コーヒーを作って時間が経つと酸化してあまり体に良くない、悪いというのは本当なんでしょうか?
コーヒーをおいしく飲むには常温の作り置きで何時間もつ?
コーヒー 時間が経つと酸化して体に悪い?
コーヒーを常温以上で保温しつづけると色素の酸化重合や過酸化水素などのフリーラジカル(活性酸素)の生成がおきるとされています。
フリーラジカル(活性酸素)と健康との関係についての研究報告は十分ではないものの、現状ではコーヒーの酸化と「コーヒーはアルカリ性飲料」とを結びつけて
「新しいコーヒー=アルカリ性で体にいい」
「古いコーヒー=酸化=『酸』化=体に悪い」
として、時間が経ったコーヒーは体に悪いのでは?と考える人もいるようです。
ただ物質が酸化することと液体が酸性化することとは必ずしも一致するわけではありません。
また、酸性・アルカリ性で健康への影響を説明することには医学的な根拠がありません。
時間が経ったコーヒーが酸っぱくなるのは酸化するからで、酸化した食べ物はコーヒーだろうが何だろうが体に悪い!という説明は科学的な根拠があるとは言えません。
酸性だとしても、胃液はほとんどが強酸に入る塩酸なので健康との関係性は乏しいものがあります。
ただもちろん、フリーラジカル(活性酸素)については体にどんな影響があるかどうかはわからないので、酸化したコーヒーが体に良くないということを完全に否定できるわけではありません。
ちなみにフリ-ラジカルとは「不対電子をもっているために、他の分子から電子を奪い取る力が高まっている原子や分子。イオンよりも活性度が高く、分子を引き離したりして、生細胞を完全に破壊してしまうことがあります。また、他の分子と結合して、新しい物質を生み出したりもします。これが、細胞にとっての異物となり、潜在的に危険な存在となります。」ということで、少なくとも体には良いと言えそうにありません。
逆に、コーヒーに含まれるクロロゲン酸がフリーラジカル(活性酸素)の生成を阻害するという仕組みが明らかにされています。
コーヒーには強い抗酸化作用を持つ「クロロゲン酸」等のポリフェノールが含まれており、脂質の酸化を抑える働きがあることが分かってきました。 実験により、コーヒーに含まれるクロロゲン酸がフリーラジカルの生成を阻害するという仕組みを明らかになりました。
http://www.katocoffee.com/agca/health/q05.htm
コーヒー常温の作り置きで何時間もつ?
コーヒーをおいしく飲むにはなるべく早く飲んだほうが良いのは間違いありません。
時間がたつと酸化現象が進んで濁るし酸っぱくなります。
また、温度によって舌が感じる味が違うので常温で放置するなら少なくともコーヒーメーカーで作り保温するのが良いでしょう。
舌の感度(甘み・苦味・酸味・うま味・塩味などの感じ方)は大体25~40℃位で最も高く(敏感に)なる事が分かっています
余り良くない豆だとそれほど時間が経過していなくても酸化をして不味くなります。
上質なコーヒーだと、冷めても味が変わらずに美味しいものや、温度でどんどん味が変化して色々な美味しさを楽しめるものがあります。
味が変わるというよりは、「熱に隠れていた味が温度が下がると主張し始める」の方が表現は正しいかもしれません。
ホットならば、「暖かいうちに」というのが正しいでしょうから、そうなると、10分から15分程度が限度でしょうか。
高温のお湯で殺菌されてるし、直接口つけて飲むわけでもなければ、作り置きで温めのコーヒーでも1時間程度であれば風味をそこまで損なわずに飲めるでしょう。
飲めるか飲めないかなら数日は大丈夫です。
旨いか旨くないかなら、当日が精一杯で、すつかり美味しくなくなってしまいます。
最初からアイスコーヒーにする場合は、ドリップしたコーヒーを氷水につけ急冷しますが、こうすると酸化しにくくなるので、2日くらいはもつかも知れません。
味を気にしないのであれば、3日程度たっても飲めないことは無いと思いますよ。
ただ、牛乳も砂糖も入れてしまったり、エアコンのない室内の常温で放置していた場合には話は別です。
牛乳は、非常に腐敗しやすい飲料なので、長時間常温で置くのは非常に危険です。
最大でも2~3時間で消費すべきものです。
特に梅雨の時期は、常温で1日保存するのはやめたほうが良いでしょう。
たとえば、手の皮膚に常在している黄色ブドウ球菌は約30分で1個から2個に分裂します。
24時間だと、2の48乗個≒2.8×10の14乗個という膨大な数になり、腸炎を起こす可能性があります。
下記のような場合は、さらに腐るのが早くなるので注意が必要です。
牛乳を加える(牛乳のたんぱく質を栄養源として細菌がぐんぐん増殖)
缶コーヒーやペットボトルに口をつけた後に常温で放置
夏場で温度が高い場所に放置