映画「猫の恩返し」でフンベルト・フォン・ジッキンゲン男爵はなぜ「バロン」?
バロンの名前について「フンベルトフォンジッキンデン男爵(Humbert von Gikkingen)」が本名ですが、吉岡ハルはなぜ「なるほどだからバロンか」と言ったのでしょうか?」
フンベルト・フォン・ジッキンゲン男爵|なぜバロン?猫の恩返し
フンベルト・フォン・ジッキンゲン男爵は、猫の恩返しと耳をすませばに登場する、ドイツからもらってきた猫の人形です。通称は男爵を英語読みにしたバロンです。
バロンは、ドイツ語で男爵を意味する爵位です。ドイツ語圏では、爵位を名前の一部として呼ぶことが一般的です。
そのため、フンベルト・フォン・ジッキンゲン男爵は、バロン・フンベルト・フォン・ジッキンゲンと呼ばれるのが正しい表記となります。
しかし、日本語では通常、爵位を名前の前につける習慣はありません。そのため、バロン・フンベルト・フォン・ジッキンゲンを直訳すると、男爵フンベルト・フォン・ジッキンゲンとなってしまいます。
これは日本語として不自然な表現なので、バロンという呼び方が使われていると考えられます。
バロン(男爵)について|猫の恩返しでフンベルト・フォン・ジッキンゲンの爵位
バロン(男爵)は爵位の一つですが、爵位とは、ヨーロッパ諸国を中心に存在する、貴族の身分を表す称号です。爵位は、主に国家への功績や血統によって授与され、世襲されることが多いです。
爵位の序列
爵位の序列は国によって異なりますが、一般的には以下の通りです。
皇帝、国王、大公:君主(元首)級
公爵:上級貴族級
侯爵、伯爵:上級貴族級または下級貴族級
子爵、男爵:下級貴族級
大公は、王として認められていない君主など、国王に準ずる者を指します。公爵は、国王の一族が叙任された者で、日本の江戸時代の親藩大名のような存在です。侯爵は、国王に臣従した者、同盟者のようなもので、外様大名のような存在です。伯爵は、国によって上級貴族と下級貴族に分けられます。子爵は、国王から派遣された官僚が貴族化したもので、日本の奉行のような存在です。男爵は、地方の豪族にあたります。
同じクラスであれば、上下関係はありません。 例えば、スペインのガスパール・デ・グスマンは、オリバーレス伯爵とサンルーカス・マヨール公の二つの爵位を所持していましたが、一般的には、オリバーレス伯爵を使用していました。これは、スペインにおいて、オリバーレス伯爵は、大貴族の待遇でしたが、サンルーカス・マヨール公爵は、一般貴族の扱いだったためです。
爵位の継承
西洋の爵位は、家門ではなく、領地に与えられます。 つまり、領地を相続したり売買すると、○○公は、別の家系に引き継がれます。 例えば、バロア家ブルゴーニュ公国のシャルルには、男子がいなかったため、娘マリアと結婚したハプスブルク家が、ブルゴーニュ家を相続し、ブルゴーニュ公を名乗ります。
イギリスの爵位
イギリスの爵位は以下の5種です。
公爵(Duke)
侯爵(Marquess)
伯爵(Earl)
子爵(Viscount)
男爵(Baron)
各爵位については先祖の功績によって与えられていますが、公爵は基本的に王(女王)の近しい親族にあたります。 例えば、エリザベス女王の夫はエジンバラ公という公爵位をもっています。
イギリスでは日本語で卿と訳されるナイトという一代限りの貴族称号があります。 これはイギリスに対して功績のあった人に与えられるもので、例えばビートルズのメンバーだったポール・マッカートニーやサッカーのマンチェスターユナイテッドの監督のアレックス・ファーガソンなどに与えられています。
バロンとは?|猫の恩返しのフンベルト・フォン・ジッキンゲン男爵
バロン(フンベルト・フォン・ジッキンゲン男爵)は「耳をすませば」の主人公である月島雫が書いた物語の中で登場し、特に『猫の男爵』では、バロンという設定で描かれています。
身の丈は30センチほどで、二足歩行で歩く猫の獣人です。タキシード姿にステッキを持ち、イギリス紳士を連想させる風貌をしていますが、名前はどちらかというとドイツ貴族に近いとされています。
性格は常に冷静沈着で、紳士的な面もありますが、ムタからは時折キザと評されることもあります。また、彼は一流の剣術の腕前を持ち、身体能力も優れています。さらに、彼は特製スペシャルブレンドの紅茶を客に振る舞うことでも知られています。
一人称は基本的に「わたし」ですが、クライマックスの場面では「俺を信じろーっ!」と発することもあります。また、彼は猫の国を滅ぼしかねない凄まじい能力を秘めているとされています。
■バロンの姿と性格
身の丈30センチほどの二足歩行で歩く猫の獣人。
タキシード姿にステッキを持っており、イギリス紳士を連想させる風貌をしている。
名前はドイツ貴族風だが、性格は如何なるときでも冷静沈着で、紳士的。
剣術の腕前は一流で、身体能力にも優れている。
実像が人工物であるため、「ゆ」の発音が可能。
■バロンの能力
猫の国を滅ぼしかねない凄まじい能力を持つらしい。
特製スペシャルブレンドの紅茶を振る舞い、毎回味が変わる。
原作では映画版と比べると少々茶目っ気が強め。
フンベルト・フォン・ジッキンゲン男爵まとめ|なぜバロン?猫の恩返し
フンベルト・フォン・ジッキンゲン男爵がバロンと呼ばれるのは、その名前に「男爵」が含まれているためです。
「バロン」は英語で「男爵」を意味します。つまり、「バロン男爵」だと「男爵男爵」という意味になってしまうのですね。
階級や爵位に関しては、警察や軍隊でも使用されることがあります。たとえば、「デューク」は英語で「公爵」を意味します。