アルミニウム(Al)と水酸化ナトリウム水溶液(NaOH)の化学反応式の作り方は?
水酸化ナトリウム水溶液にアルミニウムを入れると発生する気体は?
アルミニウム(Al)と水酸化ナトリウム(NaOH)の化学反応式
アルミニウムは水と反応して水素ガスを発生させ、同時に水酸化ナトリウムも生成されます。
化学反応式は以下のようになります。
2Al + 2NaOH + 6H2O → 2NaAl(OH)4 + 3H2
まず生成物の一つであるテトラヒドロキシアルミン酸ナトリウム
NaAl(OH)4 を考えます。
Al+NaOH→Na[Al(OH)4]
両辺を比べると左辺にOHだけが3つ足りないので、これを3つの水H2Oで補います。
Al+NaOH+3H2O→Na[Al(OH)4]
今度は逆に右辺にHが3つ足りないので、これを(3/2)H2で補います。
Al+NaOH+3H2O→Na[Al(OH)4]+(3/2)H2
係数を整数にするべく、両辺を2倍
2Al+2NaOH+6H2O→2Na[Al(OH)4]+3H2
完成です。
AlやZnは両性金属元素で、酸にも塩基にもH2を発生して、溶けます。塩酸には、わかりやすくAlCl3 と溶けますが、水酸化ナトリウム水溶液は、このとおりです。
アルミニウム(Al)と水酸化ナトリウム(NaOH)で発生する気体は?
アルミニウム(Al)と水酸化ナトリウム(NaOH)を反応させると、アルミニウムが酸化されて水素ガスを発生させ、水酸化ナトリウムが還元されて水酸化アルミニウムナトリウム(Na[Al(OH)4])が生成されます。
水素が生じると共に発熱を伴うのは反応物と生成物にエネルギーの差があるからです。
アルミニウムと水は反応して大きな熱を発します。
普通、一般に目にするアルミニウム(一円玉、アルミホイル、アルミサッシ)などは表面に薄い酸化膜が出来ています。
この酸化膜は不活性で水とは反応しません。
また、アルミニウムは切ったりして酸化膜が露出してもすぐに空気と反応して酸化膜を作ってしまいます。
アルミニウムの発熱反応ですが、酸化皮膜を形成していないアルミニウムを粉状にしたものを水に入れるのです
酸化皮膜を形成させないためには不活性ガス中で行うとか還元してから行うという手があります。
まとめ:アルミニウム(Al)と水酸化ナトリウム(NaOH)の化学反応式|発生する気体は?
アルミニウムは両性金属であるため、水酸化ナトリウム水溶液の水と反応して、次のような化学反応式になります。
2Al + 6H2O → 3H2 + 2Al(OH)3
両性金属とは、酸と塩基の両方と反応する金属のことです。
代表的な両性金属には、アルミニウム、亜鉛、スズ、鉛があります。
両性金属は、酸との反応では金属陽イオンが生成し、塩基との反応では陰イオンのヒドロキシド錯体が生成します。
両性金属は、酸としか反応しない金属や塩基としか反応しない金属とは異なります。
さらに、Al3+やZn2+は、水酸化物イオンでAl(OH)3の沈殿を生じますが、過剰の水酸化ナトリウム水溶液には、Na[Al(OH)4]となって溶けるのです。亜鉛は、Na2[Zn(OH)4]です。
ちなみに、アルミニウムは金属ですが、高温では水蒸気と反応して
2Al + 6H2O → 2Al(OH)3 + 3H2
水酸化アルミニウムと、水素が生成します