ノートルダムの鐘について。エスメラルダはなぜフィーバスと結婚したのでしょうか?
ディズニーアニメ映画の「ノートルダムの鐘」の結末は原作「Notre dame de Paris」とは違うというのは本当?
ノートルダムの鐘|エスメラルダはなぜフィーバスと結婚?
映画「ノートルダムの鐘」でエスメラルダがフィーバスと結婚する理由について、物語の背景や彼女の心情を考えると、いくつかの要因が関係しているようです。
まず、エスメラルダはカジモドに対しては友情の感情を持っていました。彼女にとって、カジモドは命を救ってくれた人であり、特別な存在でした。しかし、恋愛感情としては、フィーバスに対して心惹かれていた可能性があります。フィーバスは彼女を助け、彼女の心を打つ行動をとっていました。特に、フィーバスがエスメラルダを救うために戦い、彼女の命を守ろうとしたことが大きな影響を与えたでしょう。
また、映画の展開やストーリーの都合も結婚の選択に影響を与えています。物語は時には現実とは異なる決定を迫ることがあります。映画や物語では、物語が感情的な高まりやドラマを持って進行することがあります。そのため、エスメラルダがフィーバスを選んだのは、物語の流れやストーリーラインを考慮した結果である可能性もあります。
ただし、原作や映画の異なるバージョンがあり、それぞれの作品でエスメラルダの選択理由が異なる場合もあります。
ディズニーの映画では、物語のテーマ性や視聴者に対するメッセージが反映された結末が描かれることがありますが、原作の悲劇的な展開と異なる場合があります。
ノートルダムの鐘|原作の結末は?
「ノートルダムの鐘」の原作「Notre dame de Paris」の結末について、
・エスメラルダは既婚者(夫は彼女を処刑から助けるどころか、置いて逃げる)
・エスメラルダはカジモドに助けられるも、醜い顔嫌って見もしない、態度も冷たい
・エスメラルダはフロローによって火刑
・フロローは、それを無力に見てたカジモドに聖堂の上から突き落とされ死亡
・カジモドはその後消息不明
・処刑場跡地を数年後掘り起こすと、エスメラルダらしき白骨とカジモドらしき白骨が見つかる(ホラー!)
・フィーバスはフロローに襲われるも回復し、婚約者と女性と結婚めでたしめでたし
エスメラルダに惚れられているフェビュスに嫉妬したフロロはフェビュスを短剣で刺して逃げます。その場にいたエスメラルダが犯人だと疑われ、拷問を受けた結果死刑になります。エスメラルダが飼っているヤギも、魔女が宴会に連れて行く動物として死刑を宣告されます。
フェビュスは実は生きていましたが、事件に関わるのは嫌なのでエスメラルダの弁解もせずに去ります。
その後エスメラルダはフロロから告白されますが、拒絶します。このフロロの告白シーンはかなり長い(7ページくらい)です。
エスメラルダにはグランゴワールという夫がいますが、グランゴワールは段々エスメラルダよりもエスメラルダのヤギの方が好きになっていきます。 ちなみにこの二人は好き合って結婚したわけではなく、成り行きで結婚したという感じです。
エスメラルダが絞首刑になる前にカジモドがエスメラルダを助けて大聖堂の中にかくまい、世話をしますが、エスメラルダはカジモドが醜くてまともに見ることも出来ません。
このままではエスメラルダが大聖堂から連れ出されて死刑になるのは時間の問題なので(それとフロロはエスメラルダを自分のものにしたいため)、フロロとグランゴワール(フロロの教え子)はエスメラルダを助けるため大聖堂から連れ出して船に乗せて逃げます。
船が岸に着いたとたん、エスメラルダとヤギの両方を助けるのは無理だと悲観したグランゴワールはヤギだけ持って一人で逃げます。
フロロと二人きりになってしまったエスメラルダはフロロから「自分か絞首台か選べ」と自分のものになれば助けてやれると言われます。エスメラルダは死んだ方がずっとマシと、フロロを拒絶します。絶望したフロロはエスメラルダを警察に引き渡そうとします。フロロが警察を呼んでくる間、フロロはエスメラルダをギュデュールという女性に預けます。
その後、ギュデュールはエスメラルダの生き別れの母親だと分かり、しばらく二人のやりとりが続きますが、結局はエスメラルダは警察に連れて行かれ、ギュデュールは死んでしまい、エスメラルダは気絶したまま絞首刑になってしまいます。
絞首刑の様子を塔から眺めていたフロロは悪魔的な笑いをあげます。それを見たカジモドは怒り、フロロを突き落とします。フロロは雨樋に掴まりしばらくなんとか落ちないようにするのですが、上にあがることも出来ないので諦めて手を離して落ちていきます。
愛する人(エスメラルダやフロロ)を全て失ったカジモドは、その日から街から姿を消します。
月日がたったあと、別の死刑囚を埋めようと墓を掘り返すと、女性の骨と奇妙な形をした人の骨が埋まっており、骨を引き離そうとすると骨は砕けて粉になり、風で飛んでいってしまったという終わり方です。
この骨が誰なのかは小説には書かれていませんが、エスメラルダとカジモドの骨です。
ちなみにハッピーエンドになるのはヤギと逃げたグランゴワールと、婚約者と結婚したフェビュスだけです。
小説はとても長くて、途中にカジモドやフロロの生い立ちや、フロロの弟のジャンのことや、ギユデュールの過去のことや、聖史劇や、大聖堂の建築様式のことなど色々な話が盛り込まれています。
映画「ノートルダムの鐘」Ⅰではカジモドもエスメラルダも死にません。
カジモドは街の人々に受け入れられ、エスメラルダはフィーバスと結ばれます。ディズニーのフィーバスは原作と違ってかなり良い人だったり。
Ⅱでカジモドはマデリンという、サーカスの女性と良い仲になります。つまり彼女ですね。
Ⅱは原作と関係はありません。
まとめ:ノートルダムの鐘|原作でエスメラルダはなぜフィーバスと結婚?
映画「ノートルダムの鐘」のエスメラルダは、最初はフィーバスに恋心を抱いていなかったようです。しかし、フィーバスが彼女を救い、そして彼女の自由のために戦ったことで、彼に心を動かされます。
そして、最終的に彼女がフィーバスと結婚したのは、以下の2つの理由があると考えられます。
1つ目の理由は、フィーバスが彼女を愛し、彼女を守ってくれるからです。フィーバスは、エスメラルダがジプシーであり、身分の違いがあることを理解しながらも、彼女を愛していました。そして、彼女をフロローから守るために、自分の命をかけて戦いました。エスメラルダは、そんなフィーバスの愛に応える形で、彼と結婚することを決意したのでしょう。
2つ目の理由は、エスメラルダ自身が、自由を求めていたからです。彼女はジプシーとして自由に生きることを望んでいました。しかし、フロローの陰謀によって、彼女は自由を奪われようとしていました。そんな中、フィーバスは彼女の自由のために戦ってくれたのです。エスメラルダは、そんなフィーバスと結婚することで、自分も自由になれるのではないかと考えたのでしょう。
もちろん、エスメラルダとフィーバスの間には、愛情もあったと思います。しかし、それ以上に、フィーバスの愛とエスメラルダの自由への渇望が、彼女がフィーバスと結婚した理由と言えるでしょう。