湊かなえ「告白」の最後の一文の意味は?
湊かなえ「告白」とは中学1年生3学期の終業式で、森口が娘の愛美の死を告白。二人の少年、AとBが愛美を殺したことが明らかになる。Aは母親の虐待に、Bは過度な期待に苦しみ、二人は森口への逆恨みから犯行に至った。森口は復讐を企てるが、事件は波紋を広げるというストーリー。
ラストで、学校に仕掛けたはずの爆弾が不発に終わり困惑する渡辺(少年A)に、森口先生が電話をかけて真相を打ち明けます
最後の一文にある「ここからがあなたの更生の第一歩だと思いませんか?」とはどう解釈すれば良いんでしょうか?
告白(湊かなえ)最後の一文の意味を考察「ここからがあなたの更生の第一歩」
湊かなえ「告白」は、教師である森口が、自分の娘・愛美を亡くした悲しみと復讐心によって、二人の少年AとBを巧妙に操り、彼らの暗部を利用して復讐を実行させる物語です。
最後の一文「ここからがあなたの更生の第一歩だと思いませんか?」という一文は、森口が少年Aに対して言ったセリフですが、少年Aが自分の母親を殺すことによって、更生の機会を得ることができるかもしれないという意味でしょう。
森口は少年Aにとっての母親が弱点であり、彼の行動の背後には母親への憧れと複雑な感情が絡んでいます。彼は母親との関係に苦しみ、彼女の気を引くために様々な行動に出ていましたが、結局、自分の手で母親を殺してしまったことで絶望に暮れます。
森口のセリフは、彼女が少年Aにとっての糸口を示し、犯した罪によって彼が再生し、更生していく可能性を示唆していると言えます。彼女は復讐を果たした後も、彼らの更生と成長を望んでいたのかもしれません。
告白(湊かなえ)最後の一文の意味を考察|ネットの口コミは?
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「母親を殺させた」って点だけが復讐なのではなく、彼に「苦しんでもらいたい」と先生は思っているはずですから、「「母親を殺してしまった」って事を、生きている限り苦しみ続ける」って事が復讐になっていると思います。
更正に関しては難しいですね。
正確には最後の一文は「これが本当の復讐であり、あなた更正の第一歩だとは思いませんか?」です。この前半の「これが本当の復讐であり」って点を、まず第一に言いたかったのでは?と感じます。母親への復讐を考えていたA君だが、そんなものは復讐ではなく、これこそが復讐ですよ、と先生は言いたかったのだと思います。
後半に関しては、夫の考えも踏まえていますが、先生は「更正なんて甘い」と心の中で考えているのだろうと思います。それが不可能と思っているから敢えてA君に「出来るものならやってみれば?」ってニュアンスで、「ここからが更正の第一歩だと思わない?」と挑発的に言っているのだろうと考えました。
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私も矛盾だらけで作者のいい加減な設定が表れまくっている作品だなと思いました。この作品、全国の書店員が勧める本の確かナンバー1.になっていたのですが、全国の書店員さんって他の素晴らしい本をよほど知らないのではないかと思いました。売るためならどんな宣伝文句でも書くんですね。これが売れたからと言って今後こんなのがベストセラー作家として日本の書店に作品が並べられるのかと思うとうんざりします。
「彼女」の最後の告白。少年Aに復讐したかった彼女が最後にやったことは少年Aが自分の告白の中で最後に望んでいたことなんですよね?復讐するつもりが願いを叶えてあげてるのではないかと思ったのですが。そう、矛盾どころか小説が破綻していると思いました。作者も自分でわかっていないのではないですか。ずいぶん前に読んだので細かいことは覚えていないんですが・・ってことはあんまり心に残る作品でもないんでしょう。
聖職者として生きていくことに決めた女性が、ある病気のウイルスを復讐の手段として選ぶというのも病気に対する偏見に満ちています。病気に対する偏見を持たないよう指導するのが学校教師であり文章でメッセージを伝えていくのがベストセラー作家だと思うんですけど。
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「A君に母親を殺させた」に似ているかもしれませんが・・
『大好きな肉親を失った痛み』を与えたのと同時に
『しかもA君本人に殺させた』ので・・・
復讐としたら、目には目を・・・と言うより、倍返しになったと思います。
更に「ここからがあなたの更生の第一歩だと思いませんか?」の一文で
最後まで『聖職者として逝った』娘の父親への当て付けではないか??と思った