恵方巻きの食べ方について、切って食べてもいいのでしょうか?
食べにくいのであらかじめ切って食べてはダメなのでしょうか?
恵方巻きの食べ方
恵方巻きの食べ方について、縁を切らないよう包丁を入れずに丸ごと1本食べるのが正しいとされています。
[食べ方のルール]
●1:太巻きをひとりにつき1本準備する。
福を巻き込むことから巻き寿司。縁を切らないよう包丁を入れずに丸ごと1本。七福神にあやかり7種類の具が入った太巻きが望ましい。巻き寿司を鬼の金棒に見立て、それを退治する意味もあるらしい。
●2:恵方を向く
恵方とは、その年の歳徳神(としとくじん)の方角のことで、その年の最も良いとされる方角。
●3:願いごとをしながら、黙々と最後まで食べる
しゃべると運が逃げてしまうので、食べ終わるまでは絶対に口をきいてはいけません。
恵方巻きの食べ方|切ってもいい?切るとダメ?切って食べてもいいの?
恵方巻きの食べ方は節分の夜にその年の恵方(歳徳神の在する方位、今年は北北西)に向かって、目を閉じて願い事を思い浮かべながら太巻きをまるかぶり(関西方言で「まるかじり」の意)するのが習わしとされる。
食べている間は、無言でなければならないとされますが恵方巻に宗教的な根拠は全くありませんので、巻き寿司として普通に切って食べても全く問題ありません。
関西発祥の「風習」をもとに、東京で作ったのが恵方巻きです。
昔は関西にも恵方巻きはありませんでした。その風習があった時代よりも後でもです。
恵方を向いて巻き寿司を丸かぶりする、というところまでがせいぜい関西発祥と言える部分で、それを恵方巻きという造語で商品にしたのが東京のコンビニチェーンです。
だから現在恵方巻きと言っているものは丸かぶりに使うという最初の用途を離れて節分に食べる商品になっています。
だからハーフにされたりもっと小さく切られていたりします。
さらには寿司でさえないケーキやクレープや生春巻きにだってされているんです。
これらを「食べる」ことは開運にはつながらないでしょうが、節分の新しい行事食として食べる分には個人の好き好きでいいと思います。
まとめ:恵方巻きの食べ方|切ってもいい?切るとダメ?
大阪の一部の地域では大正時代頃から太巻きを食べる風習はあったようですが、記録として残っているものでは、昭和7年(1932年)に大阪鮓商組合が作ったチラシがもっとも古いようで、その後、昭和48年(1973年)頃に大阪海苔問屋協同組合が宣伝したこともあったようです。
恵方は歳徳神(頗梨采女・櫛稲田姫)のいる方角のことをいい、恵方が毎年変わるのは歳徳神が年ごとに居場所を変えるためとされます。
かつては恵方詣りといって正月に恵方にある神社仏閣に参拝する風習がありました。
恵方はその年の干支の「十干」によって次のように決まっています。
・甲(木の兄)の年とその5年後(己・土の弟)…甲の方角=東北東と東のあいだ
・丙(火の兄)の年とその5年後(辛・金の弟)…丙の方角=南南東と南のあいだ
・戊(土の兄)の年とその5年後(癸・水の弟)…丙の方角=南南東と南のあいだ
・庚(金の兄)の年とその5年後(乙・木の弟)…庚の方角=西南西と西のあいだ
・壬(水の兄)の年とその5年後(丁・火の弟)…壬の方角=北北西と北のあいだ
「十干」は10年周期ですので、
恵方はその年の西暦の下1桁と対応していることにもなります。
1巡目
・西暦の下1桁が4の年(甲の年)…甲の方角=東北東と東のあいだ
・西暦の下1桁が5の年(乙の年)…庚の方角=西南西と西のあいだ
・西暦の下1桁が6の年(丙の年)…丙の方角=南南東と南のあいだ
・西暦の下1桁が7の年(丁の年)…壬の方角=北北西と北のあいだ
・西暦の下1桁が8の年(戊の年)…丙の方角=南南東と南のあいだ
2巡目
・西暦の下1桁が9の年(己の年)…甲の方角=東北東と東のあいだ
・西暦の下1桁が0の年(庚の年)…庚の方角=西南西と西のあいだ
・西暦の下1桁が1の年(辛の年)…丙の方角=南南東と南のあいだ
・西暦の下1桁が2の年(壬の年)…壬の方角=北北西と北のあいだ
・西暦の下1桁が3の年(癸の年)…丙の方角=南南東と南のあいだ
参考:恵方巻きと方位について
■凶方位
凶方位というと、すぐに思い浮かぶのは鬼門と裏鬼門ではないでしょうか?
鬼門は艮(丑寅)の方角=北東(45度)、裏鬼門は坤(未申)の方角=南西(225度)です。
しかし、恵方が年ごとに変わるように、凶方位にも年ごとの凶方位があります。
「五黄殺」「暗剣殺」「歳破」とよばれるものが年ごとに変わる凶方位です。
歳破の配当規則
歳破はその年の干支の「十二支」によって次のように決まっています。
・子年(2020年など)…午の方角=南 (180度)
・丑年(2021年など)…未の方角=南南西微西 (210度)
・寅年(2022年など)…申の方角=西南西微南 (240度)
・卯年(2023年など)…酉の方角=西 (270度)
・辰年(2024年など)…戌の方角=西北西微北 (300度)
・巳年(2013年など)…亥の方角=北北西微西 (330度)
・午年(2014年など)…子の方角=北 (0度)
・未年(2015年など)…丑の方角=北北東微東 (30度)
・申年(2016年など)…寅の方角=東北東微北 (60度)
・酉年(2017年など)…卯の方角=東 (90度)
・戌年(2018年など)…辰の方角=東南東微南 (120度)
・亥年(2019年など)…巳の方角=南南東微東 (150度)
一言でいえば、その年の十二支の方角と逆の方角が歳破です。
■干支と旧暦の月(month)・季節
丑寅(艮)…………立春…鬼門
寅………… 1月…雨水
卯………… 2月…春分…青 青春
辰………… 3月…穀雨 春の土用(立夏前の18日)?春の節分
辰巳(巽)…………立夏
巳………… 4月…小満
午………… 5月…夏至…赤(朱) 朱夏
未………… 6月…大暑 夏の土用(立秋前の18日)?夏の節分 夏越しの祓
未申(坤)…………立秋…裏鬼門
申………… 7月…処暑
酉………… 8月…秋分…白 白秋
戌………… 9月…霜降 秋の土用(立冬前の18日)?秋の節分
戍亥(乾)…………立冬
亥…………10月…小雪
子…………11月…冬至…黒(玄) 玄冬
丑…………12月…大寒 冬の土用(立春前の18日)?冬の節分 年越しの祓・追儺(鬼やらい)
十二支のうち丑・辰・未・戌は五行の土に対応するともされています。
夏の土用の期間中、冬の土用に対応する丑の日に「う」のつくものを食べるという風習が、夏の土用の丑の日の「うなぎ」のルーツともいわれていますね。
また、立春は季節の鬼門にあたるため、その前日の冬の節分には豆を撒いて鬼を払います。
■干支と時刻
子…………23時?1時……0時…九つ
丑…………1時?3時 ……2時…八つ
丑寅(艮)………… 3時丁度……………鬼門
寅…………3時?5時 ……4時…七つ
卯…………5時?7時 ……6時…六つ
辰…………7時?9時 ……8時…五つ
辰巳(巽)………… 9時丁度
巳…………9時?11時 …10時…四つ
午…………11時?13時…12時…九つ
未…………13時?15時…14時…八つ
未申(坤)…………15時丁度……………裏鬼門
申…………15時?17時…16時…七つ
酉…………17時?19時…18時…六つ
戌…………19時?21時…20時…五つ
戍亥(乾)…………21時丁度
亥…………21時?23時…22時…四つ
例えば「午の刻」なら11時?13時の2時間という時間帯を指す場合と、その中心の12時という時刻を指す場合があります。
とくに中心の12時を指す場合には「正午」という言い方もありますね。
十二支で表わされる2時間を30分づつ4つに分けて一つ時・二つ時・三つ時・四つ時という言い方もあります。
例えば「丑の刻」の1時?3時を4つに分けた場合、
1時?1時30分…丑一つ時
1時30分?2時…丑二つ時
2時?2時30分…丑三つ時
2時30分?3時…丑四つ時
となります。
時刻を指すなら、
1時………丑一つ時
1時30分…丑二つ時
2時………丑三つ時
2時30分…丑四つ時
ですから、
丑三つ時は丑の刻の中心となります。
ちなみに1時?3時の丑の刻にお参りをすることで3時丁度の丑寅(艮)の鬼門の刻に鬼の呪力を得るというのが丑の刻参りですね。
もっとも、これは丑年の丑月の丑日の丑刻に降臨した神様に願いをかなえてもらうために丑の刻にお参りをするという風習だったものが、平安時代にいつのまにか呪いの儀式に変化したともいわれています。
■干支と方角
子…(水)………0度・北……………黒(玄) 玄武
癸(水の弟)… 15度・北北東微北
丑…………… 30度・北北東微東
艮(丑寅)…… 45度・北東…………鬼門
寅…………… 60度・東北東微北
甲(木の兄)… 75度・東北東微東…甲と己の年の恵方
卯…(木)…… 90度・東……………青 青龍
乙(木の弟)…105度・東南東微東
辰……………120度・東南東微南
巽(辰巳)……135度・南東
巳……………150度・南南東微東
丙(火の兄)…165度・南南東微南…丙と辛と戊と癸の年の恵方
午…(火)……180度・南……………赤(朱) 朱雀
丁(火の弟)…195度・南南西微南
未……………210度・南南西微西
坤(未申)……225度・南西…………裏鬼門
申……………240度・西南西微南
庚(金の兄)…255度・西南西微西…庚と乙の年の恵方
酉…(金)……270度・西……………白 白虎
辛(金の弟)…285度・西北西微西
戌……………300度・西北西微北
乾(戌亥)……315度・北西
亥……………330度・北北西微西
壬(水の兄)…345度・北北西微北…壬と丁の年の恵方
地図上を南北に結ぶ線を子午線、東西に結ぶ線を卯酉線といいますが、これは北が子、南が午、東が卯、西が酉であることに由来します。
また、
子…北…玄武…冬
卯…東…青龍…春
午…南…朱雀…夏
酉…西…白虎…秋
と対応することから、昔の都では内裏の南に朱雀門や朱雀大路がありました。
■恵方の決め方
正月や節分の時季になると「今年の恵方はどこですか?」という質問が増えますが、その年の恵方はその年の干支の「十干」によって決まっています。
・甲(木の兄)の年とその5年後(己・土の弟)…甲の方角=東北東微東
・丙(火の兄)の年とその5年後(辛・金の弟)…丙の方角=南南東微南
・戊(土の兄)の年とその5年後(癸・水の弟)…丙の方角=南南東微南
・庚(金の兄)の年とその5年後(乙・木の弟)…庚の方角=西南西微西
・壬(水の兄)の年とその5年後(丁・火の弟)…壬の方角=北北西微北
なお、五行では土は中央になるため、東西南北で対応する方角はありません。
そのため、戊(土の兄)の年とその5年後は、丙の年とその5年後と同じく、丙の方角とされています。
ちなみに「十干」は10年周期ですので、恵方は西暦の下1桁と対応していることにもなります。
1巡目
・西暦の下1桁が4の年(甲の年)…甲の方角=東北東微東(75度)
・西暦の下1桁が5の年(乙の年)…庚の方角=西南西微西(255度)
・西暦の下1桁が6の年(丙の年)…丙の方角=南南東微南(165度)
・西暦の下1桁が7の年(丁の年)…壬の方角=北北西微北(345度)
・西暦の下1桁が8の年(戊の年)…丙の方角=南南東微南(165度)
2巡目
・西暦の下1桁が9の年(己の年)…甲の方角=東北東微東(75度)
・西暦の下1桁が0の年(庚の年)…庚の方角=西南西微西(255度)
・西暦の下1桁が1の年(辛の年)…丙の方角=南南東微南(165度)
・西暦の下1桁が2の年(壬の年)…壬の方角=北北西微北(345度)
・西暦の下1桁が3の年(癸の年)…丙の方角=南南東微南(165度)
■干支の順序など
干支は十干と十二支の組み合わせで、10と12の公倍数は60なので全部で60とおりあり、これを六十干支ともいいます。
干支を甲子から順に並べると次のようになります(青字)。
甲・己…甲子/乙丑/丙寅/丁卯/戊辰/己巳/庚午/辛未/壬申/癸酉/甲戌/乙亥
乙・庚…丙子/丁丑/戊寅/己卯/庚辰/辛巳/壬午/癸未/甲申/乙酉/丙戌/丁亥
丙・辛…戊子/己丑/庚寅/辛卯/壬辰/癸巳/甲午/乙未/丙申/丁酉/戊戌/己亥
丁・壬…庚子/辛丑/壬寅/癸卯/甲辰/乙巳/丙午/丁未/戊申/己酉/庚戌/辛亥
戊・癸…壬子/癸丑/甲寅/乙卯/丙辰/丁巳/戊午/己未/庚申/辛酉/壬戌/癸亥
さて、六十干支12とおりづつ、その前に甲・己という十干をつけて5つに分けましたが、その意味を説明します。
例えば、十二支で「寅月」といえば「1月」のこと、「午の刻」といえば「12時」のことだというのは、「干支と旧暦の月(month)」「干支と時刻」で紹介しました。しかし、干支は十干と十二支の組み合わせですから、たんに「寅月」ではなく「丙寅月」や「戊寅月」、たんに「午の刻」ではなく「甲午の刻」や「丙午の刻」ということもあります。
こういう場合に12とおりづつの干支の前につけた十干をみます。
丙寅の前には甲・己とあるので丙寅月とは甲の年と己の年の1月のこと、戊寅の前には乙・庚とあるので戊寅月とは乙の年と庚の年の1月のことになります。
同様に甲午の刻とは丙の日と辛の日の12時、丙午の刻とは丁の日と壬の日の12時のことになります。
ただし、月の場合、子と丑は1つずれて、例えば庚子月・辛丑月なら丁・壬の年ではなく1つ前の丙・辛の年の11月・12月となります。2012年1月なら壬辰年の壬寅月ですが、その1ヶ月前の2011年12月なら辛卯年の辛丑月という具合です。これはもともと冬至を基準にして子月が年始(1月)だったものが後に寅月が年始(1月)にされたということの名残といえるでしょう。
冬至(新暦12/21頃)…甲子月…甲子年の1月→癸亥年の11月
大寒(新暦1/21頃) …乙丑月…甲子年の2月→癸亥年の12月
雨水(新暦2/19頃) …丙寅月…甲子年の3月→甲子年の1月