日本人ならば誰もが年が明けて「あけましておめでとうございます(あけおめ)」と挨拶するんじゃないでしょうか。
ただ「あけましておめでとうございます」は語源・由来って?
あけましておめでとうございます(あけおめ)語源・由来は?
「あけましておめでとうございます」の語源・由来は、
無事に年を越せたこと
年神様を無事にお迎えできたこと
という2つの意味で「非常にめでたい」という気持ちを言葉にしたものとされます。
「あけましておめでとうございます」の「明ける」には、古い年が新しくなったという意味です。
また、昭和30年ころまでは誕生日とか誕生会というのは一般的ではありませんでした。
そもそも、昔の時代は、貧困、戦争、犯罪、飢饉、疫病、災害などに無力で、誰もが不安定な生活を送り、明日の命すら保障できないほどでした
生まれてきた子供も今の時代とは違い無事に成長する保障もなかったため、子供がたくさんいるのが普通だったこともあり、全員の誕生日を把握してお祝いする余裕なんてものもありませんでした。
そこで元旦に国民全員が年を一つ増やすという計算法(いわゆる満年齢)が誕生し、元旦は日本人全員の誕生日でもあり、新しい年が明けるまで無事に生きながらえてこれた人は、おめでたかったのが「あけましておめでとうございます」は語源・由来となっています。
「あけましておめでとうございます」のもう一つの語源・由来となっているのが、年神さまをお迎えすることから。
新たな年を迎えるというのはどういうことかといえば、年神さまをお迎えするのとほぼ同じ意味です。
「年神さま」とは、お正月の神様で「歳徳神(としとくじん)」「正月様」とも呼ばれています。
「新年を司る年神様は、田の神様であり、ご先祖様であるとも考えられ、子孫繁栄を願い、家々に降臨するといわれます。その年神様をお迎えするのがお正月なのです」
「トシ=稔(みのり)」ということを意味し、五穀豊穣や稲の神様とか、元旦に、家々に新年の幸せをもたらすために山のほうへ昇って神様となった祖先の霊が「年神様」だとされています。
昔の人は祖先の霊が田の神や山の神になり、正月には年神となって、子孫の繁栄を見守ってくれるのだと考えていたことに由来しています。
お正月に門松や注連飾りを飾るのも年神様を迎える目的があります。
「門松」は、松が古くから神の宿る木とされていて、年神様が迷わずに来られるようにする目印として家の門に左右一対(雌松と雄松)を飾るのが慣わしです。
「しめ縄飾り(正月飾り)」についても、門松と同じく神様がおいでになる神聖な場所を示すものとして玄関付近に飾ります。
雑煮の由来も年神様にお供えしたお餅を食べ、そのご利益をいただくことから。
ちなみに、正月の挨拶である「あけましておめでとうございます」を省略した「あけおめ」は、1999年に持田香織がテレビ番組でこの言葉を使用したことから一気に広まったようです。