軍用犬とは盲導犬や介護犬と同じように特定の目的を持って訓練された犬の一種で、
人間より優れた視覚や嗅覚を活用した警戒・捜索・探知能力が軍事活動に生かされます。
日本では室町時代前期(南北朝時代)偵察犬として用いた記録が見られるほど歴史が古く、
近代~現代でも第一次世界大戦、第二次世界大戦、湾岸戦争、イラク戦争でも軍用犬が活用されているように、
世界各国の軍隊で軍用犬並びに軍用犬を扱う兵士(ドッグハンドラー)が養成されているようです。
軍用犬に採用されるベルジアン・マリノアとはどんな犬種の犬?
軍用犬に採用される犬種の一つがベルジアン・マリノアと呼ばれるベルギー原産の牧羊犬種に分類されています。
同じく軍用犬に採用されることが多いシェパードと同一犬種と見なされていた経緯もあるように、
主人家族に対しては忠実で優しいが、警戒心が強い性格の持ち主。
軍用犬以外にも、
- 警察犬
- 麻薬探知犬
- 牧羊犬
など、様々な分野で活躍していて、仔犬のうちから人や犬と積極的に接させておくと友好的な性格を強めることができるので、
補助犬として介護などの分野でも他の犬種に比べてベルジアン・マリノアが用いられることが多いようです。
軍用犬の犬種にベルジアン・マリノアが選ばれる理由は?
軍用犬に採用される犬種にはベルジアン・マリノア以外にも、
- ジャーマンシェパード
- ドーベルマン
- エアデール・テリア
といった犬種も見られますが、ヨーロッパでは軍用犬(もしくは警察犬)として
ジャーマン・シェパードを抜いて採用率NO1と言われています。
なぜベルジアン・マリノアの採用率が高いのかというと、
ベルジアン・マリノアはシェパードと同じくトレーニングの飲み込みが速いうえに状況判断力・身体能力が高いことが理由として挙げられますが、
それ以上にシェパードに比べて股関節形成不全の発症率が圧倒的に低いことが大きな理由のようです。
股関節形成不全にかかってしまうと、ウサギ跳びのようにぴょんぴょんと跳ねるような歩き方・走り方になってしまい、
軍用犬としてはもちろんのこと、警察犬などとしては活躍できなくなってしまいます。
仔犬のころから手間・時間・労力をかけて訓練をしても股関節形成不全を発症してしまうと台無しになってしまうことから、
発症リスクの低いベルジアン・マリノアが軍用犬に採用されることが多いようです。
軍用犬ベルジアン・マリノアに関するツイッターの反応
皮肉なことですが、軍用犬ベルジアン・マリノアが注目を集めるようになったのは、
ISIS最高指導者を追い詰めたのがベルジアン・マリノアとみられる軍用犬だったことから。
願わくば、軍用犬の育成訓練は今後も続けらられるとしても、活躍することのないまま現役引退するような世界になってほしいですね。