あさのあつこ「バッテリー」は延べ1000万部を超えるベストセラー小説で単行本全6巻・文庫本全6巻。
少年達の真剣な対峙と美しい背景描写、短いセンテンスでキレのいい文章が魅力のあさのあつこ「バッテリー」あらすじは?
バッテリー(あさのあつこ)あらすじ
■バッテリーⅠ
中学入学を控えた春休み、岡山県の新田市に引っ越して来た巧たち原田一家4人。 天才的な才能を持つピッチャーとして注目され続けて来た巧は、野球への絶対的な自信を持っていたが、家族や他者に対しては、クールに接することしか知らなかった。
そんな新しい環境の中で出会った一人の少年、永倉豪。豪は少年野球でキャッチャーをしており、巧の投げる球に憧れていた。ピッチャーの巧とキャッチャーの豪、正反対とも言える二人が出会った、序章とも言える第1巻です。
■バッテリーⅡ
新田東中学に入学した巧と豪。 「あの球を受けてみたい、早くバッテリーを組んで練習したい」、と熱望する豪に対し、巧は野球部への入部届けを出すのはもう少し待てと言う。 野球部の練習に対し、メニューをこなしながらも、何故かだらけたような印象を持っていたからだ。
どんな時でも自分に自信を持つ巧に対し、中学での校則、野球部顧問の徹底した管理主義、先輩部員たちとの軋轢がぶつかり合う。そしてそんな中、ついに大きな事件が起こってしまい・・・。
■バッテリーⅢ
活動停止になってしまった野球部。 自主練習は欠かさずこなしながらも巧たちは野球が出来ないいらだちを隠せない。
その処分が明けた9月、3年生レギュラー対1,2年生で紅白戦を行うことになり、久々の試合に臨んだ部員達。 チームとしての確かな手応えを感じつつも、校長の野球部に対する不信感は未だぬぐえないままだった。それを払拭するため、顧問やキャプテンの海音寺は、全国ベスト4の強豪チームである横手中との試合を画策する。果たしてうまくいくのか・・・。
■バッテリーⅣ
横手中との練習試合は、学校に無許可のまま行われた。 横手中は全国大会ベスト4の屈指の強豪校であり、特に4番キャプテンの門脇は天才スラッガーとして、将来を有望視されている打者であった。
自分を熱くさせるピッチャーにこれまで会ったことのない門脇は、巧の才能を見抜き、一対一の勝負に真剣にこだわる。また一方、巧と豪の関係にも変化が訪れていた。 「巧の本気の球を取れるのか?」突きつけられた問題に、悩み苦しむ豪。
「しんどい。いっそもうやめようか・・・」 巧と豪のバッテリーはこのまま消滅してしまうのか? 変化の第4巻です。
■バッテリーⅤ
横手中との先の練習試合は消化不良に終わってしまった。 しかし、このままでは終わらせない-- 新田東のキャプテン海音寺と、横手中の5番打者で策士の瑞垣は、再試合を目指して画策する。
一方再びバッテリーとして練習を始めた巧と豪だったが、どこかぎこちないままだった。 「何を考えている、豪?」 巧の中で今までにないいらだちがわき起こっている。 他者との関係なんてどうでもいいと思っていた。
でも今は豪のことが分からない、知りたい。 初めてといってもよい感情をもて余している巧だった。 激動の第5巻です。
■バッテリーⅥ
中学卒業式の後、再び新田東対横手中との試合が決まった。その試合目指して、誰もが真剣に思いを馳せ練習に取り組んでいた。3年生たちはこれで中学最後の試合、その後の進路はばらばらになる。
海音寺も門脇も瑞垣も・・・それぞれがこの試合に何かをかけていた。一方、巧は豪に伝えたかった。言いたいことがある、聞いてほしいことがある。
「力さえあればキャッチャーなんか誰でもいい。だからお前がキャッチャーだから一緒にいるわけじゃないんだ」 言葉足らずで気持ちをうまく伝えられない巧に対し、「キャッチャーなんかだと? ふざけんな、絶対誰にもお前の球は渡せねえ」と返す豪。 なかなか気持ちがかみ合わない。
そしてとうとう試合の日がやって来た。 これで一つの決着が付くのだろうか? 8年間に渡る「バッテリーシリーズ」最終巻です。
バッテリー(あさのあつこ)登場人物
■原田巧
新田東中学の1年生にして、天才的ピッチャー。 絶対的な自信と実力で、反感をかうこともしばしばだが、その才能はいつしか周りを熱く巻き込んでしまう。
■永倉豪
原田巧とバッテリーを組む1年生キャッチャー。穏やかで面倒見がよく他人の気持ちを組むことができる性格から、誰からも慕われている。
■原田青波
原田巧の弟。 生まれつき身体が弱い。 全ての事に対して常に優しい深いまなざしを注いでいる、不思議な子。
■東谷啓太
新田東中野球部1年。豪の幼なじみ。巧と豪のバッテリーに対し信頼が深い。 時には皆のよきまとめ役でもある。
■沢口文人
新田東中野球部1年。豪の幼なじみ。気弱なところもあるが、野球を愛する気持ちは誰にも負けない。
■吉貞伸弘
新田東中野球部1年。次から次へと口から漫才が飛び出てくる
愉快なムードメーカー。全てをこなせると豪語する実力派でもある。
■海音寺一希
新田東中野球部の主将。名ショートとしての実力も高く、皆をまとめるキャプテンとして信頼は厚い。
■野々村旭良
時期主将である野球部二年。 ゲームを組み立てるのが上手く
また誠実な人柄であり、一目置かれている存在。
■戸村真
新田東中野球部の顧問。 通称「オトムライ」 徹底した管理主義者であり、巧たちと衝突することもあったが、徐々にその考えも・・・。
■原田広
巧と青波の父。 絵を描くのが趣味。 穏やかな性格。
■原田真紀子
巧と青波の母。 巧がハッキリ物事を言い切るのは、母の遺伝らしい。
■門脇秀吾
全国大会ベスト4の実力を持つ、横手二中の4番打者。天才スラッガーであり向かうところ敵なしであったが、巧の投げるボールに出会って以来、巧との勝負にこだわっている。
■瑞垣俊二
横手二中の5番打者であり、門脇の幼なじみ。 知将タイプであり野球の実力もかなりのもの。巧との勝負にこだわる一人でもある。
心理的に追いつめる、今までにない対戦相手であった。