煽り運転とは、 他の車の走行を妨害する目的で車間距離を詰めたり幅寄せをしたりする危険な運転のことを指していますね。
重大な交通事故につながる極めて悪質・危険な煽り運転を取り締まるために改正道交法で厳罰化されましたが、そんな煽り運転を疑似体験できる運転シミュレーターがあります。
煽り運転シミュレーターはどこで体験できる?
煽り運転シミュレーターは、名古屋市天白区にある「アイロック」という会社が開発しました。
「アイロック」は車関連で様々な事業を展開していて、運転シミュレーターもその一つ。
調べてみると、「アイロック」から販売しているシミュレーターは9割以上が、ディーラーや自動車の製造拠点(研究所など)とのことで、どうやら煽り運転シミュレーターは一般には体験するのが難しそうです。
例えば、愛知県名古屋市中川区のタクシー会社「あんしんネット21中川営業所」では社員に対して「あおり運転」を回避するための方法を習得させることを狙いとして煽り運転シミュレーターを導入し交通安全教育が行われています。
煽り運転シミュレーターを体験できる可能性があるとすれば、「アイロック」本社に行ってみるしかなさそうです。
■場所:〒468-0049 名古屋市天白区福池2-350
煽り運転シミュレーターとは
煽り運転シミュレーターは運転席前のモニターに高速道路の再現風景の映像を映し出し、足元のアクセルペダルを踏んで加速すると、路面の凹凸に連動してシートも揺れるので実際に運転しているような感覚を味わえます。
体験者をあおる車は、別のスタッフがそばで別のハンドルを握って操作するということで、
後続から激しくクラクションを鳴らす乗用車が迫ってくる状況も体感できます。
幅寄せしてきたあおり運転の車と衝突すると衝撃で体が激しく揺さぶられるところまで再現されています。
あおり運転シミュレーターには視線の動きから精神状態をチェックする機能も備わっていて、オプションでゲリラ豪雨を想定して水たまりで滑るハイドロプレーニング現象などを体験できるモードも用意されています。
あおり運転シミュレーターでは逆に、自分が運転する車が後続車からどのように見えるか?
ウィンカーを出さないまま車線変更したり、突然ブレーキを踏んだりする運転の様子も確認することができます。
煽り運転シミュレーターはどこの会社が開発?
煽り運転シミュレーターを開発した「アイロック」は警察とともに交通安全の啓蒙にドライビングシミュレーターを活用している会社。
社長はプロレーサーでもある古賀琢麻さんで、アメリカの人気カーレース「NASCAR(ナスカー)」に参戦しています。
古賀琢麻さんはアジア人として初の年間ランキングトップ10入りを果たした現役レーサーです。
「アイロック」では自身のレースの練習用や、一般向けに自動ブレーキが疑似体験できるものを開発してきましたが、近年、あおり運転が社会問題化していたことを受けて開発に着手。
自動車レースではもともと、あおる側・あおられる側がお互いにせめぎ合う世界なので、
その分野の経験・ノウハウを生かしてあおり運転をどう回避して安全運転につなげるのか?そのノウハウをシミュレーターに落とし込んだそうです。
煽り運転シミュレーターでは乗りごごちや感覚もリアルさを再現されています。
煽り運転を避けるには?
煽り運転による交通事故を避けるためには、まずはミラーよりもしっかり前を見ることだと古賀社長は話します。
後ろからあおられると、焦ってミラーばかりを見てしまい前方を注視しなくなることが事故の元になるからです。
追い越し車線はあおりを受けやすいのでできるだけ長く走行するのは避けたほうが良いものの、
あおり運転をうけた場合、どんな点に注意すべきかというと、次のような点を挙げています。
バック・サイドミラーよりも前方をよく見る
本線車道上で止まらない
左側の路側帯などに止めて110番
警察でも決して相手の挑発に乗らず、速度を落とすなどして相手から離れて停車し、110番するよう呼び掛けています。
車外へ出ると相手に絡まれたり、後続にはねられたりする恐れがあるため、ドアをロックして車内で警察の到着を待つか、
もしくは高速道路の場合はサービスエリア(SA)やパーキングエリア(PA)に入って止まるか、SAやPAがないときは出口から出るか非常駐車帯に寄せるのが安全なあおり運転対策です。
煽り運転の罰則は?
2020年6月末施行の改正道交法ではあおり運転を「妨害運転」と規定され罰則が強化されました。
急ブレーキや幅寄せ・蛇行、急な車線変更など10の行為が対象となり罰則は最高で5年以下の懲役または100万円以下の罰金と厳罰化されています。