六花の読み方は?
雪の結晶には六花などの種類がありますが季語としても使われている名前の読み方は?
六花の読み方は?雪の結晶の種類・名前は?
六花の読み方は「六花(りっか)」とか「むつのはな」
帯広の六花亭で有名ですが主に詩で使う雅語です。
ちなみに、雪の結晶ってなぜ六角形で点対称の形をしているのかというと、注目すべき場所は、ほとんどの結晶が六角形になっているというところです。
実は自然界の中でもっとも安定した形が六角形なのです。
ベンゼンも六角形です。
グルコースも六角形です。
ハチの巣も六角形です。
雪の結晶も六角形です。
水の分子は酸素を中心に左右に水素がぶら下がったへ字型をしていて、別な水分子との間で水素結合を作ります。
立体的には三角錐になりますが、平面としては六角形の各頂点から足が出ている形になるために、六角形の結晶となりやすいのです。
まとめ;雪の結晶の種類・名前|六花の読み方は?
六花(りっか、ろっか)/六辺香/六出 – 六角形の雪の結晶の形から。
天花(てんか)- 雪の形容。「天華」とも書き、「てんげ、てんけ」で、天上界に咲く花を指す仏教用語。
風花(かざはな、かざばな)- 晴天時に風に乗って舞う雪の形容。
青女(せいじょ)- 古代中国における、霜や雪を降らすとされている女神のこと。そこから転じて、雪の形容。
白魔(はくま)- 主に、災害に相当する大雪を悪魔に見立てる時などに用いられる言葉。
素雪:白い雪 「玄冬素雪の寒さ」と使う。
白雪:白い雪。しらゆき。
天花:天からの花。雪の異称。
六花:リッカと読む。雪の異称。六出花ともいう。むつのはな。結晶が六角形だから?
寒花:冬咲く花。比喩的に「雪」。
瑞花:(豊年の瑞相として)雪の異称。
玉屑:雪
水の結晶・・雪
「雪は天から送られた手紙である」という言葉は、日本における雪の研究の草分け的科学者である中谷宇吉郎の言葉である。まさに、その形は自然の神秘と多くの謎を含んでいる。雪の結晶が何故6角かと探求するようになってから、すでに300年近い年月が経っている。雪はそれほど魅力的な結晶なのである。
空気中の水分は様々な形を持っている。水蒸気となって空気中で凝縮せずに分散している時には、湿気として感じられる。水蒸気を含む大気が上空で冷却されると水分子が析出してくる。水蒸気の比率が大きく、大気の温度があまり下がっていない状態で水蒸気が析出、すなわち、大気ガスに溶けきれなくなると、非常に細かいけれども目に見えた形で水分となって出てくる。これが、霧である。この霧が集まって大きな集団となると、いわゆる雨になる。霧や雨は水の液体状態である。ところが、大気がかなり低い温度に冷却されると、その中の水分(水蒸気)は、結晶となって固体になる。水分が液体から固体になる時には氷と呼ぶのに対して、気体の状態から固体になる時には固化と言う。従って雪は水蒸気が固化したものである。雪は水と同じ分子、すなわち、化学的には全く同じ性質の物質であり、その状態が異なるだけである。では、その状態とは一体何なのかを考えてみたい。
一般に、物質には、固体と液体と気体の状態が存在する。この状態の差は、一口に言えば、分子の集団の集まり方が違うと言うことである。その分子の集団は、お互いに運動していてあちこち動き回っている。この運動は、動物でも同じである。温度が高くなると活発になる。言い方を変えれば温度とは、分子の運動の時に発生する衝突の激しさをあらわしているとも言える。気体では、分子は激しく運動しており、非常に広い範囲を活発に動き回っている。その飛ぶ速さは0゚Cで、毎秒560メートル程度である。これが、液体になると運動が抑制されて分子同士が非常に影響し合ってくる。とは言っても分子同士の距離はかなり離れており、液体の中はまだまだ分子の詰まっていない空隙がある。この間に他の物質の分子が入り込んで行く状態が「物質が水のなかに溶け込む現象」なのである。さて、いよいよさらに温度が下がるとどうなるか。分子同士の動きは非常に少なくなり、お互いに接近して小さな集団をつくるようになる。寒くて「押しくら饅頭」をするのは人間も分子も同じである。この小さな集団、すなわち、分子の密度が高くなり、びっしり詰まってくると分子の動きがとまる。これが、固化した状態で、一般には固体とよんでいる。この固体の状態は、できるだけ表面積の小さな集団になろうとする。同じ分子の数で、できるだけ緻密に集まるには、整然と並ぶのが都合が良い。従って、一度に無造作に集まるのではなく、順序よく、また、ゆっくりと詰まっていくのがより表面積の少ない固体となる。これが、分子が規則正しく並んだ形、すなわち、結晶の状態なのである。こうして、水蒸気が冷えて固化し、結晶を形成したものが雪なのである。
1-2 どうして結晶ができるのか
大気中に分散している水蒸気は冷却されると次第に動きが遅くなり、凝集を始める。つまり水蒸気同士が衝突すると、動きが遅いのでお互いに相互作用を及ぼし融合してしまう。こうして分子が次第に大きな塊となっていくのであるが、水蒸気の密度が適当な領域にあれば、規則正しくくっつくようになる。丁度、スカイダイビングでバラバラに落下したスカイダイバーが、やがて一点に集合して手を繋いで大きな輪をつくるのと似ている。この輪が規則正しく広がっていったものが水の分子の結晶となるのである。この結晶の成長の課程については後に詳しく述べる。
1-3 結晶の形
雪の結晶をシンボルにした企業があるが、あの形が雪の結晶の象徴的なものである。と言っても、雪の結晶が全てあのような形をしていると言うのではなく、様々なものがある。しかしながら、その基本形は6角形をしている。核となるところから、六方に雪の結晶が伸びていると言うのが共通の形状と言える。一般に雪のできる温度は、マイナス数度以下と言われるが、この温度が比較的高いところでは、結晶は成長しても花の形ではなくなってしまう。一方、低すぎると、結晶が成長するよりも析出、すなわち、結晶の数がふえてしまい、細かな雪となってしまう。綺麗な結晶ができるのはマイナス10度からマイナス15度位と言うことが確認されている(注1)。この温度範囲の中では、水蒸気はゆっくりと固化し、固化した一つの結晶に次々に水分子がつくような形でゆっくりと成長し、大きな結晶、しかも、規則正しい形をした雪となる。これは、一般の結晶でも同じことで、急激な冷却では、ほんの小さなきっかけが結晶の核となり、一度に結晶化するために結晶が成長しない。一方、固化する条件が緩やかだと、一つの結晶が核となりこの回りに次々に分子がつき、規則正しく配列し、巨大な結晶になると言われる。雪の結晶の場合もこれと同じことが言える。
1-4 6角形の雪の結晶が成長する条件
雪の結晶は、様々な形をしているが、これをよくみると基本形は6角形である。しかも特に魅力的なものは二次元に結晶が成長している。結晶の成長は、核となった結晶のまわりに次々に分子が規則正しく整列して付着し巨大な分子の集団を作っている。しかしながら平面上に分子が規則正しく整列するためには、水分子がある一定の法則に従って並んでいく必要がある。そして、当然のことながらそこには分子間に働く何らかの力が存在しているのであろう。一つの分子の次に別の分子が近づいてくる時には、近づきやすい格好や、場所があるというものだ。こうした分子間に働く力は、金属やその化合物の結晶の場合には専門用語で「配位子場理論」というもので説明されている。分子が次々に付着し結晶が成長していく方向が分子の構造や電気的な分極によって決まるというものである。
ところが、雪の結晶についてはどうかというと、水分子の場合には二つの水素原子と一つの酸素原子からできており、中心に大きな電荷を有する金属原子を持っていない。こうした分子では、その中の電気的な分極を考えることは非常に困難である。従って、水分子の場合には、こうした「配位子場理論」とは異なった、別の説明が必要ではないかと思う。
そこで、水分子に特有の水素結合について考えてみることにした。この水素結合は、一つの水分子の中の酸素原子の回りにある電子に対して、次の水分子の水素原子が配位し、結合すると言うものである。
水分子がこうした水素結合により巨大な分子を作っていることは、例えば、水の分子量は18であるが、その融点や沸点は、その分子量から考えるととてつもなく高いことが分かる。一般に、融点や沸点は分子量が大きい程高くなるが、水の沸点が100゚Cであるということは、水が単純な一分子であるとは考えにくく、あたかも巨大な分子量をもった分子であることを示唆している。そこで、この水素結合によって水分子がどのような形になっていくかを考えてみたい。
第二章 雪の結晶が6角形でなければならないのはなぜか
2-1 結晶の成長
前にも述べたが、スカイダイビングというスポーツを思い出してもらいたい。パラシュートを背負って飛行機から飛び降り、自然落下をしながら空中散歩をするスポーツである。そのスポーツの競技の一つに大勢のダイバーが落下のスピードと自分の位置をコントロールしながら、何人もが手を繋ぎながら大きな輪を作ると言うものがある。空中で次々と手を繋ぎ、やがて一つの大きな花を咲かせたり、様々な形を作っていく技を競う。このダイバーが手を繋ぎ大きな形を作るのと、結晶が成長するのとは非常によく似ている。空中で泳いでいるダイバーを水の分子に例えれば、ダイバーたちが1人1人で泳いでいる時には、はっきりとその存在は分からないが、手を繋いでいき一つの大きな形になると、それが素晴らしい花になったり、幾重もの輪の幾何学模様になったりするのだ。このダイバーとダイバーとを繋ぎ合わせているその手となるのが、水の分子の場合の水素結合と言うわけである。そして、結晶が成長するのは、まさにこの水素結合により水の分子が次々と柔らかい結合をしていくことと考えられる。従って、結晶の成長は、この水素結合の形成であると言える。水の結晶がどのようにできるかを考えるには、この水素結合の性質を理解する必要がある。
2-2 水分子の構造
水分子は、一つの酸素原子と二つの水素原子からなっている。その分子構造を考えると、二つの水素は、丁度、ヤジロベーのような形をしている。実はこの水分子は、酸素原子を中心にして、正四面体の頂点の位置に来ている時に分子が安定している。そして、このときの水素原子同士のなす角度は、109.5゜で最も安定した形となっている。
図-2 水の分子構造
2-3 水素結合について
水素結合は、酸素やチッソなどの原子と水素原子を含む有機化合物の場合によくみられる。水素が、酸素やチッソの結合していない電子の雲に近づいていき、あたかも結合しているかのごとく、分子の運動を止めるような働きをする。通常の結合よりもかなり弱いが、分子が集まる(凝集と言う)には十分な力を持っている。こうして水分子は分子そのものは小さいが次々にくっついて、次第に巨大な集団となっていく。こうして水素結合をした水分子の構造をみると、あたかも3つの水素原子が一つの酸素原子に結合したかのごとくつながっており、このような分子では3つの水素原子が等価になることにより、より安定化する。つまり、3つの水素は一つの平面にそれぞれ120゜の角度の広がりで位置するようになる。
図-3 水素結合をした場合の水素原子の配置
一般的な水の結晶である氷の場合には、図-2の様な水分子の立体構造の連続で結晶が形成されていることがX線回折の研究から明らかにされている。しかしながら、雪、とりわけ、特殊な雪の結晶である6花晶の場合には、さらに特殊な条件下での結晶であるので、図-2よりもむしろ図-3のような水分子の水素結合状態を考えた方が適当である。そこで、水の水素結合による分子構造がこのような形をしていると仮定して、これをもとに分子の成長を考えた。分子がどのように配置するかは分子同士が引き合うこの水素結合と、分子の空間構造にともなう立体障害、つまり、似たような分子はお互いに反発し合うということからその位置が決まる。それと、こうした作用と比べると極々弱いが、実は酸素の上に僅かの電子雲が残っており、この電子雲が同じ方向に向いている時に分子がより安定化する。このようなことを考慮しながら水分子の成長の様子を図示すると次の様な形になる。すなわち、3つの水素と結合している酸素は一つの平面に並んで、最も安定化しているのである。勿論、たまに酸素原子が立ち上がり平面からずれることもあるが、極めてゆっくり結晶化が進む時にはこれは確率的には少ない。従って、その結果、平面的な結晶が形成されるのである。また、同じ平面でも酸素が輪を作るような形の(b)図のようになると立体障害が発生するので、このような構造をとることはさらに少なくなる。最もとりやすいのは(a)図のように、酸素がジグザグに長く伸びきったような形をした構造であろうと思われる。
このようにして水分子は水素結合を介して次々の凝集していき巨大な分子となるわけである。そして、何万もの分子が集合するとその長さがミクロンオーダーにまでなる。そして、さらにこうしてできた巨大な分子が一定の規則で集まると我々の目にみることのできる結晶となるのである
図-5 水素結合をした水分子の配列
2-5 分子の成長
水素結合をした水分子の配列がほぼ明確になってきたので、こうしたことを考慮しながら成長してゆく水分子の構造をシミュレーションしたいと思う。二つの酸素原子は一つの水素原子を介して、出来るだけ相互の距離が長くなるように、直線的に配列しているのであろう。従って基本的には図-5の(a)のように酸素原子を平面の中に並べ、できるだけお互いの原子が障害を及ぼさないように配列してゆく。
図-6 水素結合により一つの水分子の回りに水分子が成長してゆく形
すると、ジグザクの鎖ができるだけ長くなるような形の分子の繋がりができる。おそらく、いくらか鎖の伸びた段階で分岐が起こるであろうが、いずれにしても酸素原子と水素原子を交互に並べた時に、水素原子が重ならないように配列することが基本である。こうして水分子を並べていき、その鎖の形を描いてみた。
2-6 6角形になる水分子
このような仮定のもとに、水分子の中の酸素原子と水素原子の位置を計算し、酸素原子の位置を図示したものが次の図である。
(a)結晶の核を中心に鎖が伸びる
(b)鎖の途中での枝の分岐の様子
図-7 水素結合をした水分子の構造
この様に酸素位置の計算をしながら、巨大に成長した水分子の構造を描くと図-8のようになった。
(a)水分子の成長過程
(b)六角形を示した水の結晶構造
図-8 分子鎖の形で表した水分子の結晶構造
これから、水分子が成長していく仮定では明らかに結晶核から6方向に鎖が伸びていくことが分かる。凝縮する水分子が無限大であれば、この結晶はこのまま成長していく筈であるが、凝縮していく速度は水分子の濃度に比例するであろうから、結晶が進むにつれて、その濃度が下がってくる。このように考えると、成長はあるところから次第に遅くなり、結晶の末端が収束してくる。この仮定をシュミレーションしたものが図-8の(b)である。結局、こうして、雪の結晶構造として六角形の形が形成されるものと思われる。ここでのシュミレーションでは、結晶の成長は空間について全て等価として計算しているが、実際の自然現象では、様々な錯乱因子が存在している。このため、逆に結晶の対称性が崩れ見事な自然の芸術とも言える雪の結晶を作るのであろう。そう考えると、まさに自然の力は偉大なのである。