6歳未満or身長140cm以下の子供が車に乗車する場合、
チャイルドシートを使わなければいけません。
基本的に子供1人につきチャイルドシートが1つ必要になりますが、
子供の乗車人数によってチャイルドシートが免除されるケースがあります。
子供の乗車人数は「子供3人で大人2人分」と規定されているため、
たとえば7人乗りの車では理論上、子供を最大9人乗せることができるものの、
チャイルドシートを全員分設置することはできません。
子供の乗車人数に合わせて、
チャイルドシートの設置を省略することができます。
この記事では、
- 5人乗り乗用車の場合
- 7人乗り乗用車の場合
- 8人乗り乗用車の場合
のそれぞれで、子供の人数に合わせて
チャイルドシートが免除される数を具体的にまとめています。
また、他にもチャイルドシートの着用が免除されるケースや、
逆にチャイルドシートを着用しなければいけないケースについてもまとめています。
下記の記事中では、ベビーシート・ジュニアシートも含めて、
全てチャイルドシートという風に表現を割いています。
ベビーシート・ジュニアシートとは一般的に、
新生児から使えるベビーシート
背もたれがなく10歳ころまで使えるジュニアシート
といったチャイルドシートのことを指しています。
子供のチャイルドシート着用義務について
日本ではもともと座席ベルト装着義務違反があり、
反則金なしの1点減点となります。
※後部座席もシートベルト装着義務がありますが、
一般道の場合は違反しても罰則はなく
高速道の場合に1点減点されます。
チャイルドシート着用義務に関しては
2000年4月1日に道路交通法が改正されて施工され、
6歳未満or身長140cm以下の子供
はチャイルドシートの着用が義務づけられました。
チャイルドシート着用義務違反は1点
チャイルドシートが必要な子供を
チャイルドシートに乗せていなかったことが発覚した場合、
「幼児用補助装置使用義務違反」が適用されます。
点数1点が減点されてしまいますが、
反則金等はありません。
道路交通法の違反点数は、
最後の違反から1年経過すれば点数はリセットされ、
ブルー免許でも過去5年間に軽微な違反が1回のみの場合は、
免許の更新期間は5年となるもののブルー免許のままです。
警察署で優良運転者講習を受けるだけで済む
ゴールド免許(優良運転者)になるためには、
免許更新年の誕生日の40日前を基準として、
その以前5年間に違反をしていなかった場合のみです。
現在、ゴールド免許であっても、
チャイルドシート着用義務で1点減点されてしまうと、
次の免許更新では更新期間が5年のブルー免許になってしまいます。
チャイルドシート未着用の事故の衝撃は?
高速道路でのシートベルト未着用が1点減点の違反となったり、
チャイルドシートの着用がなぜ義務付けられたのかというと、
やはり事故が起きたときに同乗者の命を守るためです。
仮に時速40kmで壁や建造物に衝突したとしたら、
体重10kgの子供でも、その約30倍の300kgもの
衝撃を受けることになります。
これだけの衝撃が頭や胸など一か所に集中すれば、
子供に深刻なダメージを与えてしまうのは避けられません。
国土交通省の発表によると、
チャイルドシート未使用時の死亡重傷率は
使用している場合に約2.1倍にもなっています。
さらに、チャイルドシートを設置していたとしても、
ガタガタとぐらついていたり、肩ベルトが緩いなど、
キチンと設置されていなかった場合には、
死亡重傷率が約6.0倍に跳ね上がります。
こうした背景を受けて、
チャイルドシートの着用が義務付けられるようになりました。
チャイルドシート免除になる人数
子供の乗車人数は大人よりも少なく数えることができます。
そのため5人乗りの車であっても、
大人一人(運転手)につき子供を6人(理論値)を
乗せることができます。
ただそうなると、困るのはチャイルドシートの設置数で、
当然、子供の数に合わせてチャイルドシートを設置することはできません。
子供の乗車人数に合わせて
- 5人乗り乗用車
- 7人乗り乗用車
- 8人乗り乗用車
のそれぞれのケースで考えられる子供と大人の乗車人数と
チャイルドシートの免除される設置数を考えていきます。
・子供の車の乗車人数の数え方
子供の乗車人数は、
子供3人を大人2人分と換算します。
(子ども1.5人=大人1人分)
計算式にすると、
(車の最大乗車定員-大人の乗車人数)×1.5=乗車できる子供の人数
といった感じになりますが、小数点は繰り下げて考えます。
例えばクルマが7人乗り、乗車する大人が2人の場合は
(7-2)×1.5=7.5
となりますが、子供が乗れる人数は8人ではなくて、
7人という風に考えます。
第五十三条
前項の乗車定員は、十二歳以上の者の数をもつて表すものとする。この場合において、十二歳以上の者一人は、十二歳未満の小児又は幼児一・五人に相当するものとする。
5人乗り乗用車の場合
- 子供1人と大人4人 → チャイルドシート1つ(免除なし)
- 子供2人と大人3人 → チャイルドシート2つ(免除なし)
- 子供3人と大人2人 → チャイルドシート3つ(免除なし)
- 子供4人と大人1人 → チャイルドシート3つ(1人免除)※
- 子供5人と大人1人 → チャイルドシート3つ(2人免除)※
- 子供6人と大人1人 → チャイルドシート3つ(3人免除)※
この数字は理論値で実際に子供を3人以上乗せる場合、
助手席にもチャイルドシートを設置しなければいけないものの、
ほとんどのチャイルドシートメーカーでは、
チャイルドシートの助手席設置を推奨していません。
実際には子供を3人以上乗せる時点で、
チャイルドシート1つ免除という風に考えて良さそうです。
ただ、子供6人を乗せるとなると後部座席に
子供を5人も乗せることになります。
常識的に考えにくいものがあります。
助手席のチャイルドシート設置は推奨されていない点も考慮すると、
子供3人に対して大人1人くらいが乗車人数の限界で、
チャイルドシートが免除される人数は1人といったところでしょう。
7人乗り乗用車の場合
- 子供1人と大人6人 → チャイルドシート1(免除なし)
- 子供2人と大人5人 → チャイルドシート2(免除なし)
- 子供3人と大人5人 → チャイルドシート2(免除なし)
- 子供4人と大人4人 → チャイルドシート4(免除なし)
- 子供5人と大人3人 → チャイルドシート5(免除なし)※
- 子供6人と大人3人 → チャイルドシート5(1人免除)※
- 子供7人と大人2人 → チャイルドシート5(2人免除)※
- 子供8人と大人1人 → チャイルドシート5(3人免除)※
- 子供9人と大人1人 → チャイルドシート5(4人免除)※
この数字は理論値で実際に子供を5人以上乗せる場合、
助手席にもチャイルドシートを設置しなければいけないものの、
ほとんどのチャイルドシートメーカーでは、
チャイルドシートの助手席設置を推奨していません。
実際には子供を5人以上乗せる時点で、
チャイルドシート1つ免除という風に考えて良さそうです。
また2列目の後部座席の乗車人数は通常大人3人なので、
子供の乗車人数は4人までという風に考えることもできます。
そうすると、子供の最大乗車人数は7人までだと考えられます。
7人乗りの代表的な車種
- トヨタ シエンタ コンパクトミニバン
- トヨタ ヴォクシー ミニバン
- トヨタ ノア ミニバン
- トヨタ エスクァイア ミニバン
- トヨタ エスティマ ミニバン
- トヨタ ランドクルーザープラド SUV
- トヨタ アルファード ミニバン
- トヨタ ヴェルファイア ミニバン/
- 三菱 デリカD:3 コンパクトミニバン
- 三菱 アウトランダー SUV
- 三菱 デリカD:5 ミニバン
- 三菱 パジェロ SUV
- ホンダ フリード コンパクトミニバン
- ホンダ ステップワゴン ミニバン
- ホンダ オデッセイ ミニバン
- 日産 エクストレイル SUV
- 日産 セレナ ミニバン
- 日産 エルグランド ミニバン
- マツダ CX-8 SUV
- シトロエン グランドC4ピカソ ミニバン
- フォルクスワーゲン トゥーラン ミニバン
- フォルクスワーゲン シャラン ミニバン
- シボレー キャプティバ SUV
- プジョー 5008 SUV
- メルセデス・ベンツ Vクラス ミニバン
- レクサス RX450hL SUV
- ボルボ XC90 SUV
- アウディ Q7 SUV
- ランドローバー ディスカバリー SUV
- ランドローバー レンジローバースポーツ SUV
- BMW X5 SUV
- BMW 2シリーズ グランツアラー ミニバン
- テスラ モデルS セダン
- テスラ モデルX SUV
- メルセデス・ベンツ GLS SUV
- キャデラック エスカレード SUV
8人乗り乗用車の場合
- 子供1人と大人7人 → チャイルドシート1(免除なし)
- 子供2人と大人6人 → チャイルドシート2(免除なし)
- 子供3人と大人6人 → チャイルドシート2(免除なし)
- 子供4人と大人5人 → チャイルドシート4(免除なし)
- 子供5人と大人4人 → チャイルドシート5(免除なし)※
- 子供6人と大人4人 → チャイルドシート5(1人免除)※
- 子供7人と大人3人 → チャイルドシート5(2人免除)※
- 子供8人と大人2人 → チャイルドシート5(3人免除)※
- 子供9人と大人2人 → チャイルドシート5(4人免除)※
- 子供10人と大人1人 → チャイルドシート5(5人免除)※
この数字は理論値で実際に子供を5人以上乗せる場合、
助手席にもチャイルドシートを設置しなければいけないものの、
ほとんどのチャイルドシートメーカーでは、
チャイルドシートの助手席設置を推奨していません。
実際には子供を5人以上乗せる時点で、
チャイルドシート1つ免除という風に考えて良さそうです。
※チャイルドシートの最大設置数は4つ。
また2列目・3列目の後部座席の乗車人数は大人3人なので、
子供の乗車人数は4人までという風に考えることもできます。
そうすると、子供の最大乗車人数は
9人までだと考えたほうが良さそうです。
8人乗りの代表的な車種
- トヨタ・ヴォクシー
- トヨタ・ヴェルファイア
- トヨタ・ノア
- トヨタ・アルファード
- トヨタ・エスクァイア
- トヨタ・ランドクルーザー
- トヨタ・エスティマ
- 日産・エルグランド
- 日産・セレナ
- ホンダ・オデッセイ
- 三菱・デリカD:5
- マツダ・ビアンテ
- スズキ・ランディ
- レクサス・LX
チャイルドシートを後部座席真ん中に設置できる?
後部座の席真ん中のシートというのは、
座席シートベルトが通常の3点式ではなくて、
2点式のケースが多いです。
一般的なチャイルドシートでは、
3点式の座席シートベルトにしか対応していないので、
チャイルドシートを後部座席真ん中に設置しようと覆ったら、
2点式の座席シートベルトに対応したチャイルドシートを用意しなければいけません。
だからと言って、2点式の座席シートベルトに対応したチャイルドシートを使っても、
後部座席にチャイルドシートを3つ並べるのは現実的ではありません。
チャイルドシートはかなり横幅があるので、
物理的に設置する余裕がなくなってしまい、
後部座席のチャイルドシート設置数は2台までと考えて良さそうです。
背もたれのないジュニアシートだとまだ省スペースではありますが、
それでも両側にチャイルドシートを設置してしまうと、
余裕がなくなってしまいます。
チャイルドシート免除になるケース
チャイルドシートは乗車する子供の人数によって
免除してもらえるわけですが、
他にも、チャイルドシート免除になるケースがあります。
具体的には、神奈川県警察本部交通部交通指導課指導係の
ホームページの記載内容を引用すると、下記のケースが
チャイルドシートが免除されることになります。
- 1.座席の構造上、固定できない場合。
- 2.乗車人数が多く、子供の人数分固定できない場合。
- 3.負傷や怪我などの療養上、使用が適さない場合。
- 4.著しい肥満などの身体的理由から使用できない場合。
- 5.シートに乗せたままでは授乳等の世話ができない場合。
- 6.バスやタクシーに乗客として乗る場合。
- 7.国交省の許可を得た特定非営利活動法人等が人の運送を行う場合。
- 8.応急救護のために医療機関や官公署等へ緊急搬送する場合。
1.座席の構造上、固定できない場合。
たとえばマイクロバスなどでは2点式シートベルトが多いのに対して、
通常のチャイルドシートは3点式シートベルトにしか対応していません。
座席(シートベルト)の構造上、チャイルドシートの固定できないので、
この場合、チャイルドシートの設置は免除されます。
ただもちろん、2点式シートベルトにも対応しているチャイルドシートの場合、
(背もたれのないジュニアシートの場合)には、設置しなければいけません。
他にも、座席の構造上、
チャイルドシートの固定できないケースとしては、
下記のようなものがあります。
- 座席にそもそもシートベルトが付いていない
- 座面の奥行が狭い(43cm未満)
- 極端なバケットシート(左右のへりが高く尻や肩を深く包むバケツ形)
- 進行方向に対して座席の向きが横向き・後向き
- ヘッドレスト部分の出っ張りにひっかかる(ヘッドレスと取外せる場合は必要)
- パッシブシートベルト(オートマチックシートベルト)の座席
- 座席の前面にエアバッグが装備されている(サイドエアバッグの場合は必要)
- 座席シートベルトの長さが極端に短くてチャイルドシートを固定できない
- 座席シートベルトが座席の中間から出ていてチャイルドシートを固定できない
- 座席に極端な凹凸がありチャイルドシートを設置すると不安定になる
- 座席シートベルトの取付け幅が狭い(36cm未満)
他にも幼稚園の送迎バスのように、
座席が幼児専用シートになっている幼児専用車も、
チャイルドシートを取り付けることができないので免除されます。
2.乗車人数が多く、子供の人数分固定できない場合。
すでに説明をしているのでここでは解説を省略します。
12歳未満の子供の場合は3人で大人2人分されるので、
通常の乗車人数よりも多くの人が乗れるものの、
チャイルドシートは可能な限り多く付けることが前提となっています。
ただ繰り返しになりますが、助手席のチャイルドシート設置は、
チャイルドシートのメーカーは推奨していないので、
5人乗りの車だとチャイルドシートは最大2台まで、
7人乗り、8人乗りの車だとチャイルドシートは最大4台まで、
という風に考えられます。
3.負傷や怪我などの療養上、使用が適さない場合。
チャイルドシートの必要な子供がケガや病気をしていたり、
肢体の障害を持っていたりして、
チャイルドシートの装着が困難な場合には、
チャイルドシートの設置が免除されます。
見た目では判断しにくいものの、たとえば
アトピー性皮膚炎のように、間接的・直接的にかかわらず、
チャイルドシートのベルトが当たると症状が悪化してしまう危険があったり、
子供が痛みやかゆみを訴えるような場合も、
チャイルドシートの設置は免除される可能性があります。
4.著しい肥満などの身体的理由から使用できない場合。
ジュニアシートも含めてチャイルドシートは6歳まで使用義務があるものの、
子供の発育が著しくて身体がチャイルドシートに合わないケースも、
チャイルドシートの設置は免除されます。
6歳未満であっても座席シートベルトで
身体をしっかりと固定することができれば。
チャイルドシートの使用義務は免除されます。
ただ、子供の体型に合わせて座れるチャイルドシートがあれば、
大きめのチャイルドシートを用意したほうが良いんじゃないでしょうか。
5.シートに乗せたままでは授乳等の世話ができない場合。
車を走行中、授乳やおむつ交換などのお世話が必要な場合には、
チャイルドシートは免除されます。
ただ実際には、ケースバイケースの判断になるようで、
赤ちゃんのお世話をしていたとしても、違反と見なされるケースがあるようです。
授乳やおむつ交換など赤ちゃんのお世話をするのであれば、
車をいったん停車させてからの方が良さそうです。
6.バスやタクシーに乗客として乗る場合。
バスやタクシーに乗るのであれば、
そのバス・タクシーにチャイルドシートが用意されていない場合、
チャイルドシート着用が免除されます。
※タクシー会社によっては予約(配車)の際に、
事前連絡をすればチャイルドシートを用意してくれることもあるそうです
それに対して、自分でレンタカーでマイクロバスを借りて、
自分たちで運転する場合には基本的にチャイルドシートの設置義務があります。
3点式シートベルトではなくて2点式シートベルトだったりして、
構造的にチャイルドシートの設置ができない場合には免除されます。
7.国交省の許可を得た特定非営利活動法人等が人の運送を行う場合。
道路運送法第80条第1項ただし書の規定による
許可を受けた人・団体が該当します。
8.応急救護のために医療機関や官公署等へ緊急搬送する場合。
迷子の子どもを保護して警察署まで車で送るとか、
災害や他の緊急時などに保護した子供を安全なところまで車で送るといった場合にも、
チャイルドシートの設置義務が免除されます。
もしくは幼児が急病・になったものの、
深夜で公共交通機関が使えないといった緊急事態では、
チャイルドシートがなくても隣人に依頼して
自動車で病院に搬送してもらうことができます。
レンタカー会社のチャイルドカード対応状況
レンタカー会社によっては、
チャイルドシートの貸し出しを行っているところもあります。
- トヨタレンタリース
- 日産レンタカー
- オリックスレンタカー
- タイムズ
- ニッポンレンタカー
代表的なレンタカー会社のチャイルドシート対応状況を見ていきます。
いずれの会社でもチャイルドシートの設置は基本的に
利用者自身が行うこととされています。
トヨタレンタリース
レンタカー予約時にオプションでチャイルドシートも追加できます。
料金は
- 3日迄 525円
- 6日迄 1,050円
- 9日迄 1,575円
- 12日迄 2,100円
- 3日以降 2,625円
となっています。
ニッポンレンタカー
- 24時間まで 540円 ※3日目から同一料金の1,080円
- 10日まで 1,080円
- 20日まで 2,160円
- 1ヶ月まで 3,240円
レンタカー予約時にオプションでチャイルドシートも追加できます。
設置は自分でやらなければいけないとされているものの、
実際に利用する際は、あらかじめ
チャイルドシートが設置されていることが多いです。
日産レンタカー
1日につき 540円
オリックスレンタカー
レンタル1回につき1,080 円
オリックスレンタカーのゴールド・プラチナメンバーであれば、
チャイルドシートのレンタル料金が無料になります。
タイムズ
1回のレンタルにつき
ベビーシート・チャイルドシート 1,080円
ジュニアシート 540円
となっています。
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