アグボグブロシー(Agbogbloshie)はガーナの首都アクラの近郊にある街の名前。
世界中に無数にある無名の集落の一つだったはずが、アグボグブロシーは世界中の電子ゴミの最終集積場とされ、劣悪な環境で労働する人たちが世界を巻き込む問題となっています。
アグボグブロシーとは?長坂真護wikiプロフや経歴
アグボグブロシー(Agbogbloshie)とは西アフリカに位置するガーナの首都アクラの近郊にあるスラム街で世界最大の電子廃棄物(E-waste)の不法投棄場と言われています。
世界中で電子ゴミが集まるアグボグブロシーには東京ドーム30個を超えるエリアに、果てしなく電子廃棄物のゴミが広がっています。
ちなみに、国連の関係機関などが集う『E-waste Coalition』が2019年にまとめた報告書によると、世界では年間約5千万トンの電子廃棄物が発生し、そのうち正規にリサイクルされるのは20%足らず
映画「 Welcome to Sodom」ではアグボグブロシー地区には約6000人が働いていて、年間約25万トンの電子廃棄物ゴミが集められていると紹介しています。
アグボグブロシーで働く人たちのことは「バーナーボーイ(burner boy)」と呼ばれていますが、その理由は電子機器のごみに含まれる銅や鉄などを抽出するために回路基板や電線・ケーブルの皮膜を燃やしていることから。
しかし電子機器の廃棄物には鉛、水銀、ヒ素、亜鉛、カドミウム、クロム、臭素系難燃剤、ポリ塩化ビフェニル(PCB)などの有害物質が含まれて
毒性のある化学物質により、アグボグブロシーでは多くの若者が火傷、目や肺の障害、喘息などの呼吸障害などを訴えています。
銅のケーブルやワイヤー、モニターやテレビの筐体は燃やすことで焼却場所に灰や燃えたものが溜まるほか、解体された冷蔵庫の断熱フォーム(特にフロンを含むポリウレタン)や中古車のタイヤは火災の主な原料となり、焼却場での長期的な汚染や急性の化学障害、オゾン層破壊物質や温室効果ガスの大気中への放出などを引き起こし、環境破壊につながっている
さらには、20代のうちにガンで亡くなる者も少なくないとされていますが、アグボグブロシーで得られる日当は多い時でもわずか5ドル。
ガーナの平均収入と比べると高い給料となっているようですが、それでも満足のいく治療を受けられる話kでもなくガスマスクも買えずに身体を壊してがんになり、30代、40代で亡くなっていくそうです。
近くの水・空気・卸売市場の果物や野菜などからも高い濃度の有害物質が発見されていて、子どもたちが病気になったり、発達段階の生殖器官が傷つけられたり、脳や神経系が傷つけられてIQが低下したりする危険性や、若くして死したりしていることが指摘されています。
バーゼル・アクション・ネットワーク(BAN)によれば、アグボグブロシー周辺で収集したニワトリの卵は、成人が1個摂取するだけで、欧州食品安全機関が勧告する耐容一日摂取量の220倍にも及ぶ量の塩素化ダイオキシン類と、4倍にも及ぶ量のポリ塩化ビフェニル(PCB)を摂取することになるとしている[36]。また、グリーンピースの調査では付近の土壌には有害な化学物質が許容量の100倍近くも含まれていたほか、調査によってはアグボグブロシーの近くの水域では許容量の100倍の毒素が含まれていたといい、アグボグブロシーに暮らす子供の鉛中毒率は80%を超えていたとするデータもある[7][37]。他にもアグボグブロシー内で、脳卒中や心臓病、肺癌などの健康被害を引き起こすPM2.5の数値が150ug/m3以上であったとするデータなども存在する
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%82%B0%E3%83%9C%E3%82%B0%E3%83%96%E3%83%AD%E3%82%B7%E3%83%BC
ちなみに、世界にはアグボグブロシーの他にも中国・貴嶼鎮が「世界最大の電子機器の廃棄場」と呼ばれています。
面積は52平方キロメートルで、人口は13万人の貴嶼鎮では主要産業がリサイクル業ということもあって、国内のみならず海外から運ばれてきた電気機器の処理に伴う環境汚染が深刻化。
電子機器の中にある基板から貴金属を化学反応等で取り出すときに出る有害物質が原因の大気汚染や水質汚濁、処理しきれない廃物の不法投棄が問題となっています。
アグボグブロシー対策は長坂真護が第一人者
アグボグブロシー対策に乗り出したのが日本人の長坂真護さん。
アーティストとして日本で活動していた長坂真護さんはアグボグブロシーの話しを聞くと自分自身も環境汚染に加わっているという意識を強く持ち、いてもたってもいられず実際にアグボグブロシーを自分の目で確かめに行きます。
帰国後、アグボグブロシーの貧困問題と環境問題をアートの力で変える為、現地の電子廃棄物を再利用し美術品を制作。
アグボグブロシーのスラム街の人々をモチーフに描いた作品が1500万円で売れたことから、これまでに850個のガスマスクを現地に配布。
さらに現地にスラム街初の学校を設立するとともに完全無料とし、いずれこの地にリサイクル工場を建てることを目指しています。
2019年には電子廃棄物美術館を開館しています。
長坂真護さんはアグボグブロシー対策で必要なことは現地で新たな経済、社会を創出することだと話しています。
クラウドファンディング「CAMPFIRE」の映画部門で歴代1位となる3,000万円を超える資金を集めことに成功すると、
アグボグブロシーのことを世界でもっと広く知ってもらうためにスラム街初の文化施設「MAGO E-Waste Museum」を設立
この美術館設立までの2ヶ月半を、ハリウッドエミー賞受賞監督カーン率いる映画クルーに依頼してドキュメンタリー映画“Still A Black Star”としてまとめています。
長坂真護さんはさらに電子ごみから「ミリーちゃん」というアニメキャラクターを作り出すと第2のアンパンマンにすることを目指してアニメシリーズを展開するとともに、実際に電子ごみからつくった人形などのグッズを販売する計画もしています。
長坂真護のwikiプロフや経歴
名前:長坂真護(ながさか まご)
生年月日:1984年8月10日
年齢:37歳
出身地:福井県出身
職業:MAGO CREATIONの代表取締役
最終学歴:文化服飾学院
ツイッター:@artistmago
インスタグラム:@nagasakamago
公式HP:magogallery.online
長坂真護さんはファッションを学ぶために上京すると成績は良く、卒業制作のファッションコンテストで最終選考に残ったという。
優勝すれば、イギリス留学ができるというコンテストだったものの惜しくも受賞はできず涙を流すほど悔しい思いをしたそうです。
「お金があれば海外留学してファッションを学べるのに…」と考え、手っ取り早く稼げる職業として選んだのが歌舞伎町のホストクラブ。
初任給4万円から働き始めると、いきなり100万円の借金を背負うことになります。ホスト業界のルールで、自分の指名客が踏み倒した支払いはホスト自身が肩代わりすることになっていたからです。
ただ8カ月後にはナンバーワンにな借金も返済。
精神的にはかなり疲れていたものの、それでもホストになって1年8カ月後には、ナンバーワンになるのが当たり前になり年収が3600万円になるほど荒稼ぎ。
蓄えもできたことからホストクラブを辞めて23歳で念願のアパレル会社の起業にこぎつけます。
しかし、経営パートナーらの裏切りに遭い、1年後には1千万円の借金と大量の在庫が手元に残るだけという大失敗に終わります。
この時が人生のどん底だったという長坂真護さんですが、逆に貧富の差に関係なく人と接することができるようになったと話していて、2009年から新宿の路上でライブペイントからやり直します。
子どもの頃から好きだった絵を描くことが好きだし得意だったことから、クリエーティブなことをしてお金を稼ぐことは諦めないと決意したそうです。
極貧ながら8年間でアメリカ、フランス、中国など14カ国を周り絵を描いて回ると、31歳で帰国したときには福井の実家にこもり作品を描き続けるように。
その後、東京で個展を開いたところ数百万円を手にすることになり本格的にアーティストとして活動するようになります。