レーダーのブライトバンド現象とは?
気象庁の高解像度降水ナウキャストを見ていると丸いエコーが見られることがありますがブライトバンド現象の条件は?
ブライトバンド現象wiki|雨雲レーダーの円形エコー?
ブライトバンド現象とは、気象レーダーから発射された電波が上空の気温が0℃前後となる高度で雨雲にある解けかけた雪(みぞれ)の融解層によって反射されることで、実際よりも強いエコーが観測される現象です。
融解層とは、雨雲の中で気温が0℃に近く、氷の粒が溶け始める層のことをいいます。融解が始まり、表面が水の膜で覆われた氷の粒には電波を強く反射する性質があるため、このような強いエコーが発生するのです。
気象レーダー画像などでブライトバンドを見てみると、円形をしているのが分かると思います。気象レーダーはアンテナを回転させながら電波を発射していますが、その最高仰角は90度に届かないため、気象レーダーからみて真上に近い部分の雨雲には電波が当たりにくく、強いエコーが観測されなくなるのです。
また、この円の中心が気象レーダーの設置場所に相当します。冬季は融解層が下降するため、ブライトバンドが観測されると地上に近いところで雪が降っていることが推測できます。
そのまま気温が下がっていけば、雪になる可能性があります。
「雪が雨に変わる時」というのは、「雪という天気が雨という天気に変わるとき」という意味ではなく、「上空の雪が地上に届くまでにとけて、雨粒になってしまうようなとき」という意味です。こんなとき、上層の雪と下層の雨との境目は、特に電波を強く反射する性質のため、レーダーにはブライトバンドとして映ってしまいます。
つまり、上空では雪が降っているわけで、もし気温が下がっていくなら、溶け始める境目(融解層)の高さは低くなり、ついには地上までとけずに降ることになります。そうすれば地上の天気は雪になります。
まとめ:ブライトバンド現象wiki|雨雲レーダーの円形エコー?
気象レーダーの電波は斜め方向にしか出てないので、真上は観測できません。
レーダーは回転しながら斜め上方向に電波を出しているので、ブライトバンドは同心円のように映ります。融解層が低くなってくれば反射を起こす層までの距離が近くなるので、ブライトバンドの半径は縮みます。
また、融解層が電波を強く反射する性質は、雨粒の大きさとは無関係です。