青梅には毒(「シアン化合物」という天然毒素)が含まれているとされますが加熱で分解するんでしょうか?
青梅はシアン化合物を含むため、そのまま食べるのには適していないと言われるように、梅干し・梅シロップは毒抜きしたほうが良い?
青梅の毒とは?
青梅は、夏に旬を迎える果物です。甘酸っぱい味で人気があり、生で食べたり、梅干しや梅酒などの加工品にしたり、料理に使われたりしています。しかし、青梅には毒が含まれていることをご存知ですか?
青梅に含まれる毒は、アミグダリンという物質です。アミグダリンは、青梅の種子に多く含まれています。アミグダリンは、体内に入るとシアン化水素に分解され、中毒を引き起こします。
毒となるアミグダリンは、シアン化合物の一種です。シアンが酵素によって、チオシアンに変換されて無毒化します
塩や砂糖に漬ける →液の中にいる酵素が働く →分解 →無毒化
フグの猛毒も3年以上糠塩漬けすると、酵素や微生物によって毒が分解されます。洗濯用洗剤も、酵素パワーで頑固な汚れを分解してくれます
酵素や微生物が、人間にとって都合の悪い物を分解してくれるおかげで、いろんな恩恵を受けられます
青梅の毒は加熱で分解する?梅干し・梅シロップの毒抜きは?
青梅に含まれるアミグダリンという物質は、未熟な青梅や核(種)に含まれており、多量に摂取すると中毒症状を引き起こす可能性があります。しかし、青梅を熟す過程でアミグダリンは無毒化されます。
青梅を食べたからといってすぐに中毒になることはありません。実の部分で中毒症状が出るとされている量は、一般的に100個近くとされています。また、青梅の種には実に比べて多くのアミグダリンが含まれており、特に小さなお子さんが誤って種を食べないように十分注意が必要です。
青梅の摂取による中毒症状としては、めまい、嘔吐、頭痛、下痢などが挙げられます。重篤な場合には、痙攣や呼吸困難なども起こることがあります。もし症状が現れた場合には、迅速に医師に相談しましょう。
しかし、青梅を十分に熟したり加工したりすることで、アミグダリンは無毒化されます。ですから、加熱処理や漬け込みなどの加工を施した青梅を食べることは安心です。青梅には体に良い成分も含まれており、無毒化された青梅は安全に楽しむことができます。
青梅から梅干し・梅シロップの毒抜きは?
青梅の毒・アミグダリンは、青梅の実が熟していったり、お酒や砂糖、塩などで漬けて加工をしていったりする段階で徐々に無毒化されていきます
そのため、青梅から梅干し・梅シロップを作る際にあえて毒抜きする必要はありません。
ちょっと詳しく話すと、青梅に含まれる「アミグダリン由来のシアン化水素」は、「エムルシンという酵素」と出会って、有毒性を発揮ます。
どっちも青梅に含まれていますが、どっちかが分解されたら毒性はなくなるってことだそうです。
ただ繰り返しになりますが、熟す前の状態や加工する前ではまだ含まれている可能性があります。ただ、実の部分を1個食べたからといってすぐにどうこうなってしまうというものではなく、実の部分で人が食べて危険だと言われている量は100個近くなのだそうです。どちらかというと、実よりも種の方の毒性が強く注意が必要で、青梅の種の部分には実の部分に比べてより多くのアミグダリン(青酸配糖体)が含まれているそうです。
まとめ:青梅の毒は加熱で分解する?梅干し・梅シロップの毒抜きは?
青梅を食べて中毒になった時に出てしまう主な症状としては、めまい、嘔吐、頭痛、下痢など。より強い症状になると、痙攣や呼吸困難などもあるようです。
そのような症状が出たら、すぐにお医者さんに相談をすることをおすすめします。
あまり青梅の毒性を聞いてしまうと、青梅を使ったもの自体が大丈夫かと不安になってしまうかもしれませんが、先程も触れたように、青梅は熟したり加工したりすれば、無毒化されていくので大丈夫です。何よりも青梅には体に良い成分がたくさん含まれていますから、無毒化された青梅は安心して口にしてくださいね。
そのままたくさん食べるのは気を付けた方が良いということ、種は食べないように特に注意した方が良いということを頭の片隅に置いておくと良いでしょう。