人の肉眼の焦点距離は何mmのレンズに相当するのでしょうか?
肉眼の見え方に一番近いレンズ・肉眼に近いように撮れるカメラはある?
肉眼の焦点距離は何㎜?肉眼に近い・似ているレンズやカメラは?
人の肉眼の焦点距離は何mmのレンズに相当するのかというと、50mm(35ミリ判換算)とか言われます。
ただし、人間の眼には視力の高い低いがあります。遠方視力の高い人は望遠能力があります。視力2.0の人は視力1.0の人が50mmとすれば、その倍の100mm相当の望遠能力があります。
また肉眼での視界は四角形ではないので、ある程度鮮明に見えている部分だけを残して、周囲は四角いフレームでマスクしたうえで比較しないといけません
ちなみに、視力1.0の人が10メートルの距離からある物を見ているとします。
視力2.0の人は10メートルの距離から見て、視力1.0の人がある物に対し5メートルまで近づいて見たのと同じ能力を有します。
視力4.0の人は10メートルの距離から見て、視力1.0の人がある物に対し2.5メートルまで近づいて見たのと同じ能力を有します。
更に補足します。
10メートルの距離で50mmで視力1.0ならば以下のとおりになります。
10メートル 50mm 視力1.0
5メートル 100mm 視力2.0
2.5メートル 200mm 視力4.0
1.25メートル 400mm 視力8.0
1.00メートル 500mm 視力10.0
視力8.0なんてのは、理屈ではあり得ても現実にそれを有している人は探せないでしょう。しかし人間の視力とは素晴らしいものですね。
ここで望遠鏡やカメラの400mmや500mmの望遠レンズが登場します。人間の視力では不可能な領域に望遠レンズは食い込んでいけるのです。
まとめ:肉眼の焦点距離は何㎜?肉眼に近い・似ているレンズやカメラは?
標準レンズつまり焦点距離で50mm~55mm(35mmフルサイズ)が人の目の画角(肉眼)に近いレンズだと言われています。
ただ成人の眼球の直径がおおよそ25mm前後ですので、単純に実効焦点距離で約25mmとする考え方もあります。
さらに眼球は角膜や水晶体、硝子体が一体化し、それに網膜が貼り付いているような構造をしています。
これを光学系に見立てたときに無限遠を前提とした第二主点から主焦点面までの直線距離(定義を踏まえた焦点距離)は17mm前後になると言われています。
人間の眼は両眼視で左右180度以上の画角を有しています。片眼でも鼻がなければ180度以上あります。
しかし人間の眼が有する視力は画角35mm相当は不可です。個人差がありますが、やはり40mm?50mmぐらいの画角までしか、1.0程度の視力は出ないのです。よって約50mmが標準レンズというのは間違いではありません。
人間は近くに対し焦点を合わせることは出来ます。30代前半であれば約300mm(30cm)ぐらいまで焦点(ピント)を合わせられます。それ以外のカメラが持っている機能である、画角を狭める(望遠)ことや広げる(広角)ことは出来ません。よってカメラが持っているズーム機能(望遠能力)は眼にはありません。
しかし人間には視力の良い人とそうでない人がいるため、遠くを識別する能力には個人差が生じます。この差が望遠能力と同じ効果を有します。