インフルエンサーとして知られるエカテリーナ・ディデンコ(Ekaterina Didenko)が自身の誕生日パーティーでドライアイス事故を起こし犠牲者を出す騒ぎとなりました。
ドライアイス事故!インフルエンサーのエカテリーナ・ディデンコが誕生日パーティーで
エカテリーナ・ディデンコ(Ekaterina Didenko)さんは、ロシアで人気のあるインスタグラマー。
独自の家庭用医薬品に対する見解やライフスタイルが評判を呼び150万人のフォロワーを抱えています。さらには自分や娘が行った化学実験の様子などを公開しています。
エカテリーナ・ディデンコが29歳の誕生日のお祝いをするために、ロシアのモスクワにある室内スイミングプール施設「Devyaty Val」を貸切ると、集まった友人や家族を驚かせるために25㎏ものドライアイスをプールに投入。
動画の撮影も行われていて、防護服とゴーグルを着用したゲストからは歓声があがり、霧の効果で盛り上げる演出は目論見通りの成果を上げ、そのうちの1人は興奮しながらプールに飛び込んでいました。
想定外だったのはドライアイスは煙を出すだけでなく、時には爆発する危険性もあったこと。
数秒で部屋が水浸しになり、サウナで火照った身体を冷やそうとプールに飛び込んだ数人がすぐに苦しそうにむせ始め意識を失う者もいたとのこと。
救急隊が駆けつけて騒然となった現場では、25歳のゲスト2名(ナタリア・モナコバとユーリ・アルフェロフ)の死亡が確認され、エカテリーナ・ディデンコさんの夫ヴァレンチンさん(Valentin Didenko)を含む7名が病院に搬送されている。
いずれも重傷でヴァレンチンさんはその後、病院で息を引き取るなど合計3人が命を落とすことになりました。死因は肺水腫で、気道が塞がれていたとのこと。
他の4人は防護服のおかげで重度の火傷と一部の中毒症状に見舞われることはありませんでした。
エカテリーナさんは「ドラマティックな演出をしたかった」と明かしており、Instagramで涙ながらにこの悲惨なニュースを動画で伝えています。
「ヴァリャ(ヴァレンティンの愛称)はもう私たちと一緒にいません」
「2人の友人を失った。これは悪夢よ」
ドライアイス事故の危険性
ドライアイスは炭酸ガス(二酸化炭素)を固体にしたもので主に冷却剤として食品や飲料、化学製品などの冷蔵によく使われます。
ドライアイスは、一般的にはあまり毒性はありませんが水と結合すると強力で有毒な蒸気を発生し、換気の悪い空間に存在すると、血液中の二酸化炭素濃度が高くなり酸欠の原因になるほか、素手で触れると凍傷の危険もあります。
エカテリーナ・ディデンコの誕生日パーティーでプールに放り込まれたドライアイスの量は25kgということは、全部が気化した場合には12立方メートル相当の二酸化炭素が発生する計算になります。
四畳半ほどのスペースに籠もったらその場で昏睡し10分足らずで命を落としうる分量で、人間は呼吸した空気が低酸素だと、反射的に深い呼吸をして肺の酸素を叩き出してしまうせいで最悪、1回の呼吸だけで気絶する危険があります。
ドライアイスが原因とみられる事故はこれまでにたびたび発生していて日本でも様々な事例が報告されています。
「ついうっかり」事故が起きていたり、換気された場所という想定外の状況で事故が起きているケースもあるので、私たち自身も十分な注意が必要です。
米ワシントン州ピアース郡で、アイスクリーム販売業者の車の中にいた女性2人が意識不明の状態で見つかった。CNN系列局KOMOによると、クーラーボックス4個に入っていたドライアイスが原因だったと思われる。
KOMOによれば、7月27日午前、この車を所有しているアイスクリーム販売業の男性から、妻と母親が意識を失っていると通報があった。77歳の母親は窒息死したと伝えられている。妻は重体になっているという。
ピアース郡保安官事務所の広報は、「母親と妻は、母親を自宅へ送るためにこの車に乗っていた」と話し、「(ドライアイスの)煙がクーラーから漏れ出した」と説明。車は換気が不十分だった可能性があると指摘した。
ドライアイスは二酸化炭素が凍結したもので、解けると無色透明の気体になる。開かれた場所で適切に取り扱えば無害だが、密閉された空間では二酸化炭素濃度が急上昇して酸欠状態になることもある。
同じような事例は過去にも報告されている。米疾病対策センター(CDC)によると、2004年にはアラバマ州の男性がハリケーン到来を見越して大量のドライアイスを購入し、紙袋4袋に入れてピックアップトラックで運ぶ途中、呼吸困難に陥って駐車場に車を止め、意識を失った。
車は窓を閉めてエアコンを入れた状態だったが、男性から連絡を受けた妻が発見してドアを開けると、すぐに夫は意識を回復した。
ドライアイス事故でエカテリーナ・ディデンコのその後は…
エカテリーナ・ディデンコは夫でITスペシャリストのヴァレンティン・ディデンコを失い2児の子供を抱えるシングルマザーとなりました。
悲しみに暮れる様子をインスタグラムに動画投稿したところ、フォロワーは急増し150万人に達しています。
また、エカテリーナ・ディデンコとその友人たちは、モスクワで放送される主要なテレビトークショーに参加するなど、夫の死後も動画投稿を続けるエカテリーナ・ディデンコに対して「不道徳」と非難する声も上がったようです。
また、エカテリーナ・ディデンコはドライアイス事件後、「長い間、やりたいと思っていた」として胸を大きくする手術も受けています。
新しいパートナーとの交際もスタートさせ、インスタグラムに幸せそうな様子も投稿して言います。
その相手は俳優のVlad Chernykh(ヴラド・チェルニーフ)で、今はレストハウスの一つで一緒に休んでいるという。