『アイネ・クライネ・ナハトムジーク(Eine kleine Nachtmusik)』の意味は?
モーツァルトが作曲したセレナードのひとつで映画のタイトルにもなっていますが、アイネ・クライネ・ナハトムジークの意味は?
アイネ・クライネ・ナハトムジークの意味は?Eine kleine Nachtmusik
一般的にドイツ語で Nachtmusik (Nacht Musik) と表記される場合は、「夜の」「音楽」 と分解されるものではなく、イタリア語由来のセレナード Serenade に相当する楽曲のジャンルのことです。
英語での素朴な逐語訳は”A little night music” となりますが、Nachtmusik が楽曲のジャンルであることを示すようにすると A little Serenade となります。
Serenade 自体が日本語で「夜曲(やきょく)」「小夜曲(さよきょく)」ですので、「小さなセレナード」という意味が適切かと思います。
アイネ・クライネの意味は?
アイネ「eine」は不定冠詞、英語でいうと「a/an」。
クライネ「kleine」は「小さい」という意味の形容詞です。格変化で語尾は変わります。英語でいうと「small」です。
つまり、アイネクライネ≒「a small」ということです。
まとめ:アイネ・クライネ・ナハトムジークの意味は?Eine kleine Nachtmusik
モーツァルトのセレナード第13番 ト長調 K.525 の題名として知られる『アイネ・クライネ・ナハトムジーク(Eine kleine Nachtmusik)』は、モーツァルトが当時手掛けていた歌劇『ドン・ジョヴァンニ』の片手間にこの曲を1787年に作曲しました。
ドイツ語でEineは不定冠詞(英語における“a”)の女性形の主格、kleineは「小さな」の意の形容詞kleinの女性形の主格、Nachtmusikは、Nacht(夜)+Musik(音楽)の合成女性名詞で、「小さな夜の曲」という意味である。この題名はモーツァルト自身が自作の目録に書き付けたものである。かつて日本語では(直訳ふうに)「小夜曲」と訳されていたが、今ではほとんど使われなくなっており、一方で「小夜曲」は「セレナーデ」の訳語として使われている。
自筆譜(現存)に Eine kleine Nachtmusik と書かれているわけではないですが、モーツァルト自身が残した作品目録の1787年8月10日に “Eine kleine Nachtmusik” と書かれていることに由来しています。
誰に献呈するか、いつ初演するか等全く不明な曲ですが、モーツァルトの名刺代わりの曲として、様々なTV番組に使われています。
モーツァルトが、この kleine (英語の little, smallに該当する「とるに足らない」「小さい」)にどのような意味を込めたのかは、K.388の管楽器のためのセレナードハ短調(セレナード第12番 4楽章、楽器編成2ob, 2cl, 2hr, 2fg) を “Nachtmusik”と書簡で呼んでいることと照らし合わせると、K.525のオリジナルは5楽章なので、楽器編成(弦楽四重奏+Cb)の規模のことであるとも推測されます。