2015年にアメリカで150年脱獄なしのクリントン刑務所(Clinton Correctional Facility)から殺人犯2人が逃走する事件が発生。
この脱獄事件は受刑者と職員の恋愛関係が発端となって起きたことで知られています。
クリントン刑務所の脱獄事件|デービッド・スウェット,リチャード・マット
2015年にニューヨーク州ダニモーラにあるクリントン刑務所でデービッド・スウェット受刑者(David Sweat)とリチャード・マット受刑者(Richard Matt)が脱獄する事件が発生。
デービッド・スウェット受刑者は殺人罪で禁錮25年以上の実刑判決を受け、リチャード・マット受刑者は保安官代理を殺害したとして終身刑で有罪判決を受けて服役中でした
ベッドに衣服を盛り、見回りに来る警備員に寝ているように偽装工作すると、房室の壁に電動ドリルを使って穴を開けると下水道まで穴を開通させます。
その後は鉄製の壁を排気用のパイプをつたって破って迷路のようなトンネルを抜け、「よい一日を!」と書き残して刑務所から脱獄し行方をくらませました。
クリントン刑務所は1845年に開設されて以来170年、厳重な警備体制が敷かれ脱獄者を一人も出さなかった刑務所。
約3000人の受刑者がいる州内最大の刑務所でしたが、警察は大規模な捜索活動を展開し、2人を追いかけます。
2人は脱獄した後、しばらく一緒に行動しますが、49歳のマット受刑者の体力の衰えが目立ち、逃走の妨げになったため、スウェット受刑者が約5日前に単独行動を開始
リチャード・マット受刑者はその後、ニューヨーク州の刑務所の北西約40キロの森林地帯・カナダ国境近くで住民から通報により山小屋に潜んでいたところ武装していたため米警察当局が射殺。
デービッド・スウェット受刑者もカナダ国境まで約3キロのコンスタブルで拘束されます。
デヴィッドとリチャードは脱獄事件発覚の半年も前から計画をしており、脱獄後の逃走ルートまでを考えていた緻密なものだったようですが、この脱獄事件の裏にはジョイス・ミッチェルという女看守が裏で糸をひいていたことが分かっている。
クリントン刑務所の脱獄事件|ジョイス・ミッチェル
ジョイス・ミッチェルはクリントン刑務所で衣類を仕立てる作業場に勤務していた50歳代の看守。
脱獄犯のリチャードとデヴィッドと男女関係があったということで脱獄計画では、冷凍肉に忍ばせて弓のこの刃、ドリル、照明が付いた眼鏡2個などを渡したとして脱獄ほう助などの疑いで逮捕されています。
ジョイス・ミッチェル容疑者は2人が脱獄に成功した後、車で東隣のバーモント州を経由してメキシコに連れて行く約束をしていたが、怖くなって逃亡。
逃亡を手助けするはずだったジョイス・ミッチェルが計画を放棄したため、デヴィッド・スウェットとリチャード・マットは徒歩でカナダに北上する羽目になったようです。
クリントン刑務所の脱獄事件|ジョイス・ミッチェル,デービッド・スウェット,リチャード・マット
ジョイス・ミッチェルは過去には浮気が元で離婚をしており、事件当時は2人目の旦那と供に暮らしていたそうです。
結局、ジョイス・ミッチェルもクリントン刑務所の脱獄事件に関わった共犯者として、逮捕されて7年の懲役刑に服することになりますが、2番目の夫のライル・ミッチェルは、離婚せずに待ち続けています。
ただもし、デヴィッド・スウェットとリチャード・マットの脱獄・逃走が成功していた場合、ジョイスの旦那のライルを始末するという計画もあったようです。