「三島由紀夫」というのはペンネームなので本名ではありませんが由来は?
三島由紀夫の本名は平岡公威ですが、なぜペンネームで「三島由紀夫」なんでしょうか?
三島由紀夫ペンネームの由来は?本名は平岡公威?
三島由紀夫の本名の「平岡公威(きみたけ)」はいかにも代々政治家、官僚である彼の家柄にふさわしい名前すぎて、小説家として使うのには忌避したと思われます。
なぜ三島由紀夫という「女学生好きのするペンネーム」(←これは三島自身が『不道徳教育講座』で言った言い方です)にしたかというと、複数の説があるようです。
彼の父が彼の死後著した『倅・三島由紀夫』では
「姓も名も適当に電話帳めくって決めたもの」とされてますが、父親に由来を訊かれた三島が適当に答えた可能性はゼロではありません。
富士山の大好きな三島が、富士山の南麓の町『三島』と富士山の『雪』とをイメージしてつけたという説もあります。
また、三島の学習院の恩師清水文雄に詩人『伊藤左千夫』のような名前をつけてほしいと三島が頼んで命名してもらったという説もあるようです。
確かに『伊藤左千夫』は『三島由紀夫』と語感、字面とも似てますので「伊藤左千夫のような名前がいいな」という希望は三島にあったかのかもしれません。
先に三島が女学生好きのするペンネームと自嘲したと注釈つけましたが、元から三島は俗っぽかろうと女性的な透明感のあるペンネームがよかったのではないでしょうか。
まとめ:三島由紀夫ペンネームの由来は?本名は平岡公威?
本名は平岡公威でペンネームを三島由紀夫とした由来について、清水文雄先生と相談して付けられたものという説が有力のようです。
「三島」は、「三島駅」の「三島」
「由紀夫」は、富士山の「雪」に由来しています。
「伊東」の手前の「三島」に、「左千夫」の「左千」は「幸」でもあり、「幸」は「ゆき」とも読めるから「由紀」として、夫はそのまま。
最初の案では、「三島ゆきお」でした。
平岡公威は、「三島由紀雄」の案を出しましたが、先生が、「雄では重い感じがする」と言って、「三島由紀夫」を提示し、これを平岡公威が了承したものです。
他にも、文学史上でペンネームの由来には、エドガー・アラン・ポーからつけたという江戸川乱歩氏。のちの少女漫画で、「エドガー」と「アラン」が主役の「ポーの一族」が描かれ、より印象的に。その作者、萩尾望都さんは本名だけど「はげのもと」とか言われてました。
西尾維新さんの「NISIOISIN」は作中同様の言葉遊びでおもしろいです。
司馬遼太郎さんの「司馬」は、「史記」を記した古代中国の歴史家の「司馬遷」のことで、自分はその「司馬(遷)」に「遼か(はるか)」に及ばない、という意味で司馬遼太郎というペンネームを付けられたそうです。
夏目漱石は、漢詩の「河に口を漱ぎ(すすぎ)、石を枕にす」を間違えて逆に覚え、それを追求された時、「川に枕するのは耳を洗うため、石に口を漱ぐのは歯を磨くためだ」といった屁理屈男の故事から。