日本語には意味の間違いやすい表現・単語・熟語がいろいろあります。
たとえば「役不足」は「力量が足りていない」といった意味で使うのは誤解で、
正しくは「割り当てられた役よりも役者の力量が鵜回っていること」を指しています。
「憮然」という言葉に関してもどうやら意味を誤解している人が多いらしく、
呆然,唖然と区別がつかない人が多いようですね。
誤解続出の憮然の意味は?
ドラマや小説などで良く見られる「憮然」という表現はどんな意味なのでしょうか?
- 憮然としてため息をついた
- 憮然としながら立ち去った
といった感じで用いられることが多いですが、「腹を立てている」といった意味で使うのは誤解です。
正しくは「失望してぼんやりとしている」といった意味合いになり、
- 失望してガッカリする
- 意外なことに驚く
といった意味も含まれています。
憮然としてため息をついた → ガッカリしてため息が漏れてしまった
憮然としながら立ち去った → 不満な結果にぼんやりと立ち去った
といった意味で解釈するのが正解となります。
憮然の意味を呆然,唖然と誤解する人が多い?
憮然とよく似た意味で用いられることが多いのは、
- 呆然
- 唖然
という表現じゃないかと思いますがそれぞれ次のような意味になります。
呆然 気ぬけがして、ぼんやりとしたさま。
唖然 予想していなかった出来事に驚き、あきれて言葉が出ないさま
憮然と呆然,唖然の意味の違いは、「驚く」「あっけにとられる」といった点では似ていますが、
憮然に関しては「結果に不満を持つ」という点で呆然,唖然とは違った意味になります。
誤解されやすい憮然の類義語・対義語は?
憮然の類義語としては、
- 失望(望みを失うこと。あてが外れてがっかりすること)
- 落胆(気力を落としてがっかりすること)
「憮然」の対義語としては、
- 「希望」「感動」
- 「有頂天」「発奮」
- 「うきうき」
といった感じになりそうです。