ドラマ「潜水艦カッペリーニ号の冒険」は実在した同名の潜水艦「コマンダンテ・カッペリーニ (Comandante Cappellini) 」がモデルとなっています。
イタリア、ドイツ、日本の枢軸三カ国すべての海軍に所属した潜水艦カッペリーニ号（伊503）の結末は？その後はどうなるんでしょうか？
ドラマ「潜水艦カッペリーニ号の冒険」までの経緯
潜水艦「コマンダンテ・カッペリーニ (Comandante Cappellini) 」は1939年（昭和14年）9月にイタリア海軍の潜水艦として、就役し、まず大西洋方面で作戦に従事し、連合国の商船を5隻撃沈した。
イタリア・オデロ・テルニ・オルランド社（現・現OTOメラーラ社）で建造され、
【要目（コマンダンテ・カッペリーニ・就役時）】
排水量（水上）：1,060トン、（水中）：1,313トン、全長：73.10ｍ、最大幅：8.15ｍ、吃水：5.12ｍ
機関：フィアット式ディーゼル機関×２、軸数：２、乗員数：60名
出力：（水上）3,000馬力、（水中）1,300馬力、速力：（水上）17.4ノット、（水中）8.0ノット
兵装：10cm45口径単装砲×２、53cm魚雷発射管×８（魚雷12本）
※出典：世界の艦船「日本潜水艦史」増刊第37集、No.469、1993年８月、海人社、P94
マルチェロ級の潜水艦は、イタリア海軍が1935年から多数整備した近海用潜水艦の系列に属する航洋型潜水艦で、潜水艦カッペリーニ号も昭和10年頃からイタリア海軍が量産した近海用潜水艦のうちの１艦です。
当初は地中海に配備されたが、1940年9月には大西洋での任務についた。
1941年（昭和16年）1月5日には現シエラレオネ共和国・の首都であるフリータウン沖でイギリスの貨物船「シェイクスピア」9日後の１月14日には武装商船「ユーミーアス」を沈めた。また、英貨物船「ミゲル・デ・ラリネガ」（Miguel de Larrinaga、5,231トン）に損傷を与える戦果を挙げています。
1942年9月、西アフリカ沖で起きたラコニア号事件では救助活動に加わっています。
1943年（昭和18年）初頭に、伊独両国の同盟国である大日本帝国が進出した蘭印・仏印等占領地とドイツの占領地間の輸送用に貨物が搭載できるよう輸送任務用に改造されます。
昭和18年5月11に潜水艦カッペリーニ号は生ゴム、錫、タングステンといった物資を積んでドイツ占領下のフランス・ボルドーのBETASOM基地から極東へ向かい出港。
イタリア海軍の手で回航され7月9日にサバンに着き、翌日シンガポールに入港します。
8月22日にヨーロッパへ向けて出港予定であったが、出港は日本側によって妨げられています。そのため、8月末にシンガポールを出港し、9月8日にサバンに着いたとも言われています。
ところが1943年9月9日にイタリアは降伏し枢軸陣営から脱落したことに伴い、9月12日のイタリアと連合国の講和後に日本側によって潜水艦カッペリーニ号は接収されることになります。
ただ、潜水艦カッペリーニ号の運航は連合国への降伏に反発するサロ政権側に着いたイタリア海軍兵が引き続き任務にあたっていました。
日本は接収した潜水艦カッペリーニ号をドイツ海軍に譲渡し、同艦はUIT24と名を改められます。
1944年2月には、フランスに戻るためインド洋に進出したものの、燃料補給の任に当たるドイツのタンカーがイギリス駆逐艦に撃沈されたため、作戦は中止となり極東に引き返している。
1945年5月にドイツが降伏すると今度は日本の潜水艦伊号第五百三潜水艦（いごうだいごひゃくさんせんすいかん）となります。
ドラマ「潜水艦カッペリーニ号の冒険」結末ネタバレ！その後は？
1943年（昭和18年）9月のイタリア降伏後、日本海軍に接収されドイツ海軍に引き渡されUIT24と命名された。ドイツ海軍についたが、サロ政権側に着いたイタリア海軍兵が引き続き任務にあたった。「UIT24」と「UIT25」（旧「ルイージ・トレッリ」）はヨーロッパへ向かおうとしたものの、途中での故障発生により断念された[10]。その後は日本とマレー間での輸送任務に従事した[11]。
その後の1945年（昭和20年）5月、三菱神戸造船所で整備中にドイツの降伏により接収され、潜水艦カッペリーニ号は『伊号第五百三潜水艦』と改名されています。
1945年7月15日に日本海軍に編入され、伊五百一型の3番艦、呉鎮守府籍の特殊警備潜水艦に定められ、潜水艦カッペリーニ号は呉鎮守府部隊付属となった。
1945年8月の日本の敗戦後には、日本を占領下に置いた連合国の手に落ち、軍備解除を受けて1946年（昭和21年）4月に紀伊水道で海没処分された。
日本艦時代にも2隻の旧イタリア潜水艦には残っていたイタリア人がおり、脱走兵と裏切り者扱いされていた彼らは戦後も日本に残ったと言われています。。
