「エルニーニョ現象」「ラニーニャ現象」の覚え方は?
エルニーニョ現象とラニーニャ現象の違いともたらす影響は?
エルニーニョ・ラニーニャ違い
エルニーニョとラニーニャは、太平洋の海面温度が平年より高くなったり低くなったりする現象です。
エルニーニョ現象
エルニーニョ現象とは、太平洋赤道域の日付変更線付近から南米沿岸にかけての海面水温が平年より高くなり、その状態が1年程度続く現象です。
エルニーニョ現象が起こると、太平洋東部の海面水温が高くなり、太平洋西部の海面水温が低くなります。そのため、日本では冷夏暖冬となり、水稲の冷害やスキー場の雪不足が起こりやすくなります。また、世界の平均気温は一時的に高くなります。
ラニーニャ現象
ラニーニャ現象とは、エルニーニョ現象の逆で、同じ海域で海面水温が平年より低い状態が続く現象です。
ラニーニャ現象が起こると、太平洋東部の海面水温が低くなり、太平洋西部の海面水温が高くなります。そのため、日本では猛暑厳冬となり、熱射病の多発や水道管の凍結、豪雪による被害が起こりやすくなります。また、世界の平均気温は一時的に低くなります
エルニーニョ・ラニーニャの違い|気候への影響
ラニーニャ現象は赤道海域に吹く貿易風が強まり、赤道海域の暖水が西側のフィリピン付近に集まり、反対に東側のペルー北岸付近では暖水が引いたところに冷水が湧き上がっている状態です。
つまり太平洋西側の海水は暖かく、東側は冷たくなっている状態です。
まぁ、これによって気圧傾度が高くなり強い貿易風が吹くといえます。西側の冷水(気圧大)から東側の暖水(気圧小)へ風が吹く。
エルニーニョは単にこの逆の現象が起こっているだけです。
貿易風が弱くなると西側の暖水域が東へ移動し、東側が通常時よりも暖かくなるのです。
すると気圧傾度の差も小さくなります。西側のやや暖水(気圧大)から東側の暖水(気圧小)へ風が吹く。
エルニーニョが起きた時の世界への影響は、
アフリカなど熱帯地域で高温多湿になり、それによる環境悪化で伝染病が広がりやすくなる。
ヨーロッパでは猛暑。
台風の発生が減る(東部の暖水が引く→上昇気流が弱くなる)。
夏時、小笠原高気圧の日本への張り出しが弱くなり、冷夏に(暖水が西へ移動→下降気流が弱くなる)。
冬時は北日本で暖冬に。など
ラニーニャ時にはこの逆の減少が起きます。
エルニーニョ・ラニーニャ覚え方
エルニーニョとラニーニャの違いを覚えるには、次の2つのポイントを押さえるとよいでしょう。
■海面水温の変化
エルニーニョは海面水温が高くなり、ラニーニャは海面水温が低くなる。
■影響
エルニーニョは冷夏暖冬となり、ラニーニャは猛暑厳冬となる。
これらのポイントを踏まえて、次のような覚え方をするとよいでしょう。
〇エルニーニョ
海面水温がELevated(上昇)する
影響はLow(低温)
〇ラニーニャ
海面水温がLow(低下)する
影響はHigh(高温)
また、エルニーニョはスペイン語で「男の子」、ラニーニャは「女の子」という意味です。この意味から、エルニーニョは「エレちゃん」や「エリちゃん」、ラニーニャは「ラちゃん」などと呼んで覚えるのもよいでしょう。
まとめ:エルニーニョ・ラニーニャ違い・覚え方
エルニーニョ現象は、太平洋東部の低緯度で貿易風が弱まると、その海域の海水温度が上昇し、太平洋西部や日本周辺の海水温度が下がる現象です。この現象が日本では冷夏や暖冬をもたらし、水稲の冷害やスキー場の雪不足が起こりやすくなります。また、エルニーニョ時には世界の平均気温が一時的に上昇する傾向があります。
一方、ラニーニャ現象は太平洋東部の低緯度で貿易風が強まると、その海域の海水温度が低下し、太平洋西部や日本周辺の海水温度が上昇する現象です。日本では猛暑や厳冬になりやすく、熱中症や豪雪による被害が増える傾向があります。この時には世界の平均気温が一時的に下がることがあります。
覚え方として、エルニーニョは海面温度が上昇することを意味し、ラニーニャは海面温度が低下することを示します。スペイン語で、「エルニーニョ」は男の子、「ラニーニャ」は女の子という意味を持ちます。
この気象現象は、日本の気候にも影響を与えますが、日本から遠く離れた海域で起こるため、具体的な影響は状況によって異なります。また、他の気象要因や海洋の流れなども影響を与えるため、必ずしも一定のパターンで起こるわけではありません。
エルニーニョとラニーニャは、数年ごとに発生する気象現象であり、世界中の異常な天候の要因となり得ると考えられています。