琵琶湖は川というのは本当?
琵琶湖は河川法上、正式な名前は「一級河川琵琶湖」ということですが、なぜ湖じゃなくて川に分類されるんでしょうか?
琵琶湖はなぜ川?一級河川琵琶湖?湖ではない理由は?
琵琶湖は厳密に言えば「一級河川琵琶湖」で「河川」です。正確に言うと、琵琶湖は「一級河川淀川水系」に属する湖です。
琵琶湖が河川法上で「一級河川」に分類される理由は、歴史的な経緯によるものです。
琵琶湖は古くから琵琶川、淀川、草津川、湖西疏水など多くの川や水路とつながっており、これらの水系によって水が流れ込んだり、流出したりしています。また、湖の周辺地域には多くの河川や小川が流れており、これらの河川や湖を取り巻く地域全体を「琵琶湖水系」として捉えることができます。
このように、琵琶湖が複数の川や水路によってつながっており、水系として捉えることができるため、河川法上で「一級河川」として分類されているのです。しかし、一方で琵琶湖が湖であることは間違いありません。実際に、琵琶湖は日本最大の淡水湖として知られています。
つまり、琵琶湖は川でもあり、湖でもあるということができます。ただし、河川法上では水系としての位置づけが優先され、その中で「一級河川」という形で分類されているのです。
河川や湖沼などの「内水面」は、河川法により「水系」単位で管理されます。
本川とそれに注ぐ支川、湖・沼・人工湖(ダム)などを含めて、一つの「水系」を構成します。
琵琶湖はなぜ川?河川法の一級河川琵琶湖とは?
「一級河川」は国土交通大臣の管理(一部の指定区間は都道府県知事や政令指定市長の管理)、「二級河川」は都道府県知事の管理、「準用河川」は市町村長の管理です。
淀川水系の本川(幹川)は「淀川」です。
上流部では「瀬田川」、中流部では「宇治川」と呼ばれ、京都府・大阪府境界付近で「桂川」「木津川」と合流した後は「淀川」と呼ばれます。これらの川に流れ込む小さな川(支川)は、すべて「一級河川淀川水系」に属します。
瀬田川は琵琶湖から流れ出る唯一の天然河川です(人工河川としては京都に水を運ぶ「琵琶湖疏水」があります)。
琵琶湖と、琵琶湖に流れ込むすべての川は「一級河川淀川水系」に属します。そういう意味で「一級河川琵琶湖」と呼ぶこともあるようですが、地形学・自然地理学的には川ではなくれっきとした湖です。
長野県の「諏訪湖」は、「一級河川天竜川水系」に属する湖です。
北海道の「摩周湖」は、流れ込む川も流れ出る川もなく、河川法上どの水系にも属していません。
地形学的にはれっきとした湖ですが、法律的には単なる「大きな水溜り」の扱いということです。
戦前は皇室の御料地として宮内省が管理していました。戦後に宮内庁が管理権を放棄し、2001年に国・北海道・弟子屈町などが協議して国の管理になりました。
まとめ:琵琶湖はなぜ川?一級河川琵琶湖?湖ではない理由は?
琵琶湖は、河川法上では「一級河川」として扱われています。
河川法第4条第1項によると、「一級河川」とは、国土保全上又は国民経済上特に重要な水系で政令で指定したものに係る河川で、公共の水流及び水面をいうとされています。
琵琶湖は、その水系が重要であるとされ、国土交通大臣によって指定されたため、一級河川として扱われているのです。
琵琶湖は河川法でなぜ川?湖ではない理由は?
河川法は基本的に洪水対策、さらに水力発電などの利権問題、つまり治水・利水のための法律です。
例えば洪水対策で上流の湖の対策を怠っては下流の川の対策が成り立ちません
顕著なのはダム湖です
水害対策を主目的に水の流量を中心に考える法律のため湖・川などではなく、流域全てを『水系』としてまとめるのです
そのため河川法では日本の湖は河川となります。
ちなみに実は琵琶湖は世界で3番目に古い湖だったりもします
10万年以上存続している湖を古代湖と言って、世界でも20くらいしかない、そのうちのさらに3番目
ただ琵琶湖が400万年ですが、上の二つ(バイカル湖やタンガニーカ湖)は2000万年となるのでインパクトはイマイチです