アメリカではずっと以前に始まっていた女性を専門に診療する「女性外来」
を日本に導入する先駆けとなった人物の一人が天野惠子さん。
天野惠子さんは同じ病気でも男性と病気では病気の原因や治療が異なることを提唱し、
性差医療を推進し、実際に微小血管狭心症や脂質異常症に苦しむ人たちの治療にあたっているほか、
難病と言われる慢性疲労症候群の治療法確立にも精力的に取り組んでいます。
天野惠子医師wikiプロフィールは?
- 小学校:秋田市立築山小学校
- 中学校:秋田大学附属中学校→品川区立荏原第一中学
- 高校:都立日比谷高校
- 大学:東京大学理科Ⅱ類→医学部医学科
- 最終学歴:東京大学卒業 医学博士・循環器内科専攻
- 家族:3人のお嬢さん
天野惠子医師はインターンとして
東京大学医学部付属病院で医者のキャリアをスタート。
その後、
東京水産大学保健管理センター教授・所長を経て、
東京大学医学部非常勤講師に就任。
- 千葉県衛生研究所所長 兼 千葉県立東金病院副院長
- 鹿児島大学医学部非常勤講師
- 秋田大学医学部客員教授
- 静風荘病院特別顧問
- 千葉大学大学院薬学研究院客員教授
といった職務も歴任しており、
1990年には日本心臓病学会で「上田英雄賞」受賞しています。
日本性差医学・医療学会の前身となる
性差医療・医学研究会の創設にかかわったほか、著書も数多く発表されています。
- 行き場に悩むあなたの女性外来―「部分」ではなく「全体」を治す 天野 恵子
- 漢方は女性の健康をたすける
- 女性の「コレステロール」「中性脂肪」はこうして落とす!
- 女性診療外来マニュアル
- 女性のためのコレステロールガイド
ご家族については名前や年齢などは公表されていないものの、
1975年から1977年の間に3番目のお子さんが3歳ぐらいだったそうなので、
3人の御嬢さんの年齢は40代ではないかと思われます。
天野惠子さんが医師が目指すきっかけは?
天野惠子医師はなぜ医学の道を志すようになったのかというと、
7歳の時に、近所に住んでいた年下の女の子のおばあさんがくも膜下出血でなくなったこと。
天野惠子医師にとって、その女の子は唯一心許せる友達だったものの、
おばさんが亡くなった後、彼女もどこかに行ってしまい、
天野惠子医師が母親に「どうして人は死ぬの?」と聞くと、
母親が「惠子さんがお医者さんになって、人が死なないようにしてちょうだい」と、
真顔で話してくれたことがきっかけと語っています。
天野惠子医師は幼少の頃、父親の転勤で長野から雪深い秋田県へ引越しをしたものの、
周囲になじむことができずに家でひたすら本を読んで過ごしていたそうです。
小学校に入学しも授業は楽しけれど家に帰ってから遊ぶ相手はおらず、
父親も肺結核と診断され(後に誤診と判明)、神奈川県茅ヶ崎へ転地療養することに。
子どもたちが大勢、外で遊んでいるものの、小6の女の子をボスとした集団は、
天野惠子医師「一緒に遊ぼう!」と声をかけても、
「惠子毛だらけ灰だらけ」
「お前の父さん肺病やみ」
とはやし立てて、さーと逃げていくような状態だったので、
年下の女の子がいなくなってしまったことが相当のショックだったと推測されます。
天野惠子医師が取り組む性差医療・女性外来とは?
循環器内科で長い間、狭心症や心筋梗塞を抱えた患者と向き合ってきたものの、
患者の数は女性より男性が多いことのに対して、女性患者が胸痛を訴えると、
通常の検査で何も異常が見つからないことに常々疑問を感じていたそうです。
「異常が見つからず、治療法がわからない」という
絶望の淵にある女性たち何とか救いたい。
そんな中、日本よりも医療の進んだアメリカでは、
男性中心の医療では見逃され勝ちだった微小血管狭心症に注目が集まるようになり、
男性と女性でかかりやすい病気に違いがあるだけじゃなく、
同じ病気でも治療法や薬の効き方が違う場合も報告されるようになりました。
性差医療が進んだアメリカの事理を受けて、天野惠子医師を中心に、
2001年5月に日本初となる女性外来が鹿児島大学病院の第一内科に誕生。
もともとは、1999年の日本心臓病学会で天野惠子医師が
性差医療を提唱し、賛同者を集めることができたからで、
それ故に天野惠子医師は性差医療のパイオニアを呼ばれるようになっています。
その後も性差医療・医学研究会と性差医療情報ネットワーク発足(2003年)に関わるなど、
性差医療の普及に携わり続け、性差医療・医学研究会はようやく2008年に日本性差医学・医療学会に発展。
天野惠子医師は現在も、線維筋痛症、更年期障害、月経困難症など、
女性特有の病気に向き合い続けているほか、
原因不明の病「慢性疲労症候群」にも取り組んでいます。
天野惠子医師の診察予約はどこの病院?静風荘病院?
天野惠子医師は現在、静風荘病院(埼玉県新座市堀ノ内1-9-28)で、
循環器内科医として勤めています。
西洋医学と東洋医学(漢方)の長所を取り入れ、
信頼できるネットワークを駆使した治療に取り組んでおられます。
天野惠子医師に受診してもらうには予約が必須となっていて、
初診の場合は「診療申込用健康相談記録」に必要事項を記入してFaxか郵送で提出することになっています。
診療申込用健康相談記録をもとに症状を丁寧に観察しています。
1回の診療時間は、おおむね30分~1時間程度で
特別診療(保険適用外診療)となるので料金は30,000円と決して安くないものの、
診療時間がどれだけ長引いても、基本的に追加料金は発生しないとのこと。