銅と熱濃硫酸の反応式は高校の化学基礎で出題されることが多い問題。
「熱濃硫酸に銅板をいれた時の反応式を示せ」といった問題ではそれぞれの半反応式を覚えておくことが解答のコツとなります。
銅と熱濃硫酸の反応式の覚え方は?高校化学基礎
銅と(熱)濃硫酸の半反応式は覚えておいて損はありません。
(熱)濃硫酸が酸化剤だから銅は還元剤として働く
⇔銅は酸化される。
なので銅は電子を失う反応式をかけば良いので銅に関しては覚えなくてもいいです。
銅は希硫酸には溶けなくって(イオン化傾向H>Cu)反応も起こりません。
ですが熱を加えた熱濃硫酸は強い酸化性を持ち、銅と酸化還元反応ができる、ということになります。
・銅と希硫酸は酸・塩基反応が起こらず、反応しない。
・銅と熱濃硫酸は酸化還元反応が起きて反応する。
・銅は2価のイオンになる
・熱濃硫酸は二酸化硫黄になる
という点を覚えておくと、あとは銀と濃硝酸など多くの物質に共通した覚え方ができます
一応、それぞれの半反応式から反応式の作り方
濃硫酸:H2SO4 + 2H+ + 2e- →SO2 + 2H2O
銅:Cu→Cu2+ + 2e-
それぞれの電子の数があっているからそのまま筆算すると
Cu + H2SO4 + 2H+ →Cu2+ + SO2 + 2H2O
H+は硫酸からきたものなので硫酸イオンを足すと反応式は
Cu +2H2SO4 → CuSO4 +2H2O +SO2↑
となります。
*二酸化硫黄の実験的製法です。
ちなみに、酸化数を調べても分かる通り、酸化還元反応なので、銅の代わりに銀を用いることもあります。
H2SO4 +2H+ +2e- → SO2 +2H2O ・・・(1)
Cu → Cu2+ +2e- ・・・(2)
で、(1)+(2)の両辺にSO42-を加えれば作れます。
ここまでの話をきちんと理解するためには
イオン化傾向
イオン化列
半反応式
についても抑えておきましょう。
二酸化硫黄(SO2)は、亜硫酸ガスとも呼ばれ、無色・刺激臭の有毒な気体で、その水溶液は弱酸性を示します。
還元作用がありますが、強い還元剤である硫化水素に対しては酸化剤として働きます
酸化力の強さは
KMnO4,K2Cr2O7 > H2O2 > (その他の物質) > SO2 > H2S
です。
自分より酸化力の強いものに対しては還元剤として働くというわけです。
より正確に言うと、硫化水素の硫黄原子は 硫黄の最低酸化数である-2をとるので、硫化水素が酸化剤として働くことはありません。
弱酸遊離反応の1つで
(弱酸の塩)+(強酸) → (強酸の塩)+(弱酸)
という仕組みです。
要は 簡単に言えば、酸として強いものから優先的に塩になるってことです。