東野圭吾の「どちらかが彼女を殺した」の犯人は誰？
犯人が最後まで明かされないため、講談社ノベルスからの初版が出た直後、編集部に犯人が誰かについての問い合わせが殺到したそうですが、犯人は佃潤一？弓場佳世子？
どっちだったのでしょうか？
東野圭吾「どちらかが彼女を殺した」あらすじ
OLである和泉園子は、ある日路上で絵を売っていた佃潤一と恋に落ちる。しかし親友である弓場佳代子に潤一を紹介して数ヶ月が経ったある晩、潤一から別れを切り出される。潤一が佳代子に心変わりしたのが原因と知り、園子は深く絶望する。それから数日後、園子の兄康正は遺体となった妹を発見する。巧妙に自殺を偽装されていたものの肉親としての直感から他殺であると看破した康正は、自らの手で犯人に裁きを下すことを決意する。やがて潤一と佳代子に辿り着いた康正は確信する。潤一と佳代子、どちらかが彼女を殺した。
東野圭吾「どちらかが彼女を殺した」の犯人は誰？佃潤一？弓場佳世子？
東野圭吾の「どちらかが彼女を殺した」の犯人について、文庫化の際、袋綴じの解説がついたももの、ここでも犯人の名前は直接書かれていません。
「どちらかが彼女を殺した」の犯人は簡単に説明すると佃潤一です。でも、その理由を詳しく説明しましょう。
物語では、康正の妹の園子が殺され、それを解決するために探偵が事件を調べています。康正は、死んだ園子の指紋と睡眠薬の袋の位置から、犯人が右利きであることを見抜きます。でも、まだ具体的な犯人は分かりません。
その後、康正は佳世子をおびき出し、睡眠薬の袋を破らせます。佳世子がどちらの手を使って袋を破るかで、康正は犯人を見破ることができるのです。佳世子が左手で袋を破ったことから、康正は犯人が右利きであることを知ります。
ここで大切なのは、康正が潤一が右利きだと知っていることです。だからこそ、佳世子が左手で袋を破ったことで、康正は真犯人を特定できるのです。
つまり、康正が見破った通り、潤一が犯人であるという結論にたどり着くわけです。このようにして、康正と探偵が事件の謎を解いて、犯人を特定することができたのです。
東野圭吾「どちらかが彼女を殺した」の犯人の動機は？
佃潤一の動機は、園子が自分の大切な人であるためです。彼は園子と一緒に過ごすことを望んでおり、そのためには園子の兄である康正が邪魔だと感じていました。また、佳世子も園子に近づく存在であり、彼女が康正と関わることで園子との関係が深まることを嫌っていました。
具体的には、佃潤一は園子との関係を深めるために、康正を排除し、園子を自分だけのものにしようと考えていたとされています。そのために、感電自殺に見せかける偽装自殺を計画しました。睡眠薬を使用して園子を殺害し、その後に感電自殺に見せかけることで、康正の目を欺いて自分が園子の近くにいることを続けるつもりでした。
また、物語の中で佃潤一は、園子が自分に好意を抱いていることに気付いていました。このことも、彼の動機に影響を与えていた可能性があります。園子に好意を寄せられることで、彼女を手に入れるための行動に繋がったのかもしれません。
総じて言えば、佃潤一の動機は園子への執着と所有欲、そして彼女との関係を深めることへの欲望が組み合わさったものだったと言えるでしょう。
まとめ：東野圭吾「どちらかが彼女を殺した」の犯人は誰？
東野圭吾「どちらかが彼女を殺した」の犯人は佃潤一だと考えられますが、弓場佳世子だとミスリードさせる要因としては、
睡眠薬の袋の破り方
被害者との関係
証言の矛盾
睡眠薬の袋の指紋
加賀刑事の分析
総じて言えば、睡眠薬の袋の破り方や証言の矛盾、指紋の存在などから、佳世子が事件に何らかの関与がある可能性が疑われました。しかし、実際の事件の真相は複雑で、読者を惑わせる要素が多く絡んでいます。
睡眠薬の袋の破り方
初めに、被害者である康正の妹である園子の睡眠薬の袋の破り方が注目されました。康正はその破り方から、園子が左利きであることを知っており、彼女の死は自殺ではないと考えました。この情報が加賀刑事の関心を引き、佳世子が康正をだまして睡眠薬を飲ませた可能性を考える一因となりました。
被害者との関係
佳世子は康正の友人であり、康正の家に頻繁に出入りしていました。そのため、康正が自殺したときに現場にいた可能性があり、彼女が事件の目撃者として疑われました。また、康正の死後に園子と親しい関係になり、佳世子が康正の死に何か関与している可能性を考える材料となりました。
証言の矛盾
佳世子の証言には矛盾が見られました。彼女は事件の際に康正と一緒にいたと主張していましたが、その後の証言で彼女が実際には園子と一緒にいたことが判明しました。この矛盾が事件の真相を隠しているのではないかと疑われました。
睡眠薬の袋の指紋
事件現場には睡眠薬の袋が2つ残されており、そのうちの一つに佳世子の指紋が付着していました。このことから、佳世子が睡眠薬を使用して事件を起こした可能性が浮上しました。
加賀刑事の分析
加賀刑事は鑑識の分析結果を参照することができ、その分析によって佳世子の動きに痕跡が残っていることを突き止めました。特に、ゴミ箱から回収しようとした物品に痕跡が残っていたことが、佳世子が事件と関わりがある可能性を示唆しました。
