化学基礎の電離度の求め方は?
a=電離している酸(塩基)の物質量÷溶けている酸(塩基)の物質量 (0<a≦1)
ですが、この「電離した電解質」と「溶解した電解質」というのが何を指しているのでしょうか?
電離度の求め方|溶解した電解質(酸・塩基の物質量)とは?
電離度とは、物質が溶液中でイオンに分解する割合を表す指標です。電離度が高いほど、溶液中にイオンが多く存在します。
■電離度の求め方
電解質の電離度の求め方は、以下の式で計算できます。
電離度 = 解離した電解質の濃度 / 溶解した電解質の濃度
例えば、酢酸の濃度が0.1mol/Lの水溶液で、解離した酢酸の濃度が0.01mol/Lの場合、電離度は以下のようになります。
電離度 = 0.01mol/L / 0.1mol/L
= 0.1
つまり、この水溶液では、酢酸の10%が電離していることになります。
非電解質の電離度の求め方
非電解質の電離度は、溶液中にイオンが存在しないため、0となります。
酢酸の電離度の求め方
酢酸の電離度の求め方は、以下の式で計算できます。
電離度 = (解離した酢酸の濃度) / (解離した酢酸の濃度 + 解離していない酢酸の濃度)
解離した酢酸の濃度は、酢酸の濃度と電離度から計算できます。
解離した酢酸の濃度 = 酢酸の濃度 * 電離度
また、解離していない酢酸の濃度は、酢酸の濃度と電離度から計算できます。
解離していない酢酸の濃度 = 酢酸の濃度 – 解離した酢酸の濃度
例えば、酢酸の濃度が0.1mol/Lで、電離度が0.1の場合、解離した酢酸の濃度と解離していない酢酸の濃度は以下のようになります。
解離した酢酸の濃度 = 0.1mol/L * 0.1
= 0.01mol/L
解離していない酢酸の濃度 = 0.1mol/L – 0.01mol/L
= 0.09mol/L
したがって、この水溶液では、酢酸の10%が電離していることになります。
塩基の電離度の求め方
塩基の電離度の求め方は、以下の式で計算できます。
電離度 = 溶解度 / 元の塩基の濃度
溶解度は、塩基が水に溶ける量を指します。元の塩基の濃度は、塩基の元の濃度を示します。
例えば、濃度が0.1mol/Lの水酸化ナトリウム(NaOH)の電離度を求める場合、溶解度と元の濃度を入れて計算します。
電離度 = 溶解度 / 元の塩基の濃度
= 1mol/L / 0.1mol/L
= 10
つまり、この水溶液では、水酸化ナトリウムは完全に電離していることになります。
酸の電離度と塩基の電離度の違い
酸と塩基は、それぞれ水溶液中で水素イオン(H+)を生成し、水酸化物イオン(OH-)を生成します。この電離の度合いを表すのが電離度です。
酸の電離度が高いほど強い酸であり、塩基の電離度が高いほど強い塩基となります。
例えば、酢酸は弱酸であり、水溶液中で僅かな量しか電離しません。一方、含水酸化ナトリウムは強塩基であり、水溶液中で完全にイオン化します。このように、酸と塩基の電離度は対応しています。
酢酸の電離度の求め方
電離度 (α) は、解離した酢酸の濃度と解離していない酢酸の濃度を用いて以下の式で求められます。
α = 解離した酢酸の濃度 / (解離した酢酸の濃度 + 解離していない酢酸の濃度)
■具体的な計算例
問題: pHが3.0の酢酸水溶液を20mL取り、0.10mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液で中和滴定したところ、11mLを要しました。このとき、酢酸分子1000個当たり、電離している個数は?
酢酸水溶液のモル濃度 (c) の計算
c = (0.10 mol/L × (11/1000) L × 1) / (20/1000)
電離度 (α) の計算
α = 1.0 × 10^(-3) mol/L / 0.055 mol/L
電離している個数の計算
求める個数 = 1000 × 0.0181
計算結果: 電離度 (α) は約0.0181であり、求める電離している個数は約18個です。
まとめ:電離度の求め方|溶解した電解質(酸・塩基の物質量)とは?
電離度は、物質が溶液中でイオンに分解する程度を示す指標です。電離度は、電解質の場合と非電解質の場合で異なる求め方があります。
電解質は溶液中で完全にイオンに分解されるため、電離度は1に近づきます。具体的な計算は、溶液中のイオン濃度や種類に基づいて行います。
非電解質はイオンに分解せず、ほとんどが分子のまま存在するため、電離度はほぼ0に近い値となります。こちらは、濃度や物質量を考慮して求めることができます。