チャイルドシートはどこに設置するのが安全かと言われると、
一般的には、運転席の後ろが良いと言われています。
後部座席よりも助手席の方が危ない!と言われるものの、
実際の事故時の死亡率は実は後部座席のほうが高いという調査結果があります。
さらに事故の件数が多いのが「駐停車中の追突」なので、
後部座席は必ずしも安全とは言い切れません。
ただしシートベルト着用時の「致死率」で考えた場合、
運転席・助手席・後部座席の中で最も数値が低いのは後部座席です。
チャイルドシートをしっかり正しく座席に固定した上で、
子供がチャイルドシートの肩ベルトをキチンと装着していれば、
後部座席に座らせるのが良さそうです。
また、運転席の後ろかそれとも助手席の後ろかという問題に関しては、
運転する人もしくは赤ちゃんのお世話をする人にとって、
便利な方を選べばよいでしょう。
大人一人・子供一人で移動するケースが多いのであれば、
チャイルドシートは運転席の後ろに設置をしたほうが、
運転手の移動が少なくて済みます。
助手席側の後部座席にチャイルドシートを設置するメリットは、
車を路上に停車させて子供を乗せ降ろしする際、
子供を歩道側にに寄せることができるので安全を確保しやすいことです。
チャイルドシートは運転席の後ろが安全?
交通事故のパターンを見てみると、
- 正面衝突
- 駐停車中の追突
- 出会い頭
- 右折時の衝突
- 左折時の衝突
というのがあり、この中で交通事故件数が最も多いのは
「駐停車中の追突」で、特に後ろから追突されるケースが多くなります。
続いて
- 出会い頭
- 右折時の衝突
- 左折時の衝突
- 正面衝突
といった順番で交通事故の件数が多くなっています。
駐停車中に後ろから追突されるケースが多いわけですから、
車に加わる衝撃を考えると助手席よりも後部座席の方が、
チャイルドシートに乗せた子供のダメージは大きくなりそうです。
もう一つ「座席位置別致死率」という数値を調べてみると、
- 運転席 0.3
- 助手席 0.27
- 後部座席 0.36
となっていて、数値だけで判断すると、
交通事故の際、後部座席が最も致死率が高いことがわかります。
後部座席は安全ではなくて実は危険なのか?というと、
この数値は裏があって、シートベルト着用有無でガラッと変わります。
交通事故時の後部座席の致死率が高くなっているのは、
運転席・助手席に比べてシートベルト着用率が
極端に低いことが大きく影響しています。
先ほどの数値からシートベルト着用時の致死率を再計算すると、
- 運転席 0.18
- 助手席 0.2
- 後部座席 0.17
となります。
シートベルトをキチンと正しく装着してさえいれば、
どの座席に座っていても危険度はそれほど変わりません。
チャイルドシートメーカーは後部座席を推奨
エールべべやコンビ、日本育児などのチャイルドシートメーカーでも
後部座席の設置を推奨しています。
助手席だとダッシュボードにエアバッグが装着されていますが、
チャイルドシートの構造上、エアバッグの衝撃は想定していないからです。
また、チャイルドシートを固定できる規格に「ISOFIX」がありますが、
たいていの車種ではISOFIXに対応しているのは後部座席のみで、
助手席にISOFIXが設置されている車種はほとんどありません。
こうした点から考えても、チャイルドシートを設置するのであれば、
後部座席にするのが無難と言えるでしょう。
根本的にチャイルドシートを後ろ向きに設置しなければいけない
新生児用のベビーシートは、助手席設置がNGなので、
後部座席に設置しなければいけません。
助手席の後ろにチャイルドシートはダメ?
JAFからも最も安全なチャイルドシートの座席位置は、
運転席の真後ろですという発表されています。
追記URL
専門家が車で安全な席と即答するのは「運転席の真後ろ」
乗用車の場合、いちばん安全な座席はどこか。JAF(日本自動車連盟)の情報誌『JAF Mate』の鳥塚俊洋編集長「運転席の真後ろです」と即答する。
では助手席の後ろの後部座席に
チャイルドシートを設置してはいけないのかというと、
決してそういうわけではありません。
後部座席であれば、運転席の後ろでも助手席の後ろでも、
交通事故時の安全性にはそれほど差はないようです。
チャイルドシートを運転席の後ろか助手席の後ろか
どちらに設置するのかは、
自分の使い勝手・利便性で判断して良いです。
運転席後ろの後部座席にチャイルドシートを設置するメリットは、
運転手さんが子供のお世話をしやすくなること。
子供をチャイルドシートに乗せたり降ろしたりするときに、
反対側まで回り込む手間がなくなります。
大人一人で子供1人を見なければいけないような、
ワンオペ状態であれば運転席後ろの後部座席に
チャイルドシートを設置するのがよいでしょう。
大人二人であれば、助手席側の後ろの後部座席に、
チャイルドシートを設置するメリットがあります。
車を路上に駐車させたりして子供を乗せ降ろしする場合、
車道側よりも安全な歩道側で作業ができるので安心です。
後部座席真ん中にチャイルドシート設置は?
後部座席の真ん中は基本的に
チャイルドシートの設置はできないと思ったほうが良いです。
チャイルドシートは3点式シートベルトで座席に固定するものの、
後部座席の真ん中は2点式シートベルトの車種がほとんど。
チャイルドシートは固定できないものの、
背もたれのないジュニアシートであれば、
2点式シートベルトでも固定できるので
後部座席真ん中に設置できます。
チャイルドシートの有無に限らず安全運転が大切!
暴走車や逆走車などの違反車に車をぶつけられて
衝突事故が起きてしまうことはあるけれど、少なくとも、
自分が加害者となるような交通事故は避けたいもの。
チャイルドシートの有無に限らず
日頃の安全運転が大切になるわけですが、
安全運転のポイントとしては、
- 安全速度を必ず守る
- カーブの手前でスピードを落とす
- 交差点では必ず安全を確かめる
- 一時停止で横断歩行者の安全を守る
といったものがあります。
安全速度を必ず守る
法定速度や制限速度を守ることはもちろんとして、
雨や霧、吹雪といった悪天候時には道路状況に合わせて
「安全に走行できる速度」で運転しなければいけません。
道幅の狭い道路・見通しの悪い道路なども、安全速度を守るべきだし、
児童学生が登下校する通学路や、高齢者がよく利用する病院付近でも、
速度には抑えるべきです。
車のスピードが速くなればなるほど当然、
ブレーキを踏んでからの制動距離が延び、
停止距離は長くなります。
一般に時速40Kmで急ブレーキをかけても停止距離は22メートル、
時速60Kmになると停止距離は44メートルまで伸びます。
その間、わずか数秒しかないので、
安全速度を必ず守るようにしましょう。
カーブの手前でスピードを落とす
カーブを走行する際は遠心力が働きます。
スピードが速くなればなるほど遠心力が大きくなり、
車体やドライバーはカーブと反対側に押し出されます。
対向車線にはみ出したり、
角を曲がり切れなかったりといった事故につながりますし、
カーブ内でフッとブレーキで減速してしまうと、
横転や横滑りを起きやすくなります。
カーブは見通しの悪いところが多く危険なケースが多いので、
前にクルマがある場合は車間距離を十分に確保して、
先行車が減速しても追突しないように気を付けましょう。
カーブでの事故を避けるためには、
カーブの手前で十分スピードを落とすほか、
カーブ内で減速する場合はエンジンブレーキを使うようにしましょう。
カーブでは追い越しはしないのは当然として、
常に対向車も意識して一定のスピードで走るように心がけましょう。
交差点では必ず安全を確かめる
交通事故が最も起こりやすい場所が交差点で、
- 出会い頭衝突事故
- 右左折時の側面衝突事故
- 左折時の巻き込み事故
- 追突事故
さまざまなパターンの交通事故が起きやすくなっています。
信号のない一時停止の道路標識・標示を見落とすことなく正しく守り、
左折時には、左側からロードバイクや原付バイクがすり抜けてこないか確認。
右折する際は、対向車だけではなくて向こう側の横断歩道に
歩行者・自転車が以内かどうかを確認しましょう。
一時停止で横断歩行者の安全を守る
信号のない横断歩道であっても歩行者がいる場合には、
一時停止することになっています。
横断歩行者付近で多く見られる事故には、
下記のようなものがあります。
- 横断歩道やその手前の自転車・バイクの追抜き
- バスの陰からのお年寄りの横断歩道の横断
- 駐停車中の車両の陰から横断歩道の横断
- 母親や友達の姿を見た子供が横断歩道の横断
- 対向車の通過直後の横断歩道の横断
コメント