子供を持つ親であれば誰もが通過しなければいけないのが、
電車やバス、施設内などでギャン泣きする子供を何とかしてなだめすかすこと。
最初はちょっとしたボタンの掛け違いだったのかもしれませんが、
子供は泣けば泣くほどどんどん訳が分からなくなって、途中からは何で泣いているのか、
おそらくは自分でも良くわからないほどパニック的状況に陥っています。
子供のギャン泣きが何を言っても収まらない場合のためにあえて子供を無視するのも有効な手段の一つで、
「クールダウンお知らせカード」が提案され、ネットでは物議を醸しだしています。
クールダウンお知らせカードとは?使い方は?
電車に乗って移動している最中やお店の中で買い物・食事をしているときに、
子供が泣き止まなくなったら外に連れ出して人が少ないところで様子を見る、
というのはたいていの親がやる行動パターンじゃないかと思います。
「新幹線も一時間泣いていて、やむを得ずに抱っこしてずっとデッキで立っていた」
なんていう体験談は、ほとんどの親は経験があるんじゃないかと思います。
生まれながらの子供の性格として、いつ癇癪やパニックになるかわからない子もいて、
さらにギャン泣きを始めると何か取り付いたかのように反り返って暴れまくったり。
親でも手におえないケースというのは実際に起こりうるわけで、そういった状況で
有効な手段になってくるのが「安全を確保してそっとしておく」こと。
ただ悲しいことに、他人の目には決して良く見えるわけではありません。
自分自身は子供の様子に神経を100%集中させて見守っているものの、
「育児放棄?」「しつけするつもりが無い?」と白い目で見られて、
胃がキリキリと痛い思いをすることになります。
こうした親のストレスを軽減させるために考案されたのが「クールダウンお知らせカード」で、
「ご迷惑をおかけしております」
「パニックを抑えるためクールダウン中です。触れたり話しかけるとパニックが悪化します。どうか見守っていただきますようお願い致します」
といった注意書きで周囲に理解を求められるようになっています。
クールダウンお知らせカードは必要なし?不要か?
クールダウンお知らせカードを考案したのは、
実際に子供のギャン泣きと周囲の冷たい視線を経験した
イラストレーターで3人の子どもの母であるたきれい(@kumokun8)さん。
インスタグラムに自身の体験と共にクールダウンお知らせカードを公開するや否や、
賛同する声が多数よせられています。
長い時間のクールダウンが必要になってしまったせいで、
お出かけの予定が随分とキャンセルになってしまった方などから、
「もっと早く欲しかった!」という声が相次いでいます。
その反面、やっぱり
「公共の場でギャン泣きしてる子供を放置しておいていいのか?」
と、クールダウンお知らせカードの必要性について、疑問を感じる人もいます。
個人的には後で触れる通り悪用されない限りで、
クールダウンお知らせカードはあったほうが良いと感じます。
「親の手におえない子をそもそも公共の場に連れて行くな!」という厳しい意見もありそうですが、
病気の通院だったりでやむを得ず、公共機関を使わなければいけないケースもあり得ます。
親だって、ギャン泣きする心配の強い子供を好き好んで、
公共の場に連れて行きたいわけじゃありません。
わざわざ周囲に迷惑をかけるために子供を連れだしているわけじゃないことを、
少しでも理解してあげる必要があるんじゃないかと思います。
自分から言い出しにくいことなので、周囲にそっと知らせて理解してもらう意味で、
クールダウンお知らせカードは必要だと思います。
クールダウンお知らせカードの悪用が心配
たきれいさんの「クールダウンお知らせカード」のツイッターの投稿では、
認知行動療法的な視点から
発達障害のない子どもでも、
『騒いでも相手にされない』
『大騒ぎしても親は思い通りに動かない』
とわからせることが、認知行動の観点では大切というコメントも寄せられています。
見た目は普通の子供と変わりはなくても、
事情を抱えている親子がいるということを知らせる意味では、
クールダウンお知らせカードの必要性はあると考えて良いでしょう。
ただ個人的に心配なのはクールダウンお知らせカードを
「免罪符」のように使われてしまうこと。
本当は言って聞かせればわかる子供なのに、親が本当に育児放棄なり、
自分のことしか考えていないような状況で「クールダウンお知らせカード」を持ち出されること。
クールダウンお知らせカードに関してはガイドラインの制定が難しい気もします。
個人的には、「クールダウンお知らせカード」ようなものこそ、国会なりできちんと議論してルール整備する必要があると思うんですよね。
子育て支援策を充実させるというのであれば、こうした草の根的な親のストレス・負担を軽減させることも必要だと感じます。