びわの木を屋敷内に植えると不吉?縁起が悪い?
「家族に病人が出る」「縁起が悪い」など言われますが迷信なのでしょうか?
ビワの木はなぜ庭に植えてはいけない?
ビワの木は不吉・縁起が悪い?なぜ庭に植えてはいけない?
「琵琶を庭に植えてはいけない」という迷信にも一応理由があったりします
琵琶は、木が大きくなり、広葉樹の常緑樹。
家の一部が常に日陰になり、風通しも悪くなるので、家に植えてはいけないと言われているようです
銀杏も同じことが言われますが、これは、銀杏も大きくなり、屋根より高い位置で落葉します。
これが雨樋(あまどい)に詰まり屋根を傷めるから、また銀杏は広く浅く根を張るので、家の基礎を持ち上げてしまうからだそうです
「家族に病人が出る」というのは、びわには薬効があるため病人がそれを求めて訪れるため、病人が出ると言う迷信が生まれたとも言われています。
仏典のひとつ「大般涅槃経」(だいはつねはんぎょう)の中で、枇杷の木は「大薬王樹」、枇杷の葉は「無憂扇」と呼ばれ、大変優れた薬効があると伝えられています。
「大薬王樹、枝、葉、根、茎ともに大薬あり、病者は香をかぎ、手に触れ、舌で舐めて、ことごとく諸苦を治す」
また、中国の明時代に発行された「本草網目」の中にも、枇杷の葉の効用についての記述があるそうです。
枇杷は布教の手段として奈良時代に仏教とともに中国から伝来しました。
文献によれば、枇杷の葉療法は鑑真和尚が中国から日本に伝えたとされています。
特に、時の天皇、公明皇后が730年に「施薬院」(今の病院)を創設し、枇杷の葉療法がおこなわれていました。
近代まで、地域社会の中心だったお寺は、信仰の場であるとともに学校であり、病院でもありました。
まとめ:ビワの木は不吉・縁起が悪い?なぜ庭に植えてはいけない?
びわはとても成長が早く、枝も葉も密に茂ります。
びわの木は日当たりを好みます大きく成ります葉が茂ります日当たりと風通しが悪く成ります家が湿気ます…健康が損なわれます商売が悪くなる
その為に・・・
「病気になる説(1)」はそのビワの木の外観が根拠となっています。その大木になったビワの木によって薄暗くなる庭、つまり家屋も薄暗くなり通気も悪くなりますのでそれが原因で病人が出るという説。
「病気になる説(2)」はビワの薬効成分によって逆に縁起が悪いとなった説です。
ビワは果実を食べる以外にも昔から葉などを薬効成分として使用していた為、寺院の境内や病人のいる家で薬代わりに育てていました。
それが原因で「寺にあるような木は一般家屋には縁起が悪い」、「病人がいる家にビワの木がある」=「ビワの木は病気になる」 になったという説。
「病気になる説(3)」も、(2)と同じように薬効成分が原因で庭木にビワの木を育てていた所「薬効成分を求めて病人がやってきた」→「病気を置いていったことがある」→「病気になる」という事になったという説。
また、庭木にビワの木を育てていた所「薬効成分を求めて病人がやってきた」
→「沢山の病人がその家を訪れるようになった」
→「病人が病人が沢山訪れる家」
→「病人の家」という説があります。
「病気になる(4)」は、その薬効成分を使用して利益を上げていた者が一般の家庭でビワを植えられてしまうと価値が薄れるので、ビワは縁起でもない樹木であるという話を流布した、また薬効成分を危惧した医師が不吉な話を流布したという「一般的家庭に植えないようにデマを流した」という説があります。
同じような件で杉も同様です 杉は字から解るように(木に水)水を良く吸います…水は生気ですから生気を吸われて精気を無くすると言うわけです
「びわの実は熟すとすぐに付け根から落ちる」と言うことを、お武家さんが「首が落ちる」と言って、縁起が悪いと植えなかったという言い伝えもあります。
個人の感想:ビワの木は不吉・縁起が悪い?なぜ庭に植えてはいけない?
ビワには、今でも迷信や言い伝えがたくさん残っています。たとえば、ビワを植える家は短命だとか、植えた人の死を待って開花結実する、あるいは、ビワの木に登ると枝が折れて怪我をするなどといって、我が国では縁起の悪い木として忌み嫌う地方もあります。こういったことが、日本のビワが改良されずにそのままにされていた要因なのかもしれません。
このように嫌われもののようですが、成熟した姿は見事なものです。常緑樹で、若木のころは真直ぐに伸び、成熟すると、枝を半円形に広げ、十メートルほどの高さにまで成長します。敢えて嫌われる原因を考えるとすれば、樹の下に日が当たらず暗く、風通しが悪くなるため、庭に植えると、家が陰湿になることがあげられます。
お隣の中国では、ビワの樹形、葉、花、実それぞれに観賞の価値を認め、多くの詩に歌われており、日本のように、ビワを縁起の悪い木として取り扱っているような記述は見あたりません。もっとも、日本でも古くは「十二月。枇杷、早梅」(専応口伝)などの伝承があり、『立花秘伝抄』にはビワの扱い方が詳しく説明されています。また、俳句などの季題にも取り上げられており、人にとってやはり気になる存在であったと、考えられます。
自生種のビワは、主に暖流の流れる、冬でも温度のあまり下がらない石灰岩質の沿岸地域の山地や島の、イヌグス、シロダモなどの木の中に点々と生えています。若枝は、褐色の綿毛が密生し、老木になると樹皮がはげて斑紋ができ、趣があります。十一月から三月にかけて次々と白い花を咲かせます。一花の寿命は六、七日で、冬にもかかわらず、香りに誘われて虫が受粉の手伝いをしてくれます。また鳥媒花でもあり、メジロなどがその役をはたします。
ビワの魅力を考えたとき、花や実を引き立たせる葉の存在が思い浮びます。葉はおもに枝先に集まり、単葉で互生し、十五~二十五センチほどの先のとがった楕円形で、堅く乾いた手ざわりを持ち、表面は光沢のある濃緑色、裏は淡緑色で褐色の綿毛が密生し、色合いや質感に渋い味わいがあります。
ビワは立花から盛花まで、ほとんどの様式にいけられますが、現代的な捉え方による新しい魅力も引き出して欲しい植物です。