櫛にながるる黒髪の(与謝野晶子の短歌)区切れは?

与謝野晶子の短歌

「その子二十櫛にながるる黒髪のおごりの春のうつくしきかな」

は第一歌集「みだれ髪」の中でも最も有名で多くの人たちに愛唱されている歌

初句切れで表現技法は特にありません

余りの大胆な初句でグッと読者の心を掴んでいます。

・「その子」:作者自身のことであり,24才の時の作です。

・「おごりの春」:「おごり」は「驕り」で,誇らしそうにふるまうこと。自信に満ちた青春をいう。「春」は二十歳という青春の只中にいることを表している。

・「うつくしきかな」:「かな」は詠嘆の終助詞。美しい黒髪に象徴される自分の二十歳の青春を美しいことよと言って讃えている。自己賛美である。

与謝野晶子が22歳の時、与謝野鉄幹と知り合い、大阪堺の浜寺公園脇の旅館で幾たびか忍び逢うようになってから、愛の悦びを知ったからか奔放で情熱的な歌風となりました。

当時賛否を呼びましたが彼女の作風は浪漫派歌人としての地位を確立しました。

もともと、晶子は当時の地方の女性としては文化的に恵まれた環境に育ちました。

父は家業の和菓子屋をしっかり者の妻にまかせ、自分は俳句に打ち込んで新聞や雑誌に俳句を投稿し、また読書家で蔵書家でもありました。晶子は物心つくとすぐ父の蔵書を耽読しはじめ、九歳からは漢学塾にも通います。

商家の子の学歴は小学校止まりが普通でしたが、父は教育熱心で子供たちに高等教育を施しました。晶子の兄は東京帝国大学の教授にまでなっています。

ただし、このように環境に恵まれてはいても、もともとの素質がなければ豚に真珠。晶子はとうてい地方の教養のあるお嬢さん(いずれ奥さん)におさまる器ではありません。彼女が妻子ある鉄幹のもとへ出奔したのは有名な話ですが、彼女をそのような暴挙(当時としては)に駆り立てたのは、鉄幹への恋ばかりではなく自分の才能への恋であったと思います。

ちなみに、与謝野晶子の長女・八峰(やつね)、次女・七瀬(ななせ)の名前は森鴎外の歌からとったもの。

四男・アウギュストはフランスの彫刻家・オーギュスト・ロダンの名をもらったもの、五女・エレンヌは誰の名をちったか判りませんが、欧州旅行の影響があると思います。

与謝野夫妻は森鴎外と親密な付き合いをしており、また夫・寛(鉄幹)から欧州に来るよう促されると、女の一人旅でシベリア鉄道にのって欧州に行き、ロダンや詩人のアンリ・ドゥ・レニエと親しくなっています。

四男・アウギュストは晶子が渡欧中に妊娠しており、ロダンと会った記念に命名したものです。

与謝野晶子はものにこだわらない性格だったといいますので、親しくなった人に関連する名を子供に付けたのでしょう。彼女は男性同等以上の社会活動して、自由人とし世間並みの華麗主婦の域を超えていたようですし。

しかし、アウギュストやエレンヌ当人は変な名前を付けられて困り、後に改名していますが。

その子二十歳 櫛にながるる黒髪の(与謝野晶子の短歌)解説・現代語訳は?

与謝野晶子の短歌

『その子二十櫛になるがるる黒髪のおごりの春のうつくしきかな』

を現代語訳で解説すると

その人は今、二十歳。髪をとかせば櫛に流れるようにゆらぐ黒髪の誇りに満ちた青春の何と美しいことよ。

【その子】「子」は作者自身を指す。【おごりの春】「おごり」は「驕り」で、誇らしそうにふるまうこと。自信に満ちた青春を言う。「春」は二十歳という青春を言っている。【うつくしきかな】「かな」は詠嘆の終助詞。美しい黒髪に象徴される自分の二十歳の青春を美しいことよと言って讃えている。

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